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BUCK-TICKの櫻井敦司氏の逝去に寄せて

どうも。

こんな最悪な目覚めもそうはないものです。

もう、皆さんもご存じのように、BUCK-TICKのリード・ヴォーカリスト、櫻井敦司が亡くなってしまいました。信じられません・・・。

 しかも19日に横浜の公演で体調不良でライブを3曲で中断して、その晩に亡くなっていたんですってね。その数ヶ月前にはコロナにも罹患していたようで。

 僕はこのことをこちらの午前6時40分頃に知りました。TLの様子が何かおかしいのでどうしたのかと思って調べたら・・・。実はその3時間ほど前に

ソファーで寝落ちしてて、午前3時頃に一回起きて、ケータイをチェックしたら、今年の4月に書いたこの記事が拡散されていたんですよね。「なぜだろう」とは思ったんですけど、まさかそんな訃報などとは夢にも思わずベッドに向かったのでした・・。

 こんな朝の目覚め方したの、2016年1月10日以来ですよ。まさにデヴィッド・ボウイが亡くなった朝。あの時以来のショックですね。双方に言えることは、ちょうどまだ、その不屈の才能でまだまだ世を魅了する、本当にこれからという時期に。しかも、信じられないたゆまぬ進化の陰で本人の体の中では病魔が進行していたところまで含めて。

 BUCK-TICKに関しては、上の投稿にほとんど僕が言うべきことは書いてあるんですけど、改めてかいつまで話しますと、90sの頃は「狂った太陽」とか「Six Nine」はすごく好きなアルバムで聴いてて、でもライブとかには
行ったことがなく、遠くで見つめていた感じですね。

で、僕が日本離れてブラジルで生活するようになって10年ほど経った後にツイッターの僕のTLにBUCK-TICKのファンがグレイプバインのファンと同様、すごく多くて。その両バンドともに、かなりの年期がないとディスコグラフィー追えないバンドだし、その名前が日本で好きなバンドのまっさきに出てくるって、相当の根気と耳が確かでない限りありえないと思ったので、「これはちゃんと聞かねばな」と思ったんですね。

それで

この記事を2020年10月に書いて。そしたら、こんな小さな記事だったにもかかわらず、ファンの方々がこの記事、話題にしてくれまして。それがすごく嬉しかったんですね。そのせめてもの恩返しをしたくて、上の記事、書いたんですよ。最新作のレビューと、僕なりのオールタイム・アルバムを作ってみようと。こっちだと、徳間配給のアルバムだけ2枚聴けないんですけど、それ以外はサブスクにあるのでしっかり聞いて。4月はBUCK-TICK漬けの生活に本当になっていました。

 最新作「異空(Izora)」というのは、本当に衝撃的な1作で。そこでも強調して書いてあるんですけど、とりわけ櫻井氏のヴォーカリスト、リリシストとしての完全覚醒というか、「ここまで才能あって、50代後半の年齢で進化を続けることってすごいじゃないか!」と惜しみなく絶賛したつもりです。先日、ローリング・ストーンズの新作を絶賛したように、世界規模でならこうした年齢にかかわらない目覚ましい進化の例は結構見るものではありますが、日本のアーティストではそれほど例が多いとはまだ思わなかったものでもあったのですごく誇らしくさえ思ったのです。

 僕としては上の記事は、僕のいち、遠くに暮らすリスナーとしてのお付き合いの始まりのつもりでした。それが10年、20年続くと素敵だし、そういうバンドになれる第1号有力候補だよねと疑っていなかったです。それだけに、「そんなあ・・・」という喪失感があまりにも大きいです。

いみじくも僕はその記事の中で「太陽とイカロス」について触れ、「終活までは行かないかもしれないけど、ある程度「死」を意識し向かい合った時の心境を思わせる」と書きました。イカロスが涙をこぼしながら太陽に向かい行く心境。それが、櫻井氏自身が自分の死を意識して書いたものだとは思わなかったし、今も思っていません。死は頭にありつつも、創作者として長い不屈の人生をBUCK-TICKの他の不動の4人と長い年月かけて歩んでいくのだと、そんな風に思っていました。それだけに本当に悲しいし悔しい。日本が生んだ異形のバンドとして、僕らがまだ見たことのない光景を、これからもたくさん見せていくバンドになるものだと信じていましたから。

今、これを書いててもすごく辛くなります。なんでこんなことが起こるのかと。

まだなかなか冷静にはなれないですけど、櫻井氏が35年のアーティスト生活で残したレガシーを微々たるながらも伝えていければ良いなと思うし、遺された4人のメンバーの今後も、どうなるかはわかりませんが、ささやかに祈りたいと思います。




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