
ケンドリックのスーパーボウルと最新全米チャート(25/02/15)
どうも。
まずは全米チャートから行きましょう。
SINGLES
1(2)Die With A Smile/Bruno Mars & Lady Gaga
2(-)I'm The Problem/Morgan Wallen
3(4)Luther
4(7)Birds Of A Feather/Billie Eilish
5(5)A Bar Song(Tipsy)/Shaboozy
6(3)APT/Rosé & Bruno Mars
7(18)Timeless/The Weeknd feat Playboi Carti
8(6)Lose Control/Teddy Swims
9(15)Beautiful Things/Benson Boone
10(11)TV Off/Kendrick Lamar
「Die With A Smile」連続で1位です。
モーガン・ウォレン、なんでこんなにアメリカで強いんですかねえ。2位初登場です。
では、アルバムに行きましょう。
ALBUMS
1(-)Hurry Up Tomorrow/The Weeknd
2(1)Debí Tirar Más Fotos/Bad Bunny
3(2)SOS/SZA
4(3)GNX/Kendrick Lamar
5(10)Hit Me Hard And Soft/Billie Eilish
6(14)The Rise And Fall Of A Midwest Princess/Chappell Roan
7(6)Short N Sweet/Sabrina Carpenter
8(5)One Thing At A Time/Morgan Wallen
9(11)The Tortured Poet Department/Taylor Swift
10(8)The Secret Of Us/Gracie Abrams
もう今週はどこの国でもウィーケンド、1位ですね。
ただ、ひょうばんそのものがちょっとパッとしないので、長く売れるかどうかきになるところではあります。
さて、今日はやっぱり

ケンドリックのスーパーボウルでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=KDorKy-13ak
見ていらっしゃらない方はここで見れますけども。
これに関しての僕の感想は
長いことジワる
そういう感じになるんじゃないかなと思ってます。
ぶっちゃけ言えばすごく抽象的なライブなんです。スーパーボウルのライブなんてことで言えば、もう、これまで出演したほぼ10割が「自分のベスト盤」みたいな選曲で客をマックスに盛り上げる。これがセオリーだったと思うんですけどケンドリック、これをやらなかったんですよね。なんか「最新のツアーのセットリスト」みたいな感じでやりましたけど「Swimming Pools」はない「Alright」はない。これに拍子抜けした人はかなり多かったと思います。あと、ケンドリックはフィーチャリングも多い人なんだからゲストをたくさん引き連れてみたいなことも十分可能だったんですけど、同じ事務所のSZAと一緒にやったのみでした。
ただ、そこは僕はかなりクールだと思いましたけどね。あえて余所行きじゃなく、普段の自分がやってる「ヒップホップのライブ」、これを大観衆の前で見せたい。その気概は感じましたから。実際、「つまんなかった」という意見はいろんな国の言葉でかなり耳にしましたが、わかります。TPOにはたしかにあっていないし、ある意味反則なんです。ただ、「アゲアゲに行かず、自分を表現する」やり方はあってもいいと僕は思いますし、ヒップホップのライブのリアリティーちゃんと出せたのは「彼がやるべきこと」だったと僕は思います。
また、逆に「すごくポリティカルだった。トランプが見に来てたのに!」と英雄視して持ち上げる声もかなり聞きます。実際、やったことはその通りではあります。ただ、10数分の生放送で、ケンドリック、これをかなりわかりにくく、音声ヴォリューム上げて見てない人には受け流して気にしないくらいの感覚でやってるんですよね。
そんな生放送のタイミングで、彼自身の口から「Free Palestine」とか、「Fuck Trump」とかみたいな物議を醸すことは言いません。そんなことしたら、試合どころじゃなくなりますからね(笑)。だから、「わかるヤツにはわかる」くらいの 隠喩っぽい感じでやってます。絶賛してる人の言葉だけを鵜呑みにすると、多くの人がやってる最中から「なんとすごいことを!」と大騒ぎしていたかのように捉えるかもしれませんが、すごく静かに彼は忍ばせるようにそれをやっていた、というのが正解です。
それが、サミュエルLジャクソンが扮した「白人に媚びるタイプの黒人」の象徴としてのアンクル・サムであり、米国旗の色に塗ったダンサーたちであり、そして「Revolution will not be televised」、革命はテレビに映らないところで起こるというギル・スコット・ヘロンの有名な言葉の引用であり。まさにヘロンの言葉を実践したかのような「静かなる反抗」のライブが正しかったかと思います。
ただ、それをアメリカの極右とか保守がセンシティブに怒った感じもしなかったですけどね。あの試合見てる大半がカントリーのリスナーとかとかぶる中年以上の白人野郎でしかもニューオーリンズの試合でしょ?ケンドリックとか下手したら知らないし、しかもヒット曲中心じゃなかったから、ビールつぎに行ったかトイレ行ったかのどっちかだと思いますよ(笑)。
あと、ポリティカルなことから一般の目をそらさせていたのは、やっぱり「Not Like Us」でのドレイクのビーフですね。これ、「公開いじめだ」として批判してる人も見ましたけど、ビーフはヒップホップの流儀のひとつなんだし、ドレイクとの対決は旬なトピックだったんだから僕はやってしかるべきだと思って、いじめ云々はそんなに気にしなかったですけどね。ただ、この曲でグラミーの主要2部門取ってスーパーボウルで盛り上がったとなったら「ドレイク、負け」「ドレイク、ダサい」の風潮は避けられなくなるので、ドレイクの新作の売り上げに響く可能性はあるとは思います。まあ、この5年は体たらくなので僕は別にそうなってもいいですけど。
そういう意味で「?」な人も少くなかったパフォーマンスではありましたけど、後に語られる機会は他の名演に対して、賛否どっちもありながら語られていく。このあたり、いかにもケンドリックな体験だったような気はしますね。