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衝撃!チャドウィック・ボーズマン死去〜 「ブラックパンサー」現象からわずか2年!心をこめてワカンダ・フォーエヴァー。

どうも。

・・・まだ、信じられません。

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チャドウィック・ボーズマン、あの「ブラックパンサー」で主人公のティチャラ陛下を演じた彼が28日、亡くなってしまいました・・・。まだ43歳の若さですよ・・。

もう、ツイッターから流れてきた

「Variety」のニュース見たとき、とにかく驚きました。「それ、本当にDiesって書いてあるよな。間違いじゃないよな?」と2度、3度と確認してみたくらいでしたからね。

「で、一体なにが?」と思って調べたら、それが「ステージ4の大腸がんと4年間の闘病」というのを読んで、なお信じられない気持ちになりましたね。だって、その4年のうちに「ブラックパンサー」の撮影、含まれていたわけですからね。そんな体調の苦しさを押しての撮影、演技だったのかと思うと。誰が見ても全くそんな風には見えませんでしたからね・・。

いやあ、これ、本当にショックですよ。そして、これは映画界だけじゃなく、現在の黒人のポップ・カルチャー全体や黒人社会、いや、マイノリティ社会全体にとってもこれ、とてつもないショックですよ。

思えば彼のことを知ったのは、そんなに前のことではありません。

最初に彼のことを知ったのはこの「42」という映画でした。彼が演じたのはジャッキー・ロビンソン。メジャー・リーグ史上最初の黒人選手で、今やメジャー30球団すべてで背番号「42」が永久欠番になっている伝説の選手。それを、当時35歳だった彼が演じたわけです。この頃から、比較的遅咲きではあったわけですけど、「大物黒人俳優が出てきた」という呼び声はありましたね。

そして、野球の伝説のあとはブラック・ミュージックの伝説を演じました。映画「Get On Up」でのジェイムス・ブラウン、JB役です。ジャッキー・ロビンソンのことを知ってのこれだったので、「ああ、黒人映画界は彼を大物にすべく大事にしてるんだな」というのがよくわかりました。

この2本で、もうすでにイメージとしては「デンゼル・ワシントンの理想的後継者」という感じでしたね。さらにいえば伝説のシドニー・ポワチエの孫の代的な感じというか。正統派の黒人主演俳優の系譜ですね。ストイックで、実直で、「正しいもの」を信じるイメージというか。そういうイメージが演じられる久々の俳優だな、という気がしてました。

だから、「ブラック・パンサー」で彼がティチャラ陛下を演じると聞いたときも、「まあ、そりゃ、そうだよな」と思いましたね。もう、状況から考えて、彼しか演じる人いないと思いましたからね。それくらい、今の黒人映画人での「頼れるリーダー」を演じきれるのは彼しかいないだろうと思ってました。

そして

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言うまでもなく、この「ブラックパンサー」が空前絶後の成功を収めてしまうこととなったわけです。これまでアメリカ社会において「黒人にはスーパーマン役は演じさせてもらえない」という言葉が言い伝えのようにありました。その既成概念を覆したのが、ほんの2年前に登場したこの映画で。監督主要キャストが皆黒人というこの映画は、「黒人が主役だったら客が入らない」などともかつて言われていた状況を根底から覆す記録的な大ヒットを記録しました。今日でも、世界の歴代興行成績で12位、北米での歴代興行記録の4位を記録しています。そしてチャドウィックはこの勢いのまま、同じマーヴェル・ユニヴァースの「アヴェンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「アヴェンジャーズ/エンドゲーム」でもティチャラ王役でそのまま出演も続けていました。

今年に入っても

スパイク・リーのネットフリックス映画「Da 5 Bloods」に出たばかりでした。このときに、「グループのリーダー格だった割に出番少ないんだな」とは思っていたのですが、それはまあ、早くに亡くなる役だったので、そんなもんかな・・・と思っていたのですが、まさかな・・・・。

これ、僕のイメージとしては

癌を押しての出演で傑作を残して亡くなったということで言えば、「ブラック・レイン」の松田優作を思い出してしまうし

人種的マイノリティが不可能な夢を実現して、人々に希望を与えた状態で突然世を去ったイメージでは「燃えよドラゴン」のブルース・リーを思い出させます。

でも、やっぱりチャドウィックの死は、今の社会ではそれ以上のインパクトかもしれません。それはやはり

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やはり今年、5月のジョージ・フロイド殺害事件や、つい2日前にもブログで書いたばかりのウィスコンシン州でのジェイコブ・ブレイク発砲事件で、白人警官の黒人暴力の実態がいま一度世にさらされ、「Black Lives Matter」の運動が、まさに盛り上がり続けているその矢先に亡くなってしまったわけでしたからね。こういう黒人社会のムーブメントそのものは2013年にBLMのオリジンとなったトレイヴォン・マーティン君殺害事件のときからあって、そういうプロテストによる黒人の意識の高揚をエンタメが文化的に支えていたところもあったんですよね。それはたとえばケンドリック・ラマーのラップやビヨンセのアンセムがそういう役割も果たしてますけど。ブラック・パンサーも同様に精神的に社会のポジティヴなメンタリティを高める役割を果たしていたと思うんですよね。そう思うと、やはりすごく悲しいです。

 ただ、チャドウィックが自分の身を削って演じたティチャラ陛下が世に果たした役割、功績は甚大なものだし、それが忘れられることは今後もずっとないでしょう。そして、絶やしてはいけないものでもあります。

ここはひとつ

ティチャラ陛下の代名詞ともなった有名なことば「ワカンダ・フォーエヴァー」。これをポジティヴな意味合いで使い続けることで彼のことを思い出し、さらに黒人社会が少しでもポジティヴな方向に進んでいくことを願いたいなと思います。




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