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レビューサイトの点数をチェックする“だけ“ではシーン動向がつかめないことについて

どうも。

今日と明日は、つなぎのテーマなんですが、こういうことを話しましょう。


海外の音楽系のレビュー・サイト、これについての話をしたいと思います。

 とりわけ、毎週金曜日に必ずサブスクで新作アルバムが配信されることになって以降、こうしたレビュー・サイトの用途が上がったこと、これは間違いありません。僕も何かしら、毎週読んでます。

 そこで点数の結果が良いものって、どうしてもチェック入れたくなるものなんですよね。そういう音楽のお勧めを誘導してくれる意味で、この手のサイトはすごく多くの人たちの音楽ライフに貢献していると思います。

 ただ!

 そこで気をつけないといけないことがあることを、ここで話しておく必要があるので、そのことについてお話ししましょう。

①レビュー・サイトは複数チェックが基本


 まず最初に、レビュー・サイトを見る際、気をつけないといけないのは、一つのサイトの言っていることだけを当てにしても意味がない、ということです。

 世の中にはいろんないいサイトがたくさんあって、それぞれに意見があります。それらを総合して、そのアルバムが良いものなのかどうなのか、参考にする必要があります。

 よく見かける傾向なのですが、有名なピッチフォークの点数だけ見るのでは全く意味がありません。あそこは信用できることも言いますが、逆に言えば、もっとも偏りのある音楽傾向であることも確かです。前から言ってますが、とりわけロックの推しに華がなさすぎるし、一番嫌なのはイギリス人アーティストに対しての意味不明な偏見ですね。

 なので、見るのなら、色々見たほうがいい。前から言ってますけど、僕の場合は、アメリカだったらコンセクエンスってところをよく見てます。ただ、やっぱイギリスの方をよく見てまして、最近だったらDORK、DIY、The Line Of Best Fitあたりはイギリスの若手注目に関して信頼おけるのでよく見てますし、老舗のNMEやガーディアンももちろん見てます。

 ただ、そういうものをまとめて閲覧できるようにした総合レビュー・サイトが一番便利です。いろんなとこで出たレビューの点数をまとめてくれるので。僕も、客観的なレビューの様相はそこで把握してます。

②総合レビュー・サイトも複数のチェックが必要


 総合レビュー・サイトの例としては、AOTY(Album Of The Year)、Any Decent Music、Metacritic、Rate Your Musicと色々あるんですけど、これらも総合サイトではあるんですが、複数チェックした方が説得力がさらに増します。

 なぜなら、それぞれの媒体によって、まとめる際の基準が違っていて、、平均点の出し方に差があるからです。一番よく拾えているのはAOTYです。媒体数をいちばん拾ってるので。ただ、イギリスのアーティストに関してはAny Decent Musicの方が僕は好みです。ただ、ADMの場合は、イギリス贔屓になりすぎて逆にバランスが崩れるときがあるので両方見たほうがいいです。

Metacriticは疲労数が少ないんですけど、AOTYやADMが軽視するアーティストをたまにうまうピックアップするときがあるので、たまに使えます。でも、このサイトは映画レビューのほうが圧倒的に使えます。

ただ、僕の場合、Rate Your Musicは一切、使いません。なぜか。まずサイトのレイアウトが見にくい。あと、レビュワーが基本音楽マニアで、プロのレビュワーじゃないこと。音楽マニアでも鋭い感性の持ち主であることは知ってますが、僕からしてみたら古いタイプのマニアが多いというか。なんかポップを必要以上に敵視して、曲がわかりにくいもの、エクスペリメンタルなものを重視しすぎるというか。あと、女性アーティストでも女性ウケ悪そうなオタクっぽいものを好むとこも感じられるし。RYMとピッチフォークのユーザー、欧米圏だとよく「インセルっぽい」と揶揄されたりするの見たことあるんですけど、否定はしません。ただ、それよりは「普段、放送聞いてる?」「ライブとかフェスとか行ってる?」と僕の場合は言いたくなります。

③点数が良いだけでは意味がない


 あと、ただ単に総合レビュー・サイトでの点数が良いだけでは意味がありません。評判が良くても、やはり少しでも売れなくては。

 なので僕の場合は、レビューで高得点を記録したものを見つけた場合、その次の週のチャートで何位に入るか。そこまで見届けることにしています。

 ただ、その場合、もうほとんどイギリスのみですね。残念なことに、とりわけビルボードがサブスク後に行ったチャート改正で、インディのアーティストが強かったフィジカルでの売上のポイントがガタ落ちしてチャートに本当に入りにくくなったんですよ。あの国の場合、「女性、人種マイノリティ」を優先しすぎるあまり、とりわけ白人男性の扱いを本当に間違えています。だから今一番売れてる白人アーティストがカントリーに集中したりもするんです。まあ、この件に関しては、また別のテーマで語れる話だし、そのつもりでもいます。

 そんなこんなで、今は「インディの良心的な音楽」というのは全英チャート、あるいはその影響を受けたヨーロッパの国々というのが頼りなんですが、イギリスで売れないことにはヨーロッパにも広がりません。なのでイギリスのアルバム・チャートで何位になるか。ここがものすごく重要です。ここでギリギリ100位までに入れば、「ああ、ここから広がるきっかけができるな」と、まずは安心します。そこまで売れる規模になると、ある程度、熱心な音楽ファンには浸透していることも意味しますから広がりやすい土壌もできるし、フェスにも呼ばれやすくなります。

 逆にですね、どんなに評判が良くてもチャート・アクションに全く繋がってないと、「厳しいね」と思ってしまいます。ただ、そうなるアルバム、僕はだいたいカンで、チャート結果見る前から予想できる場合がほとんどです。やっぱ「これ、サウンドはいいけど曲が弱いな」とか「このヴォーカルじゃ売れない」と思うものが得てしてそうなりやすいので。

④昨今、シーンを作っているのはむしろ・・・


 あと、ここ最近で音楽シーンを形成しているのはレビューじゃないですね。レビューに強いということは信頼の証でもあるので、それが良いとアーティスト生命は伸びやすくなりますが、今の欧米のリスナー見てると、チェックした方が良いのはむしろ

ストリーミング数

 ズバリ、そちらですね。

 とりわけ、ロックとかインディの関係だとプレイリスト。これが重要ですね。プレイリスト選ぶような人って、90年代の日本の外資系レコード店のバイヤーみたいな感性の人が多いので、いいセンスで組み込んでくれるんですよね。でも、とっつきやすいいい曲が構造的に入りやすいんですよね。

 ただ、そこで複数プレイリストに入るような曲はやはり注目されやすいし、人気も上がりやすい。それから、こういうプレイリストはtik tokでの人気を反映することもよくあります。

 その結果、レビュー・サイトの評価だけではつかめないアーティストも拾えるし、なまじヒットもしてるので、プレイリストで人気出る人の方がフェスにも呼ばれやすくなるんですよね。

 ということで、明日はその、「プレイリストでアーティストをチェックする」話をしようかと思います。































 





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