映画「インサイドベッド2」感想~技あり!「青春の成長」と共にシリーズとして進化する方向に
どうも。
今日は久しぶりに映画、行きましょう。というか、今年はちょっと音楽の記事が多くなっちゃってて、ちょっと映画とかテレビの関係もなんとかしなきゃいけないなとは思ってるんですけどね。
今回はこれです!
はい。「Inside Out 2」、日本だと「インサイドヘッド2」、これいきましょう。日本だと今週末の公開のようなんですけど、アメリカ、そして僕の住むブラジルでは1ヶ月くらい前から絶賛公開中です。ご存じピクサーの大人気作なんですけどね。
今回はどんな感じになっているんでしょうか。さっそくあらすじから見てみましょう。
前作から9年の時が流れていますが、ヒロイン・ライリーの一家がサンフランシスコに引っ越してきて2年。ライリーは13歳になりました。前作、引越しの際にギクシャクした親子関係は問題はなさそうです。
ライリーの頭の中では、相変わらずジョイ、サッドネス、フィア、ディスガスト、アンガーの5人がライリーの内面心情を表現すべく生きていました。
ライリーにとって今大事なのは友達との友情でした。彼女にはホッケー仲間でもあるブリー(左)とグレース(右)という2人のベストフレンドがいました。3人は強いホッケー部のあるハイスクール夏の体験キャンプに出かけます。
ただ、そのキャンプの前日にライリーの頭の中の世界で変化が起きます。これまでの不動の5人の世界に新しいキャラクター、「アンキサイアティ(Anxiety)」が加わります。この新キャラの登場により、ライリーが以前の彼女ではなくなり、ちょっとしたことですぐに苛立つようになってしまいます。
キャンプに向かう車の中で本来気分は楽しみで最高潮のはずのライリーでしたが、ブリーとグレースの2人から「ハイスクールは別の学校に行く」と告げられ、ショックを受けてしまいます。
その矢先、ライリーはキャンプ先のハイスクールのホッケー部のスター・プレイヤー、ヴァルと知り合います。
そんな彼女に会ってライリーの胸は高まります。ヴァルはただ単にホッケーが上手いだけでなく、ファッションも含めてかっこいい、女の子たちの憧れ。ライリーはなんとか近づきたいと思うようになります。
そんなライリーの新しい日常とともに、彼女の頭の中の世界もアンキサイアティに加え、エンヴィ、エンバラスメント、そしてアンニュイのキャラクターがこれまでの5人を追いやる形でライリーの頭を支配するようになります。
それ以来、ライリーの言動に乱れたところが出てきます。ライリーはハイスクールのホッケー部に入れるよう必死になりすぎて、練習でも個人プレーが目立ち、ヴァルに気に入られようと仲間に入ろうとし、厳しいコーチの自分への評価をやたら気にするようになります。
そんなライリーに親友2人も当惑し・・・。
・・と、ここまでにしておきましょう。
この作品はですね、なんと
ピクサー映画の歴代興行で1位になっています!
すごいでしょ?まだ公開1ヶ月で、すでに「Mrインクレディブル2」の記録を抜いて1位なわけですから。この映画、さらに言うと現時点での2024年の興行成績でも1位で、いずれにせよ上位は確定です。歴代の興行成績でもトップ10狙えそうな位置にいるんですよね。
で、僕自身、これ、そうなってしかるべき作品だと思いました。これね、うまいんですよね。
これ、批評だと、「なんだ、前作ほどのインパクト、ないじゃないか」という意見も結構あるんです。ただ、僕はその見方、全く逆なんですよね。
僕は前作って、いわゆるフェデリコ・フェリーニで言うところの「8 1/2」のピクサー版というか、「人の頭の中を取る映画」の子供向け映画な感じがしたんですよね。それだからこそ批評評価は高かったのだとは思います。映画通が褒めてましたからね。ただ、僕は、その狙いはわかったものの、そういう映画としては予想の範囲を超えない、方程式にあてはめただけかな、と言う印象だったんですよね。
ところが今回、それをライリーの成長物語として描くことで、頭の中の動きを進化させる方向に導いたでしょ?これ、うまいなあと思ったんですよ。だって、思春期を迎えて、18になるくらいまでが人間、一番変わるでしょ?そこの動きに合わせてこれ、続編が後、最低で2本くらいは作れますよ。願わくば、9年なんてまたせずに、もっと早いペースでポンポンと作って欲しかったんですけど、でもこれで、「ジョイたちがどうする?」でなく、ライリー自身の物語としてみることができるようになりましたね。
それが証拠に、興行上がってるじゃないですか。これ、単なる続編人気ではなく、ライリーに近い世代の子たちがかなり親身に反応した結果だと思うんですよね。ただの続編だけだったら、こんな短期間でピクサー最高額のヒットなんかにはならないでしょうから。どうやったら面白くシリーズとして導けるか、すごくよく考えられてるなと思いましたね。
その意味でこれ
トイ・ストーリーに近い話の流れを選んだな、という印象ですね。これも、子供の成長とともに忘れられる運命にあるおもちゃの悲哀を描いたものですけど、その、人生で誰もが体験する成長ドラマとともに託された運命を描いた映画は誰しもが共感しやすいし、考えるところがある。そこをうまく突いた作品だと思いましたね。
あと、これ、今回、選んだ声優もよくてですね
頭の中の新チームに加わった4人のうち、その中心となるアンキサイアティの声を演じたのがマヤ・ホーク。顔見てすぐわかるウーマ・サーマンの娘さん。「ストレンジャー・シングス」でもお馴染みです。そしてエンヴィ役に、今、ドラマ「The Bear」で人気急上昇中の黒人のコメディエンヌ、アイオ・エデビリが演じてます。2人とも若年層で人気が出てる若手ですけど、こういうとこ突いてくるのも上手いなと思いましたね。
ということでこれ、ここ最近のピクサーの中でもヒット作だし、内容面でも保証できます。見たほうがいいですよ!