一体、カニエ・ウェストは何がしたかったのか
どうも。
この1週間、不思議な事が起きてましたね。
カニエ・ウェストの大統領選出馬ですね。アメリカは憲法上、大統領選にはインディペンデントの立場で出馬できるんですけど、それにしてもなあ。
彼が「Ye」を名乗りだして以降、こういう「エゴの肥大」というのは、彼のリリック上のひとつのテーマでしたけど、なんかこの人の場合、それがセルフ・ディストラクションの方向に進んでいるようにしか見えないというか、なんか笑えない方向にしか進んでないですね。
政治にしたって、彼がこれまでにやったことって
MAGA(Make America Great Again)キャップかぶって、トランプ支援したことくらいでしょ。そりゃ、黒人にとって「政党の選択肢が民主党しかない」ものを増やすことが大切でないとは僕も思わないんですけど、だからって、トランプですよ。このMAGAにしたって、「じゃあ、いつの時代のアメリカがグレイトなわけ?」じゃないですか。こんな、ホワイト・スプレマシスト(白人優越主義者)、作る大きな要因になったヤツをですよ。
カニエ、Black Lives Matterでは黒人の生きる権利を主張はしてましたけど、それをやったところでこのMAGAが許されるわけでもないと思いますしね。
現にアメリカの世論調査でも、カニエが出馬表明したあと、「カニエに投票する」と答えた人は国民の2%。それによって、48%を獲得していたバイデンの票が動くことはなく、トランプへの支持が40%から39%に微減したといいますから、やっぱりMAGA票がわずかに動いたに過ぎません。
この世論調査を受けた直後ですね、カニエの広報が「出馬断念」を発表したのは。あと、この出馬に関しても家族から「バイポーラー(双極性障害。躁鬱のこと)がひどくなった」と指摘されてますしね。まあ、「自分の政党(英語でパーティ)はバースデイ・パーティ」という時点で「ダメだ、こりゃ」でしたけどね。
ツイッター上でも、カニエを映画「26世紀青年(Idiocracy)」に出てくる、テリー・クルーズ扮するバカ大統領、カマチョと比較するミーム、結構見ましたからね。
僕はこういう勘ぐりもしました。
この「ボラット」でのサッシャ・バロン・コーエンみたいに、イロモノが真面目な世界に混入することでのトラブルをドキュメンタリー(ボラットはフィクションでしたけど)みたく作りたいのかとも。
だいたい、「自分たちの住む世界をよくするために真面目に大統領を選びたい」と思ってる人に失礼ですよ。ただでさえ、政治のプロフェッショナルでないセレブが大統領選に出馬すること自体、よく思わない人たち(そういう候補を積極的に受け付ける日本は異常です)も多いですからね。良くてせいぜい、
実業家やチャリティでも成功を収めたオプラでしょう。あとは、黒人セレブが大統領選に出馬するには、まだキャリアが物足りないですよ。
ただなあ、そんなカニエでも
チャンス・ザ・ラッパーとかイーロン・マスク、支持しようとしたというから呆れますけどね。チャンスに関しては「カニエでなぜいけない」とツイッター上で討論して、ジョン・レジェンドに説教されてましたけどね。瞬間的な支持とは言え、僕は引きましたね。
カニエに関して言えば、「アーティストとしての威光」がまだ信じられ過ぎですね。「優れたアーティストだから政治でも・・」と思う考え方も過大評価の産物ですけど、アーティストとしても、ここ最近は過大評価としか僕は思ってません。僕は厳しく「Yesus」からは評価してないんですけど、少なくとも「Ye」以降はキツイと思います。
まあ、それくらいに「大統領選は真面目に考えられてほしい」ということです。
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