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もっと幅を持った再評価をしてほしい(もしくは進行中)の80sニュー・ウェイヴ

どうも。

先日の「日本の70年代の売れたロックの再評価」を求めた記事、多くの人に読まれたようでうれしいです。「はっぴいえんど史観」が完璧な形で進んでないので、あれはすごく有効な議論だと思います。

ただ、「再評価を求めたい音楽」はなにも邦楽だけにあるわけじゃありません。今日は洋楽のそれをやります。というか、本来、そっちが専門家なんですけどね(笑)。

僕が今、洋楽で再評価を求めるなら、間違いなくこの領域です!

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はい。エイティーズのニュー・ウェイヴ、ズバリ、これです。このジャンルもまさに「売れたものが評価されてない音楽」の典型でもあるので。それプラス、範囲が広すぎて、遅れて再評価されるカルト・アーティストも少なくない、というちょっと不思議なジャンルなんですよねえ。なので、今日はこれについてあえて語ってみようと思いました。

一般に、今日のUKやインディ・ロックのファンに「80sのニュー・ウェイヴといえば?」との質問を浴びせた場合、帰ってくる答えってこうだと思うんですよ。

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もう4つのセット状態だと思うんですけどね。僕が作ったわけじゃないのに、こういうセット写真がすぐに出てきますので(笑)。ザ・スミス、キュアー、デペッシュ・モード、ニュー・オーダー。この4つの、ダークでメランコリックな四天王の時代だったように思う人が多いのがこれ、普通だと思うんですよね。

ここにギター・ミュージックの観点からジーザス&メリー・チェインやエコー&ザ・バニーメン足したり、最近のトレンドっぽくニック・ケイヴ&ザ・バッドシーズ加えたりする感じかな。あるいは、規格外の大物になりますけどU2。エイティーズのニュー・ウェイヴで持たれているイメージってそんな感じだと思うんですよ。

が!

おじさんたちの若い頃は、それよりはるかに売れてたニュー・ウェイヴのバンドがたくさんいたんだよ!!

これは一般論としてご存知の人も少なくないかとは思います。MTVのブームというのがありまして、主にイギリスのニュー・ウェイヴのアイドル・バンドが大挙してミュージック・ヴィデオの政策を行いまして、それでアメリカ市場で大きな成功を収めたんですね。僕も思い切り、その文化の中で育ちました。

ただ、僕自身も、なにもノスタルジックに「その時代のアーティスト、みんな評価しろ」なんてことはいいません!それを主張するには今だと弱いなと思えるアーティストも少なくないんでね。

でも、これは前からなんですけど、「せめてこの四組だけでも再評価してほしい!」という人たちがいます。

ずばり、この人たちです!

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はい。デュラン・デュラン、ティアーズ・フォー・フィアーズ、インエクセス、ユーリズミックス、この4つがすぐにでも再評価されるべきです!

デュランは僕にとっての永遠のアイドルなのは、このブログをお読みの方にはわかっていただいてると思うんですけど、功績、本当にでかいですよ!あの当時、MTVでもっとも成功したニュー・ウェイヴ・バンドであり、英米で10曲以上のトップ10ヒットがあり。長らくアイドル・バンドとして過小評価されてきてましたけど、それこそ先日とりあげたジャパンの遺伝子を組む正当後継者だし、ニック・ローズは「シンセ・ゴッド」と呼ばれすごく評価されてるし、ジョン・テイラーのファンキーなベースだって立派なエイティーズのシグネチャー・サウンド。加えて、90s、2010年代に2度もカムバックして、

2015年のアルバム「Paper Gods」は英米でともにトップ10入ったんですからね!ゲスト、ジャネール・モネエなんですから。

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今年9月のワイト島フェスティバルではリアム・ギャラガーらと並んでヘッドライナーなんですから!

すごいでしょ?それくらいデュランって復活してるんですよ。

また、一般的には「ダークなエレポップ・デュオ」のイメージで「シャウト」とか「シーズ・オブ・ラブ」のヒットイメージの強いティアーズ・フォー・フィアーズ

映画「ドニー・ダーコ」での「マッド・ワールド」のカバーや、ウィーケンドが「ペイル・シェルター」をサンプリングしたことで再評価上がってます。

さらに、この人たちも大好きだったなあ、インエクセス。オーストラリアが生んだエレクトロなロックンロール・バンドでしたけど、

The 1975が2015年のシングル「Love Me」で思いっきりインエクセスのフロントマン、マイケル・ハッチェンスをイメージしたミュージック・ヴィデオを作り話題を呼びましたね。

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このベスト盤も、オーストラリア本国だと330週もトップ50に入り続ける、本国で圧倒的なレジェンドになっています。

そしてユーリズミックスは、一方ですごく無機質で寒い感じのエレクトロアニー・レノックスの情熱的なソウル・ヴォーカルの組み合わせが光りますね。高校、大学のリアルタイムで2回ライブ行くくらいファンでした。

ここでインエクセス、ユーリズミックスで注目してほしいのは

①ソウルフルなテイスト!


僕としては、ここの再評価を促したい!

というかですね、まさにこの部分が足りないことが、昨今の欧米インディ・ロックの弱点になっています。特にアーティスト側でなくリスナーの側ね。前に、「現地のインディ・リスナーと直接会話した」って記事を書いたんですけど、そのときにも触れたことなんですけど、たとえばスミスとかニュー・オーダー、キュアー、あるいはアメリカでソニック・ユースとかペイヴメントで育ったタイプって、ギター・ロックは優等生的に強いんですけど、R&Bとかヒップホップ方面がてんでダメ人、驚くくらい多いんですよ。そこのところが昨今のインディ・ロックが世界の潮流から置いていかれる原因にもなってると思うんですよね。

そこのところ自覚できてるアーティストもいて、The 1975やテイム・インパーラ、グラス・アニマルズなどはまさにそのR&Bテイストで成功してますけど、まだ層が薄い。最近の日本人アーティストの方が、シティ・ポップの影響などもあって、よっほど強いですよ。

僕らの世代くらいだと、ニュー・ウェイヴ、とりわけイギリスの方がソウルフルで当たり前だったので、むしろうれしいくらいなんですけどね、そういうことやってくれると。

やっぱり

The 1975の曲にこうしたプリファブ・スプラウトのテイストを強く感じたりするとすごくうれしいものですよ。彼らなんて、これから音楽作る意味でのいいヒント、たくさんあると思うんですけどね。彼らだけじゃなく、たとえばスクリッティ・ポリッティでも、ある時期以降のアズテック・カメラでも、レベル42でもいいんですけどね。ワム!でもいい。

シャーデーでももちろんいいですよ。スタカンとかブロウ・モンキーズとか、そういう日本のカフェ・バー・ブームの感じでもですね。

とりわけシャーデーは80sで限定されるアーティストではなく、極端な佳作で、久々に出すたびに必ず進化することでカリスマになってますから、エイティーズと言わず、いつの時代も影響を与えうる存在ですけどね。

あと、シャーデーがでてきたところで、女性アーティストの再評価を考えたいですよね。

とりわけ僕がすすめたいのは

②ドリームポップ

ここは90s初頭のシューゲイザーにもつながるところですけど、それ以前二エイティーズのゴス系アーティストによるドリームポップ(当時、この呼び名、あったっけ?)がその先駆でもありますからね。

昨今のインディで女性アーティスト、増えてますけど、ドリームポップ、シューゲイザーって彼女たちの好む路線なんですよね。そんな彼女たちにスージー・スーやコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーといったあたりは強い影響、与えうると思いますよ。

続いては

③シンセポップ

やっぱ、これはいりますね。やっぱり音楽表現としてエレクトロが今後死ぬことなんてないと思うし、そのたびにシンセポップは手本にされ続けると思いますからね。

 ただ、このジャンルも、数え上げていけばキリがない。もちろんデュランでも、デペッシュ・モードでも、ヒューマン・リーグ、ソフトセルもいいし、それこそノルウェーのahaだっていい。迷うところではあるんですけど、今回は

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ペットショップ・ボーイズを!

彼ら、こうしたシンセポップの中では後発組で、この音楽の一番熱かった80年代初頭を経験してないからマニアによっては外されることも少なくないんですけど、冷静に考えてシンセ・ポップ・アーティストで世界でもっとも成功したアーティストには変わりないし、初期シンセポップ勢にはないその後のクラブの状況に合わせた進化の部分も彼らは示しているし、ディープなゲイ・カルチャーでのイケイケ・アンセムだって作れる。その器用さは評価するべきだと思うんですよね。

そんな彼らの最大のヒット曲のひとつ「It's A Sin」をタイトルとしたイギリスのドラマが、今年に入って本国で大ヒット。世界配信も本格的にはじまろうとしているところです。このドラマは80sのゲイ・カルチャーとエイズの悲劇を描いたものでイヤーズ&イヤーズのオリーがメイン・キャストです。これ、すごく見たいんですよね。こういうところでもペットショップ、再評価進んでいます。

つづいて、

④ポップ・カルチャー

この点での再評価で

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すごい渋いんですけどね。サイケデリック・ファーズと言うバンドがいます。

彼らの場合、代表曲の「プリティ・イン・ピンク」が80年代を代表するジョン・ヒューズの青春映画のタイトルになったことで有名なんですけど、そういうメディアに好かれる要素はあって


「君の名前で僕を呼んで」では「Love My Way」が使われて、これも話題になりました。

また

ストロークスの去年のアルバム「The New Normal」の中の「Eternal Summer」はファーズの「Ghost In You」って曲にそっくりだったので、ファーズ、クレジットされました。

そういうこともあってか、ファーズの最近だした再結成アルバム、全英トップ10に入ってます。

⑤カルト・アーティスト

最後に2組、現在、絶賛再評価中の80sのカルト・アーティストを二組紹介して締めましょう。

まず

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このトーク・トークから。

もともとはこの1984年のシンセポップのスマッシュ・ヒット、「It's My Life」で有名だったんですけど、彼らは急に路線が実験的なジャズになりまして

1988年に発表したこの「Spirit Of Eden」というアルバムは 「ポストロックを作ったアルバム」として伝説的な評価を受けています。

そして最後に

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このザ・フォールというバンドを。彼らは今、ポストパンクのバンドの雛形としてすごくリスペクトされています。ポスト・パンク・リバイバルって2000sにもあって、そのときはやたらとギャング・オブ・フォーが引き合いに出されたものですが、今はザ・フォールですね。

今のポストパンクの場合、ひっかくような変則的リズムのギターだけでなく、このフォールのシンガー、マークEスミスの皮肉っぽさと熱さの両方を併せ持ったヴォーカル・スタイルまで影響を受けたバンドが結構目立ってまして。

ここ最近のUK圏でもっとも人気のある若手フォンテーンズDCやシェイムにダイレクトな影響を与えていますね。

・・といったところですね。

ニュー・ウェイヴと一口に言っても本当に広いので、アップデートは必要だと思います。








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