映画「フリー・ガイ」感想 カルト・クラシック化を予想させる、ちょっと先行くコメディ
どうも。
日曜日にこれを見てきました。
「フリー・ガイ」。今、日本でもやってると思いますが、アメリカでも2週連続で興行1位。ブラジルでも公開が金曜からはじまったばかりです。
主演のライアン・レイノルズは「デッドプール」以来、コメディを演じれるイケメンのイメージがすごくついてて、僕もかなり好きなアクターだったので、今回も楽しみにしていました。果たして今回はどんな話なのでしょうか。
あらすじをざっと語っておきましょう。
主人公ガイ(ライアン・レイノルズ)は、ちょっとダサいけど気のいい銀行マン。どういうわけだか、外は戦車走ったり爆発起こったりで物騒で
彼のつとめる銀行にもマシンガン持った銀行強盗が入ってきます。
どうやらこれが日常なようなんですが、ガイは「相手からサングラスを奪ってみよう」とし、それが彼にスーパー・パワーを与えます。
そんな彼はスーパー・ヒロイン、モロトフ・ガール(ジョディー・コーマー)を見つけ
彼女に近づこうとしますが
これはあくまでゲームの中での世界。モロトフ・ガールを動かしているのはゲーム・プレイヤーのミリー(ジョディ・コーマー/二役)で
そのゲーム、「フリー・シティ」のプログラミングをしたのはキーズ(ジョー・キーリー)でした。
二人はソナミ社に努めるゲーム・プログラマーでしたが、彼らは、このゲーム「フリー・シティ」の、そもそもザコ・キャラに過ぎなかったガイの動きがおかしくなっていることに気がつきます。
ガイはゲームの中で、なんと人口知能(AI)を持つ、おそらくは最初のゲーム・キャラクターとなっていたのです。彼は親友のザコキャラたちに人間らしく生きることを説いたり、
あこがれのモロトフ・ガールに近づいて、ヒーローとして戦い始めたりします。
ミリーとキーズはなんとかガイを助けようと思いますが、「フリー・シティ2」の発売をもくろむ会社社長アントワン(タイカ・ワイティティ)は1のプログラミングを終わらせないことには2の発売ができないため、ガイの抹殺を試みます。普段から横暴な言動の社長に腹を立てていたミリーとキーズは、自身の意思で戦い始めているガイをなんとか助けようと・・・・
・・・と、ここまでにしておきましょう。
これ
なかなかアイデアが斬新じゃありません?
「ゲームの中のキャラクターが突然、自分の意思を持って動き出す」という設定が、これまでになくかなり斬新だと思いましたね。そのキャラクターが恋にも落ちて、反乱を起こし現実の悪と戦う。こういうストーリー、なかなかなかったと思います。
これ、ガイを演じたライアン・レイノルズ自身、この話にかなり彫り込んで自らプロデュースまで買って出たほどです。彼にとっては「現代版のバック・トゥ・ザ・フューチャー」と呼ぶほどに気に入っているようです。
ただ、これ、ひとつ困るのが
ゲーマーじゃないと、わかりにくい!
ここがひとつポイントとしてあると思います。
実際、僕自身がゲーマーじゃないので、ストーリーの把握、結構苦労してます(苦笑)。「これで話、あってるかなあ」と確認しながら書いてたりもするので。見てた時、ちょっとわからなくなる瞬間も少なくなかったですからね。
ということもあって、年齢が高い向きにはこれ、理解されにくく不利だとは思います。しかしこれ、若い世代になればなるほど、ゲームやり慣れていたりするのでわかりやすいだろうとは思うし、そのあたりの事情に詳しい人にとって理にかなっていればいるほど、これ、ストーリーとしての説得力があると思います。その意味でこれ、今よりもむしろ後年、カルト・クラシックとして残るんじゃないか。見ながらそういう感触持ちました。実際、ツイッターで検索かけても、英語圏の人で同様の発言してる人、結構見かけてますからね。
ただ、このストーリーの面白さに加えて、これ、
配役のケミストリー
これが見事だったと思います。
とりわけ
ひとり二役を絶妙に演じ分けたジョディ・コーマーは素晴らしかった!
彼女はテレビシリーズの「キリング・イヴ」の謎めいたヒロインでおなじみの人ですけど、あの役とは打って変わった役を演じてます。心優しい純朴なミリーとスーパーヒロインのモロトフ・ガールの2つを演じる演技力が見事ですね。そして、とにかくこの人、すっごくキレイで思わず見とれてしまいました(笑)。特にウルウル目で良心に訴えかけるミリーの演技には、ちょっと恋をしそうになりましたね。
彼女はマーゴット・ロビーやジェニファー・ローレンスより少し年下の年代、20代の後半ですけど、これから役、増えていくんじゃないでしょうか。
それから
ジョー・キーリーもよかったですね。彼
「ストレンジャー・シングス」のスティーヴですよ!どうもあちらで高校生、もしくは10代後半の役をやってたので、いきなり大人の役に戸惑いました。しかも、スティーヴのときと全く同じ、ボノのヘアカットで出てくるのでなおさらです(笑)。どうやら10歳近くサバを読んでいてのスティーヴ役だったことがこれでわかりました(笑)。この配役は、監督をつとめたショーン・レヴィが「ストレンジャー・シングス」のエピソードの監督でもあったことで起用につながったようなんですけど、これで彼もステップアップしていくんじゃないかと思ってます。
それから
タイカ・ワイティティの怪演も光りましたね。インパクト、めちゃくちゃデカいです(笑)。ワイティティといえば、今、監督のイメージ強いですけど、性格俳優として、こういう脇に置いておきたい存在であることはこれ見ても明らかです。そこまで「尊大なゲイのディーヴァ風に演じなくてもいいかな」とも思いましたが(笑)、あれくらい強烈な自己アピールの方が、この映画のイメージには合ってたと思います。
ということでこれ、なかなか楽しめますので、おためしあれといったところです。