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サム・フェンダーが、かなりのロックスターになりそうな気がしはじめている5つの理由

どうも。

今日はこういう話をしましょう。

先週金曜のリリースは、当たりのアルバムが少なくとも6枚くらいあった、1年でもかなり珍しい週でした。中でも

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この二枚は秀逸でしたね。(Sandy)Alex GとJPEGマフィア。これは、僕の年間でも、かなり上位に入りそうな感じなんですが、この二枚に関しては10月の頭に語ることになるとして、今日話すのは、このアルバムに関してではありません。

この二枚ほどではなかったにせよ、3番目に好きだったこちらのアルバム

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このサム・フェンダーの「Hypersonic Missile」。これについて話しましょう。

これ知ってます?このアルバム、今度の金曜(現地時間)に発表される全英チャートで初登場1位がほぼ決まってる話。しかも

2位から5位の売上を合計した数よりも上回るくらい、ぶっちぎりの1位(中間発表)なんですって!

その前の週の全英のシングル・チャートで彼の曲、2、3曲もう入ってたんですよ。なので、「ああ、こりゃ1位だな」とは思っていたんですが、そこまで行ったとはね。

でも、このアルバム、聴いた時にですね、「ああ、これ、売れるわ」と、全英チャートの中間発表聞く前から思ったので、その話をしたいと思います。

当たりそうな理由、あげていきます。

1.最近のロック歌う人の中でも顔がいい

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はい。ロックスター、顔、大事です(笑)。どうも、とりわけこの10数年かな。割となんでもピッチフォークのせいにするんですけど(笑)、あのメディアが好んで取り上げるロックって、ことごとくルックス悪いじゃないですか(笑)。その意味で僕はまだNMEとかSPINとかの推すロックの方が好きだったんですよね。やっぱりいくら音楽性が優れているからといって、ルックスに華がない人だらけだと、そんなもの、人気出ません。

そこへ行くと、この人、久しぶりにロックに登場したイケメンです。その単純な理由だけで好きになる人が出そうな感じがいいです。それも、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズみたいに、アイドルだったところから無理やりロックに引っ張り込むんじゃなくて、ちゃんと元から、バスキング(ストリート・パフォーマンス)してるとこから出てきた人ですからね。よく、そんな地道なとこから、こんなに顔立ちの整った人、いたものだなと思います。

2.世の「男性ソロ・ブーム」の中に入れそう

そして、これも大事です。昨今、エド・シーランやら、ショーン・メンデスやら、ジョージ・エズラやら、男性ソロシンガー、かなりの人気じゃないですか。サム・フェンダーって、「その範疇にも入れてもらえそう」、というか、「そのブームの中の人」と勘違いされて聞かれそうじゃないですか。

確かに今の世の中、「バンド」よりも「男性ソロ」と銘打って出た方が、売れる確率は上だと思います。今、名前を挙げたソロの人の方が、もう年中アルバム売れてるし、ティーン雑誌の表紙とかグラビア飾るでしょ?サム、その中に入れても、見た目上、全然違和感ないですからね。残念ながら、今バンドで、その需要に耐えうる人がいません。でも、本格的なロック歌う人がそういうところに、知らぬうちにスーッと入り込むこと、これ大事です!

今、

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この人だって、そういうティーン雑誌市場にしっかり参入して、世の良い子にあからさまに別の空気と影響力、投げかけてるでしょ(笑)。ビリーほどの異物感と刺激こそないにせよ、本来、ロック・カルチャー的なものが、そういうポップな方向で一般浸透する突破口というのは、とりわけロックの一般への扉が閉じられた状況の中では本当に必要です。

3.アンセムを歌える強さ

そして、見た目以上に大事な音楽。これでもサム、大きくなる要素を持っています。

もう、これ、聞いた時に、ものすごくピンと来たんですよ!

このタイトル曲の「Hypersonic Missiles」、これもう

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キラーズ??

これ、なんの前情報も与えずに聞かせたら、キラーズの新曲と勘違いする人、少なくないと思います。声も、曲の展開もそっくりですからね、これ。

とりわけ、キラーズのセカンド「Sam's Town」に入ってそうな曲ですよね。とりわけ、サックス・ソロが終わった後での「オオ、オ〜オオオオ」ってコール&リスポンス。あと、3分40秒あたりのヴォーカルの展開。これがもう、まんまブランドン・フラワーズです。

ここまで似てると、レッド・ツェッペリンにおけるグレタ・ヴァン・フリートのことは言えないなとも思うんですが(笑)、でも、僕、これ、すごく評価してます。だって、これ

キラーズのここ2枚のアルバムの中の曲のどれよりもいいんだもん(苦笑)。

本家そのものよりいい曲だったら、真似していようが何していようが、やっぱり認めざるをえません。

あと、「キラーズ似」と言うのが今日意味するところは

ロック・アンセムが歌える。

と言うことと、イコールです。だって今

「Mr.ブライトサイド」って、今、イギリスで最もビッグなロック・アンセムですからね。

イギリスのチャート見てみるとわかるんですけど、この曲って、イギリスのシングル・チャートTop100に219週入ってるって知ってます?山下達郎の「クリスマス・イヴ」なのかってくらい、何回もチャート返り咲きしてるんですよね。とりわけ、サブスクの世の中になって、それが顕著です。だからキラーズって、欧米圏でひときわデカいんです。

そんなアーティストに似てるわけです。自然とデカいロックスターになるポテンシャル、かなり大きいですよね。何かしらのアンセムで盛り上がる図、今から見えますもん。

4.「時代を切り取れる歌詞」が書ける

あと、リリックが結構、重い人でもあるんですよね、この人。

この「Hypersonic Missiles」は、政治にも無関心で何となく暮らしていた時に、ある日、中東でのガザ地区でのパレスチナ居住区にイスラエル軍が攻めてきて虐殺事件が起こっていることを知って世の動きに目覚める歌ですからね。しかも、それを大上段に構えるのではなく、庶民的な目線で歌えてるのがいいです。

あと、「White Prvilege」(白人の特権)という、彼のような白人が歌うと一瞬ドキッとする曲もあるんですが、これはそれを批判する曲です。「古い世代がブレグジットなんて推進して、僕らの世をメチャクチャにした」「ヤツらの悪の要素はまだ去っていない」という、極右が唱える「ホワイト・プライド」にかなり攻撃的な曲です。

彼の曲はこれらを筆頭にかなりポリティカルだったりもするのですが、それは彼が

「スプリングスティーンになりたい願望」が強いからなんですね。実際、「最大の影響元」にあげてます。

これ、思うに、やはりキラーズのセカンドから経由してのスプリングスティーンだと思います。あのアルバムが思い切りスプリングスティーンを意識したアルバムだったんで。あれが出た頃にサムが12、13歳だったことから考えても、合点がいきます。

しかも彼、イギリスのニューキャッスルという、あまり裕福とは言えない工業街の出身なんですね。それ考えても、そこにたどり着くのはすごく納得がいくというか。甘いルックスとは対極的に、そういう硬派なワーキング・クラスのバックグラウンドがあるというのも、とりわけイギリスでは効くでしょうね。

5.イメージとは裏腹にイギリスのメディアが全押し

と、サム・フェンダー、こういうアーティストなんですが、普通、これ「アイドルになれる」「アリーナのスターになれる」なんて言ったら、これ普通だったら、批評家の格好の攻撃の的なんですよ。

なので正直なところ

僕個人は好きだけど、一般のレヴューは悪いだろう

最初、そう思ってたんですね。

予想通り、ピッチフォークは期待(?)を裏切らず、6.1点でした。まあ、あそこに押されても不自然ですけどね。

ところが、

イギリスのメディアでけなしているものをほとんどみなかった!

これ、僕、びっくりしたんですよ。ガーディアンとかインディペンデントとか酷評するかと思っていたら星4つとかで。

この結果、これ、見方が2つあります。一つは、僕が見ているように、評価ができるところをちゃんと見た。それもあると思うんですが、それともう一つが

イギリスも今、深刻にロックスターが欲しいタイミングなんだな

これが大きいんでしょうね。「スター性のあるヤツをけなす」なんて余裕は、そういうスターがすでに十分すぎるほどいる時だけ。そんな人がいないのに、それをけなすのでは、産業の首絞めるだけですからね。まさに今のイギリスは、そんな余裕がない真っ只中なんだな、と思いましたね。

でも、いいと思いますよ。ロックでスター性のあるヤツがいなくなって、結果、産業規模が縮小したので、他のスター性のあるポップとかヒップホップ押さざるをえなくなった状況があるわけですからね。「ロックの音楽性が劣化したからだ」っていい方する人もいるかとは思いますが、それが仮に良くなくても、売れる時は売れるわけだし、やっぱりスター作ろうとしてこなかった業界のツケってのは、僕はあると思います。

そんなわけでサム・フェンダー、今後どうなるか、気になってます。





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