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エレン・ペイジがエリオット・ペイジにトランス宣言
どうも。
昨日から、これが話題でしたね。
エレン・ペイジが、今後、トランスジェンダーとして生きていくことを宣言。それに伴い、性を男性として、名前をエリオット・ペイジに改名する、というものです。
彼女には、ちょっとした思い出がありまして。
この「JUNO」って映画、大好きでねえ。これ、2007年の映画でしたけど、同じ年に出てきた「スーパーバッド」と並んで、アメリカのあの当時のクールなティーン・カルチャーの担い手になりそうな、そんな予感を抱かせた作品でした。この映画はオスカーの作品賞、エレン自身も主演女優賞にノミネートされました。
こっちには、エレンと、マイケル・セラ。脚本に、この映画でオスカー受賞したディアブロ・コーディ。今から考えたらお父さん役がJKシモンズに、お母さん役がアリソン・ジャニー。二人して、その10年くらい後までにオスカーの助演男優、助演女優とってるからすごいですよね。そして、エレン演じるジュノに興味を示すアラフォー男性に今、ネットフリックスで「オザーク」の主演のジェイソン・ベイトマン。僕は彼演じるグランジ/オルタナの影響を受けた元ミュージシャンの彼にすごく感情移入したりもしてね。
「ジュノ」と「スーパーバッド」、こっちにジョナ・ヒルとエマ・ストーン出てましたけど、この2つって、その時代の「ブレックファスト・クラブ」とか「プリティ・イン・ピンク」みたいな感じがして、すごくカッコよかったんだよなあ。なんか、「趣味の悪い人を強引に締め出した」みたいなところがあって(笑)。これって、90sオルタナ世代だったディアブロと監督のジェイソン・ライトマンが、MGMTとかヴァンパイア・ウィークエンドが登場する前夜の、myspaceのインディ・キッズと組んだ感じがしてね。こういうの、音楽カルチャーがもう一回、インディのカッティング・エッジなものが市民権得ないと作るの難しいだろうなあ。「ブックスマート」には、ここからの遺伝子、すごく感じたんですけどね。
まあ、話がそれましたが、この映画で、クラスの内気な少年とエッチしたらたまたま妊娠してしまった、ブラック・ジョークとインディ・ロックの大好きなかなり変わった女の子、ジュノを演じたエレンはあの頃、すごくカルチャー的に重宝されまして
こんな風にパティ・スミスの名作「ホーセズ」のジャケ写を意識したフォトシュート行ったり
「サタディ・ナイト・ライブ」にも出てね。この頃のSNL、見ての通り、クリステン・ウィグにアンディ・サンドバーグのすごく良い時代ですけど、音楽ゲスト、ウィルコですよ!尖った感性見せることが、そのままマス・アピールにつながった、ごくたまにある面白い瞬間だったと思いますね。
その後、エレンは、本人がインディ・カルチャー的なものから距離を取ろうとしすぎたのか、「Xメン」出たり、クリストファー・ノーランの「インセプション」みたいなタイプの作品によく出てましたね。インディになると、もう本人も割に早いタイミングでカミングアウトしてたので、LGBTQを題材にした映画に積極的に出ててね。「インディ・コメディとか、やればいいのに」と思ってた僕にはそこのところが不満で、その役選びのセンスでエマ・ストーンに大きく水をあけられたと思ってます。
そんな中、ブラジル在住者に印象的だったのは
ブラジルにやってきて、ドキュメンタリーで大統領になる少し前の、現在の極右クソ大統領、ボウソナロにLGBTQの問題でインタビューしてるんですよね。ブラジル以外の国で彼の評判が最悪な理由のひとつが、これが公になったからでもあります。
こういう人なので、エレンがレズビアンであることは全くの不自然さももたずに受け止めていたんですけど、トランスまで行くとは正直思っていなかったので驚いてます。
彼女、男性用スーツは好きで昔から着てたんですけど、それ以外のところではずっとロングヘアでメイクもする人だったので、本人の意思はもちろん尊重して応援したいんですけど「今後、どうするんだろう」と、気にはなりますね。
これまでにトランス宣言した人って
パンクバンド、アゲインスト・ミーのローラ・ジェーン・グレースですね。男性のときの名前がすごく調べにくくなってますが、彼女もしっかり性転換してますね。
それから
キム・カーダシアンの義理のお父さんでケンドールとカイリー・ジェナーのお父さんだったブルース・ジェナーがケイトリン・ジェナーになりましたね。この人もブルース・ジェナーとしてカーダシアンのリアリティ・ショー出てたところからいきなりのトランス宣言して女性になりましたからね。しかも昔、オリンピック選手やって有名だったところから。
あと
「GLEE」にアジア系の女の子の役で出てたチャリースも性転換して男性になりましたね。
あと、シェールの娘だったチャズ・ボノも性転換を経て男性になっています。
どうするんでしょうね。トランスジェンダーまで宣言をするということは、肉体的にかなり負担のかかるリスクを負うことにもなるので、そこまでやる覚悟でないとできないものですが、今はまだ想像つかないですけど、やるつもりなんでしょうね。
話がややこしくならないように、今回はあえて「エレン」の名義で話をしましたが、今後、エリオットになる彼を応援したいと思います。「女優だけでなく、史上初の男性でもオスカー・ノミネートを!」という応援の声をネット上で見ましたが、僕もそ気持ちは同じです。