連載 Spotifyグローバル・チャート攻略法(4) 今、Spotifyでの注目曲は?
どうも。
先週から続けてまいりましたSpotifyグローバル・チャート攻略法、今日はいよいよラストになります。
おそらく今回話すことが、読者さん的には一番知りたいことなのではないかとも思います。それは
今、スポティファイで何が流行ろうとしているのか?
これについて語ろうと思います。
もう、僕の立場で言わさせてもらいますと、もう最近の世界のチャートの流行り、チェックすべきはビルボードではないですね。かといってイギリスのチャートでもない。では、なにか、と言ったら、もうこれ、Spotifyのグローバル・チャートしかないんですよ。
やっぱり流行りのタイム感が違うんですよね。もう1日ごとに新しい動きがある。配信された翌日には、もう人気曲が誕生する世の中です。もう昔みたいに1週間も結果待ってられません。
そして、グローバル・チャートなので、場合によってはアメリカやイギリス発でない、別のところからの思わぬヒットもあったりするでしょ?さらに、ここで以前からも話しているように、最近ではtik tokでバズった曲がSpotifyのチャートを介して知られ、それが遅れてビルボードに反映されるようなことも多いです。
こういう動きは2021年にオリヴィア・ロドリゴやマネスキン、グラス・アニマルズの「Heat Waves」あたりから顕著になりはじめましたけど、目下、そういう曲の代表がありますね。
はい。スティーヴ・レイシーの「Bad Habit」。これ、今週のビルボードのシングル・チャートの1位の曲でもあるんですけど、これも元はtik tokでバズりまして、それがSpotifyのグローバルで上がって、それに刺激されビルボードでヒット、と言うパターンでした。
今もう彼、これ以外にも「Static」、それから一つ前のアルバムの「Dark Red」と、グローバル・チャートの200位に入ってる曲が3曲もあります。
こういうインディ・ロックとの接点もあるR&Bなんて、ラジオのフォーマットにはすごくはまりずらくなかなかヒットしにくいタイプなんですが、そこをtik tokのリスナーが目ざとく見つけたのは、大きな収穫だったと思いますね。
そして、こういうヒットがまだSpotifyには続々とあるんですよ。たとえば
これ前にも紹介しましたけど、17歳の黒人少年d4vdが歌う、リアル・ゴス・ロック「Romantic Homicide」。これが最新Spotifyグローバル・チャートでは17位。Spotifyのアメリカに至っては3位ですよ!それがビルボードのシングルだと、まだ30位台。ずれてますけどね。
この50sっぽい、レトロでスタイリッシュでドリーミーなバラード「Until I Found You」。歌っているのはスティーヴン・サンチェスというニューカマーです。これも最新のグローバル・チャートでは20位ですよ!ビルボードだとようやく50位に入ってきたくらい。やっぱ時差があるんですよね。
そして、このJ4KEというシンガーソングライターのこの「golden hour」という、非常に美しいピアノ・バラード、これがグローバルの最新の41位にあがってきています。ビルボードでも56位に上がってきています。
そして、今すごく期待されてる人ですね。オマー・アポロ。ロウファイでソウルフルなラテン系シンガーソングライター。そして歌の主題的にはカナリ明白にゲイ、ということで、どことなくフランク・オーシャン的な要素を独自の形でもった感じですね。7月に出た「Ivory」と言うデビュー・アルバムもかなり好評です。
この曲はツイッターで38万個も動画が作られたほどバズった曲でして、それを受けてビルボードでも50位台まで上がっています。Spotifyでもこのところトップ50内に出たり入ったり。最新では48位にランクしてます。
あと若干、気が早くもあるんですが、グローバルの170位くらいに入ってるホテル・アグリーというインディロック・デュオのこの曲も気になってます。今時なシティポップ的ソウル感覚と、歌詞のユーモアのセンスが光ります。
それから、ここにもマネスキン!こないだ、ここでも紹介しましたけど、この曲もグローバル・チャートでヒット中でして、現在44位にあがってきています。発売週よりも2週目の方がチャート上がってきていますね。本国イタリアがすごく盛り上がってますね、今回。あそこではもう、ほとんどのチャートで1位、Spotifyのイタリアでも2位と、彼らのイタリア国内での屈指のヒットになりそうです。
まだ受け方が局部的なのと、11月から本格的に全米ツアーなのでこの曲をかなり推すことが予想されるのでロングヒット期待ですね・・。
・・というふうに、これからのアーティストをグローバル・チャート、かなりプッシュしてるんですよね。ここんとこ、本当にそうした曲の発見が楽しいです。