「アメコミビブリオバトル」に参加してみた3

またまた「アメコミビブリオバトル」に参加してきました。今回で三度目。なんとなくイベントの雰囲気も掴めてきたということで、今回はいつもの観戦ではなくバトラーとして大会に参加することにした。初参加の時のアフタートークで飛び入りの参加をしたことはあれど、最初から発表すると決めてイベントに挑むのは今回が初めて。かなり緊張しながらバトルに挑んだ。

今回紹介するのは「メリー・ジェーン&ブラックキャット:ビヨンド」、以前noteでも紹介したことのある名作。今回のバトルのテーマは「心に残るアメコミ名場面」なので、ラストのMJとフェリシアが朝日を見つめる場面をぜひ紹介したい!と思いこの作品をセレクトした。

前回紹介した記事はこちら。

飛び入り参加で発表した時に「とにかく時間がない」ということはわかっていたので、全体が短くあらすじが紹介しやすいワンショットの短編。かつ物語も面白くてわかりやすい、ビブリオバトルの題材としては最高の1号だ。

導入としてMJとブラックキャットの紹介を1分、あらすじを2分半で、説明の合間に見せるコマのページ数をメモり、最後の1分半でラストの名場面シーンと感想を言う…駆け足にはなるけれど、無理なく説明できるラインの文量には収まりそう。準備は万端、材料も最高。これならいける!今度こそチャンプを取るぞ!とかなり意気込んで発表に臨んだ。

結果は惨敗。発表者4人のうち、なんと3人が同票としてチャンプ本に選ばれる中、自分のみ落選となってしまった。

正直めっっっっっっちゃくちゃ悔しい!好きなことを喋れて好きな作品を紹介できたからそれだけで満足ではあるけど、大好きな作品をチャンプ本として掲げてあげられなかった悲しさは込み上げてくる。何より、実際に発表してみた時もかなり計画通りに進んで説明できており、プレゼン後にはかなりの手応えもあったからか、期待と結果の落差にかなりやられてしまった。

落ち込みながら考えるが、実はビブリオバトルは最初に行われる本戦とは別に、アフタートークの中で開催させる「泥酔ビブリオバトル」というものがある。このままでは終われないので絶対にリベンジしたいところだが、そもそも紹介本も決めていないし、負けた要因も掴めない。そもそもこのメンタルでもう一度やってうまく行くものか…ビブリオバトルからアフタートークの間の短い休憩時間の間で、改めて他の方の発表と自分の違いについて考えてみることにした。

まず最初に気づいたことは、自分の発表はあくまで「プレゼン」になっていることだ。キャラクターの説明、あらすじ、名シーン、感想という順番のフォーマットを決めて、それぞれの時間配分の中で説明をする。「わかりやすく作品の説明をする」というテーマなら今の自分の構成に間違いはないと思う。けど、ビブリオバトルの勝敗は「わかりやすさ」ではなく「本を読みたいと思ったか」で決まるもの。物語の起承転結を説明してしまっては、そのコミックを読みたいとはあまり思わないかもしれない。

他の方の発表を聞いていると、思い切って一つの場面のことにガッツリ時間を使ったり、作品の説明から派生してキャラクターの魅力を思いっきり語ったり、意外と型にハマった説明をしていない人の方が多かったりする。作品全体の説明をするより、魅力的な部分を絞って愚直に思いをぶつける方がいい、というのが最初の気づきだった。

2番目に感じたのは「アート主体の説明の方が魅力を感じやすい」ということ。考えればすごく当たり前のことだけれど、物語の魅力を説明するにはそれなりの時間をかけなければならないが、アートの魅力はそのページを見せてしまえば一瞬で伝わる。

「メリー・ジェーン&ブラックキャット:ビヨンド」は物語を読むと最高に素晴らしい作品だけど、アートの面白さという面では1ページでぐっと目を惹かれる場面というのはあまりない。これはコマ割りや絵柄で独特な場面がないという意味で、クリーンな表情やかっこいいアクションを全編にわたり描いているアートもすごいんだけど…良くも悪くも「普通のコミック」の絵柄だ。それに発表の仕方としても「アートの良さを伝える」というよりは「物語の説明のためにアートを見せる」という使い方だったように感じる。

他の方の発表を見ていると、とにかくアートを見せながらの説明が上手いし、特にグッときたアートのシーンをガッツリ紹介している方も多かった。引き込みやすいアートの作品を選び、それ自体の良さをガッツリ説明する、というのが2番目の気づきだった。

最後に思ったのは「ゆっくり喋った方がいい」ということ。これに関してはもうそのまんまです、はい…喋り出すとオートパッシブスキルで「オタク特有の早口」が発動するものなので、これはもう頑張るとしか言えないんですが、ええ…

でも早口で喋ってしまう根本の原因は説明量が多いからに他ならない。あらすじ等を削って、アートで視覚に訴える説明を意識すれば、自ずと口調もゆっくりになるはず!とにかく落ち着いて、自分のペースで話そうと心がけた。

そして迎えた本日第二回戦、自分の相棒はこちら「ヒストリー・オブ・ザ・マーベル・ユニバース6号」です。

最初の導入以外では物語がないと言っても過言ではなく、かつアートの魅力のノリで突き進んでいると言っても過言ではない本作。いわば先ほどの反省点の究極系という形で挑ませてもらった。

もちろんただ説明しやすいからというだけでなく歴代で読んだコミックでもトップレベルに好きな作品なので、思いの丈も十分伝わるはず。「最後にカラフルなヒーローが全員集まるシーンがいいんです!」と愚直に話して発表が終わった。他の方の発表も素晴らしく、先ほどとは打って変わって全然自信はなかったが…

結果はなんと優勝!初めてチャンプを取ることができました。

心の中で叫びまくるほど嬉しい瞬間だったけど、「MJ&ブラックキャットでもこれを取りたかった」という悔しさもあり、とにかく勉強になった3回目の参加。次回もより修行してチャンプ本が取れるように頑張っていきたい。

余談なんですけど、ヒストリー・オブ・ザ・マーベル・ユニバース読んでる人が多くてびっくりした…あれ結構マイナーの中の名作だと思ってたんだけど。「好きな作品を聞かれてこれを出せばちょっと深めなオタクだと思われるぞ…フフフ…」とか思ってたのに、めっちゃびっくりした。

前回、前々回の時の感想はこちら。

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