マガジンのカバー画像

動画で考える

50
「動画で考える」とは、動画を撮影することを通して目の前の日常空間を観察し、それを手掛かりにものごとを考え、表現する、その手法のことです。
運営しているクリエイター

#写真

1-1.「動画で考える」について

「動画で考える」とは、動画を撮影することを通して目の前の日常空間を観察し、それを手掛かりにものごとを考え、表現する、その手法のことです。 『動画で考える』を読む これまであなたが見てきた動画の常識を忘れよう。動画はほんとうは、控えめで小さな声でささやく人たちのための道具だ。 人気のユーチューバーたちは、そのフォロワーを飽きさせないように、しゃべり続け、何かに挑戦したり、主張したり、歌ったり踊ったりする。とにかく目立ったもんの勝ち、といったスタイルが常識になっている。でも

3-2.動かない人物を撮る

『動画で考える』3.何もない、をうつす 動画と静止画のさかいめ撮影機材がデジタル化されたことで、動画の撮影も静止画の撮影も1台のカメラで済むようになり、単なる機材のオペレーションの範囲であれば、それぞれに必要とされる専門性の境界は、限りなくあいまいになりつつある。だから、プロフェッショナルな撮影現場でも、発注者の要望次第で、動画も静止画も一人のカメラマンが同一のカメラで撮影するケースも増えつつある。 ある被写体を動画で撮影するのか静止画で撮影するのか、それが商業的な撮影で

8-3.水に映る影

『動画で考える』8.見えないものを撮る 水たまりや池の水面をのぞき込んで、そこに映し出された世界を観察しよう。あなたの全身が映り込むような公園の池の淵に立って水面をのぞき込むと、そこには限られた大きさの中に複雑な世界の状態が映り込んでいて、凝視するうちに吸い込まれそうになる。 池の水面は蓮の葉に覆われていて、その隙間からは、水の底に沈んでいる石塊やそれを覆うように藻や水草が繁殖しているのが見える。水中にはたくさんの鯉や鮒の類が泳ぎ回っている様子が観察できる。所々に垣間見え

16-2.ひとに見せる

『動画で考える』16.ひとに見せる あなたと友人が同時に撮影した動画を互いに見せ合って、その違いを検証しよう。あなたが撮影した動画を身近な友人に見せようとしたら、デジカメでもスマホでも撮影した動画を同じ機器のモニターで再生して、その場で相手に差し出すだけで良い。友人と旅行に出かけ、お互いを動画で撮影して、その場ですぐに動画を見せ合ったり、SNSで共有したりすることもあるだろう。それにしても、その場で同じ体験をした者どうしが、お互いに撮影した動画を、その場に居ながらにして見せ