3組の新人アルバム1位に世界的ヒット曲! 2021年のUKロック、実はすごいのかも。
どうも。
今日と明日は久々のロック定点観測、行きます。
今年はこれ、やりがいありますね。なんか思った以上にヒットが続くので。で、そのことに世間が気づいて騒いでくれないので、なおやりがいがあるという(笑)。
今日はまず、イギリスのロックの状況を語ることにしましょう。
まず、語るべきは、やっぱこれですよね。
これ、僕、このブログでこれいうの何回めかわからないんですけど、世間が気づくまで言い続けます。このグラス・アニマルズの「Heat Waves」、これはロックにとっての久方ぶりに大きな世界的なヒット曲になりつつあります。
これ、去年の曲ですよ。それがオーストラリアで半年くらい前に結構長く1位になって、それがじわじわ〜と世界に広がって、英米で共にゆっくりゆっくりとチャートを上がった結果、
全英で7位、全米で15位まで上がってきました!
さらにいうと、
今日のSpotifyのグローバル・デイリー・チャートで3位ですよ!
ね?すごいでしょ?今、世界でこれよりストリームされてるの、キッド・ラロイとリル・ナズXしかないんですよ!もっと言えば、コールドプレイとBTSの共演よりも上です。
いやあ、本当にこれは曲の力としか言いようがないですよね。バンド自体も英米ではアルバム、トップ10には入ってましたけど、そんなに「今のロック界を代表するバンド」みたいな見え方してたバンドではなかったですからね。そういうバンドがここまで大きなヒットを出したのはすごく意味があると思います。
でも、これだけじゃないんですよ、今年のUKロック。
知ってました?今年、実は
デビュー作が全英初登場1位になったバンドが3つもあることを。
普通、そんなことが起こったら、もっとムーヴメントっぽく騒いでいいとも思うんですけど、どれもわりと1位になるまでそこまで期待値高かったわけじゃなかったので、なんか盛り上がり損ねた感じなんですけどね。
まずはスコットランドから出てきたザ・スナッツ。なんかスミスとU2のあいだくらいのギター・ロックを、すごく熱くソウルフルに歌い上げた感じですね。
このヴォーカルのジャック・コクランという人、インタビュー読むとディランとかジョニ・ミッチェルみたいなフォークから、カニエ・ウェストやロイル・カーナーみたいなヒップホップ、はたまたLCDサウンドシステムみたいなエレクトロまで、なかなか音楽的趣味もいい感じなので、歌抜群ですけど、ソングライティング的にも期待できそうな感じがします。
続いてはインヘイラー。「イギリスじゃなくアイルランドだろ」とのツッコミは受けません(笑)。
彼らもヴォーカルのイライジャ・ヒューソンがU2のボノの息子ということで注目されたわけですけど、なんか「U2のフォロワーとして出てきた2000sのバンド」にむしろ似てるんですけど、これといって大きな特徴はないんですけど、オーソドックスなんだけど、曲、そしてイライジャの歌に聞かせるものはあります。まだ年齢も今年で22と若いし、華もあるので、お父さんのバンドとの比較をしないで見守りたいとこです。
そして先週1位になったばかりのThe Lathums。これ、本当に読み方がよくわからなくてですね。「ラザムス」というのが、放送上での発音ですけど、イギリス読みだとそうなるけど、アメリカだったらどうなるかな、日本のレーベルの表記はどうするかな、と考えたら、今はLathumsと書いておいたほうがいいでしょうね。
彼らはこのアレックス・ムーアというメガネ君を中心とした、マンチェスターとリヴァプールの真ん中にあるウィガンってとこの出身なんですけど、音楽学校に通ってるときから注目されてたみたいですね。まだ、20歳に行くか行かないかの若さみたいですよ。
すごく線の細い、これもスミスっぽいギター・サウンドなんですけど、そこからネオアコ方面のギター・ポップっぽい繊細なギターが売りですね。彼らもなんか、批評よりは熱烈なファンベースの方が勢いある感じですね。
いや、それにしてもですよ、ここ数年、UKロック、まだ元気でてきてると思うんですけどね。
なんか「シーン」ってことでいうと、日本だといきおい「イーストロンドン」と言うタームを使いがちで、そこのシーンもエキサイティングだとも思うんですけど、イギリス全体で見ればそれだけじゃないし、むしろセールスで上回っていたりもするわけですからね。
イギリスは去年もスポーツチーム、デクラン・マッケンナ、クリーパーといったアーティストがいずれも全英トップ5規模のヒットになったわけですけど、その前にもサム・フェンダーとかブロッサムズがいましたしね。もっと言っちゃえば、2013〜14年のThe 1975、ウルフ・アリス、CHVRCHES、ロイヤル・ブラッドってとこが順調に大きくなったりもしてますしね。すごくシーンの層が厚くなってきてる気がしますね。
UKロック、また信じても良い頃だとおもいますよ。ということで、明日はアメリカ、やります。
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