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イギリスでガールズ・ロックバンドの波が来ていることを、キミは知っているか?

どうも。

今日から3日間は、久方ぶりに「ロック定点観測」。この特集が僕にとっては、僕のブログに取っても非常に大切なことの訳ですが、今回のは、今後を占う意味でかなり重要だと思っています。

 今日お話しするのは、僕が今、目下、すごく気になっっていることです。

 こういうことです。

 今、現在、イギリスにガールズ・ロックバンドのブームが来つつある!


という話です。

 実はこの話、すでにもう前振りはしておりまして

 ここでも、もうすでに2紹介していますが、まさにその2つを皮切りに、今後のシーンがガラッと変わりそうな、そんな予感がしています。

 まずはこちらを聴いてもらいましょう。



このザ・ラスト・ディナー・パーティというバンドがとにかくやばい!


 これがこないだの金曜に出たばかりのセカンド・シングルなんですけど、このバンドの見せ方、ハンパなくかっこいいです!

 ガールズ・バンドでここまで構図がかっこよかったバンド、記憶にないですね。ヴェリー・ショートのセカンド・ヴォーカリストが歌い始めて、レトロなランジェリー姿のリードシンガーの子がパフォーマンス爆発させて、リードギターの子が黙々と長居ソロ弾いて、ベースの子が絡みで見せ場作って、ピアノの子が情熱的にハモる。曲も、ABBAとLordeとレディオヘッドが混ざったみたいというか、スパークスのモダン・ヴァージョンというか、とにかく、聴覚、視覚的に唯一無二の個性がすでにあるんですよね。

僕は5月だったか6月だったかに、たまたまこの動画のサムネを見たんですよね。これ見た瞬間に、「うわっ、これはおしゃれだなあ」と、まずルックスから入って、曲を聴いてみたらケイト・ブッシュをロックでやったみたいで、さらに「うわっ」となって。

で、調べたら、もうメジャー契約で、しかも事務所がQプライム!古くはメタリカ、レッチリ、イギリスだとミューズ、スノー・パトロールとかの
事務所ですよ!「ああ、もう、ああいう大手が女の子のバンドに目をつけてるんだなあ」と感じてですね、「ああ、これはことが大きく動くだろう」と思い始めたんですよね。

 で、今、彼女たち、すごく引っ張りだこです。こないだのグラストンベリーでも早速出てましたけど、その後にはフローレンス&ざ・マシーンのオープニングやってますし、つい先日はモントルー・ジャズ・フェスティアルに出てました。そして今度の日曜にはラナ・デル・レイのハイドパーク・ライブの前座ですよ!11月から12月には、ホージャーの前座で全英ツアー。

僕の予想だと、来年にBBCの恒例の新人企画のSound Ofで1位狙ってくるでしょう。そうやってバズを作った後にアルバムだと思います。

 今、Spotify見ても、ロック系のあらゆるプレイリストに入り始めてるし、インスタグラムも、1日とか2日で1000人ペースくらいでフォロワー増えてます。ちょっと、彼女たちを起点に大きくことが起きそうな気がしてます。

 で、このTLDPに対抗しそうなのが

このピクチャー・パーラーというバンド。この人たち、すごいのはですね、2週間前の月曜日、何とデビュー・シングルの時点でNMEの表紙になったんです!

 TLDPもまだ世に2曲しか正式音源が出てませんが、ピクチャー・パーラーは1曲しかありません。ただ、その1曲のこの曲の時点で個性が強烈なのは十分わかります。リードシンガーの、髪の色が半分違う人、彼女がキャサリン・パーラーと、実質自分の名前をバンド名に使うくらい、彼女が絶対のタイプのバンドなんですけど、すごい声なんですよ、この人が!かなりのクセのある大きなダミ声でアンセミックな歌を歌い上げる。これだけですでに十分なインパクトです。

 この表紙には、「なんか裏があるんじゃないか」よ実はネット上でかなり物議を醸したんですけど、TLDP同様、ついてるバックは大きいです。マニック・ストリート・プリーチャーズのマネージャーで30年有名な人が、Wet Legに次いで契約したガールズ・バンドなので。実際、ライブハウスでかなり評判だったみたいなんですよね。見に来た客にコートニー・ラヴで会ったりとか、レディオヘッドからもエドだかコリンが見に来てたという話を聞いています。

 で、こっちも露出すごいんですよ。同じハイドパークでも、こっちはなんとブルース・スプリングスティーンの前座です!

 あと、さっきのTLDPとはすでに同志の中でもありまして


10月にはこうやって一緒に全英ツアーですよ。TLDP、ものすごいライブの本数です。すごい鍛え方。これはアルバムでの本格デビューの際、かなり大きくなると思いますよ。ピクチャー・パーラーも共に期待値高めていくでしょうね。

僕の予想では、ここから先のUKロックシーン、この2バンドを軸に展開されていくことになりそうな気がしていますが、しかも、ガールズ・バンド、これだけじゃないんです!

 つい先日、イギリス、もしくはアイルランドで、まだデビュー・アルバムを出していない、少なくとも女性がヴォーカルをとるバンドが今、どのくらいの勢いあるか、調べてみたんですね。そうしたら驚きの事実が判明しました。なんと 

デビュー・アルバム前のイギリスのガールズ・バンドで、インスタグラムのフォロワーが5000人以上いるバンドが13個もある!


 これは衝撃でしたね。もう、「ブーム」とか「ムーヴメント」と呼んでいいレベルですよ。

 それをここから色々紹介していきましょう。

 このホットミルクは男女双頭型の、ケラングあたりが好きそうなラウドなバンドです。すでにかなりのファンベースがあって、フー・ファイターズのヨーロッパツアーで部分的に前座やるのが決まってたりもしてます。8月にデビュー・アルバム出るのが決まってますが、結構上位いくんじゃないかという気がしています。

このパニック・シャックはイギリスの4人組のガレージ・パンクバンドですが、期待値かなり高いバンドで、メディア押しが予てから強いバンドですね。インスタのフォロワーも1万人超えてますしね。

この4人組ガールズ・バンドのライム・ガーデンはパラモアのヘイリーのお気に入りバンドです。曲のセンス、とりわけエレクトロの使い方とかポストパンク的なセンスとか、すごくいいもの持ってます。僕はTLDPとピクチャー・パーラーに次ぐ存在になるのでは、と踏んでます。レーベルも、今のロンドンのインディのメディアではかなり力持ってるSo Youngって雑誌が所有するインディ・レーベルの所属ですしね。

このイングリッシュ・ティーチャーというバンドもいいです。去年、フォンテーンズDCとかプロデュースしている名プロデューサー、ダン・キャリーがラウンジ・ソサイエティというバンドをデビューさせてるんですが、それと同じレーベルに、このイングリッシュ・ティーチャーもいます。この黒人の女の子、ちょっとインド系も入ってるのかな、彼女のミステリアスな雰囲気がそそります。

このコーチ・パーティも「生きのいいガールズ・バンド」でよく名前が上がります。男女二人ずつの4人組で、正統派のUKギターバンドです。若干、シューゲイザーの影響も入った。かなりギター・プレイで牽引するタイプのバンドなので、性別関係なくファン作りやすいタイプでもあるかなと
思います。

 これの他にもまだまだいるんですいね。

スコットランドはエジンバラの紅一点バンドのスウィム・スクール。女の子がブロンド美人で、骨の太いシューゲイザーな感じです。3年くらい前から
いるんですけど、もうそろそろアルバムあるんじゃないかな。

 これはアイルランドの紅一点バンドのスプリンツ。この国も今、フォンテーンズDC、マーダー・キャピタルといいバンド出してきてますけど、
この人たちも締まりのあるパンクロックバンドで、女性フロントマンがソウルフルな力強い声を放ちますね。

ランブリーニ・ガールズ、ホットワックス、グランマズ・ハウスは、パニック・シャックに系統の似たガールズ・パンクバンドですね。この辺りも着実にファンがいますね。

https://www.youtube.com/watch?v=h4Db1C6L64Q

僕の好みだと女性ロック・デュオのプリマ・クイーン、あと、まだインスタ・フォロワー、ギリギリ5000人届かないところなんですが、ブリーチ・ラブって紅一点バンドがすごくメロディックな感じで好きですね。

いやあ、すごいでしょ?まだデビュー・アルバム出してないバンドだけで、これだけの予備軍、いるんですから。紹介したの全部で14バンドですよ!

 こんなに女子バンドでシーンがいっぱいになったのなんて見たことないし、こういう自然発生的な気運こそをブームと呼ぶんですよ。もう、これはもう、表に出て行くしかないし、そこに業界のパワーもった人が気がついて入り込んだら、もう大きくなるばかりですよ。その意味で、本当に楽しみですよ。

 それにしても隔世の感ありますけどね。だって、2010年代の中ばって、女の子のヴォーカルのイギリスのバンドってウルフ・アリスくらいなものだったじゃないですか。そこをここ数年、ブラック・ハニー、ミステリーンズ、ペイル・ウェイヴス、ビッグムーン、ドリーム・ワイフと増えてきていましたけど、その下の層に今、これだけのガールズバンドがいるんですよ。これはもう、認めないよダメですよね。ぶっちゃけ、男性で話題になるバンドより、数多いと思いますからね。

 望むらくはイギリスからのこの流れが、アメリカにまで浸透して欲しいですね。アメリカで女の子たちがバンドを組みきっかけになればいいのになあと思ってます。あの国もリンダ・リンダスとかガールホースとかいるにはいるんですけど、今のイギリスみたいな状況にはほど遠いですからね。

 アメリカの場合、女性のソロのロックは多くて、それはそれで意義はあるんですけど、ただ、ソロだとどうしても「シンガーソングライター」って呼称にしちゃって、どうしてもロックとして認めない人っているんですよね。やっぱり一度「バンド」という形を通して女性のロックをアピールする必要があるなあとは思っていたので、今のこのイギリスでの動きは渡りに船なんですよね。

 ここからロックが国際的なシーン・レベルで変わっていくことをぜひ期待したいですね。そのためにはザ・ラスト・ディナー・パーティが間違いなく鍵になるし、僕もこの名をこれから何度も口にしていくことになるだろうと思っています。











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