ハリーとテイラーのヒットで、もしかして何か変わるかも?
どうも。
いやあ、今週のビルボード
ハリー・スタイルズの「Watermelon Sugar」がシングルの1位。
そして
アルバムの1位、そしてシングルのその前の1位がテイラー・スウィフトの「Cardigan」。
いやあ、これは個人的に嬉しかったと同時に、「こういうこと、今、起こるんだ!」と思ってちょっとびっくりしましたね。
というのは
この2つとも、基本的にバンド編成の生サウンド前提のものだから!
こういう感じのものが、ビルボードのシングル、アルバムのトップに立ったのっていつ以来なんだろう。それこそ、2014年12月のチャート改正でストリーミングが主体になって以降で、そういうのあったっけ??
申し訳ないけど、トラップ、エモ・ラップって、アメリカだけでなく、世界各国にその国の現地語ヴァージョンみたいなものが溢れかえってて「もう、たいがいで勘弁してくれ」ってくらいに、同じ音で溢れかえってましたからね。だから「そろそろ変わってほしいなあ」とは思ってました。
まあ、その系が劇的に流行らなくなるということは今すぐにはないと思いますが、その代わりに生演奏型のサウンドが流行ったりしたら、そりゃ、ロック好きの僕からしたらうれしいもので。先週、イギリスでロックが今年、久々にチャート・アクションがよくなってることを書きましたが、アルバムの初登場順位だけで一喜一憂するより、ハリーとテイラーの与える影響の方が、リスナー人口的にははるかに大きいわけで。
これ、久々にいいますけど
ハリーのこのセカンド・ソロ・アルバム「Fine Line」、これは本当に快新作で、昨年の僕の年間ベストでも24位に入れたほど気に入ってるんですけど、これ、イギリスでもアメリカでも、ずっとトップ10に入り続けている、今年最大のロングセラー・アルバムなんですよね。しかもハリーの場合、すごく変わってるのは、彼自身のロックへのこだわりが強い。アイドルがステレオタイプ的なダンス・ポップに仕立てられず、ロックを基軸にして自分なりのサウンドを追い求め、それで成功した。そんなことが出来たのは世界のほかのどこにもいないし、そういうなかったことを成し遂げた。僕はこの試み、すごく評価してるし、昨年の年間ベストももう少し上位でも良かったかもなあと今にして思ってます。
なにせ
アイドルでこんな曲、やっちゃうんですからね。なんか彼にはこの際、いっそジュリーみたいになってほしいですね。
あと
テイラーも今回、ポップ路線から方向転換してバカウケしたことで、影響ありそうですね。スウィフティーズの関心は依然として「ベティって誰?」てことのようですが、スウィフティーズのうちの10%でも良いから、ナショナルやボニーヴェアに興味を持ってくれたら、ロックとしては大儲けです。
こないだ、UKロックのチャート・アクションがここのところ良くなってることを書きましたが、それだとアルバム・チャートの初登場順位で一喜一憂くらいなものなんですが、ハリーとテイラー、アメリカでのシングル1位ですからね。与える影響が全然違います。
でも、こうした生演奏回帰、なんか偶然起こっていることではないような気はするんですけどね。それが「ポスト・コロナ」の最初の現象なのかどうか。そういうことまではわからないですけど。
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