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配信映画「アイデア・オブ・ユー」感想. 今、ロマンティック・コメディやるなら、この形がベスト!

どうも。

今週はテーマがあります。それはなにかというと

ロマンティック・コメディ

これで、行きたいと思います。

もともと僕、映画でもっとも好きなジャンル、コメディなんですけど、それはロマンティック・コメディ、含みます。なぜって、それは、そんなことを考える前の小学校低学年からそうだから(笑)。もう、無意識下で好きなもののひとつですね。今週はそのことの熱弁を奮っていこうかと思います。

その手はじめてとして、まずこれですね。

この「アイデア・オブ・ユー」という映画。これ、先週の末からAmazon Primeで配信が始まりました。これは1ヶ月ちょい前くらいから僕も存在を気にしていて楽しみにしていました。ちょうど入院中、こないだの日曜日ですけど、これを一人ベッドの上で見ました。その思い出もあるので、これ、忘れられない映画になるかもしれません。

これはどんな映画なのでしょうか。早速あらすじから見てみましょう。

ストーリーはヒロイン・ソレーン(アン・ハサウェイ)が、16歳の娘イジーとその友人たちをコーチェラ・フェスティバルに連れていくところから始まります。

ソレーンは本当は行くつもりがなく、別れた元夫のダニエルが、コーチェラのVIPルームで、

それなりにキャリアのあるボーイバンド、オーガスト・ムーンのバックステージのミート&グリートでイジーに合わせる権利を得たからでした。ただ、ダニエルは仕事で行けず、イジーも年頃になって「もう子供じゃないし・・・」みたいな冷めたものでした。

コーチェラの会場に着き、娘たちより先にVIPルームについたソレーンでしたがそこで

オーガスト・ムーンのリードシンガー、ヘイズ・キャンベル(ニコラス・ガリツィン)と出会ってしまいます。

若い女の子ばかりのファンに慣れてたヘイズには40歳のソレーンは物珍しくも見えたか、いろいろ質問をし、ソレーンは「アート・ギャラリーをやっっている」と答え、「今日はどうしてここへ」などと話を進めていくうちに打ち解けていきます。

この後、ミート&グリートでイジーから「昔は好きだったんだけど(で、推しもアンタじゃなかったし)」みたいな素っ気ない態度も取られ、「本当のこと言われて傷つくなあ。ハハハ」みたいな会話をしますが、ヘイズの中ではもう何か始まっていました。

いざ、オーガスト・ムーンのステージになると、ヘイズは予定を変更して、年上の女性に捧げたラブソングを歌い始めたのでした。

その数週後、ロサンゼルスにあるソレーンのギャラリーに突然ヘイズが現れました。外にはパパラッチやファンも張ってる中、かなり大胆な行動です。

「いろいろアートについて知りたいんだ」と言い、あれもこれも買いたいとまで言い出したヘイズにソレーンは戸惑い、「このギャラリー以外のものも見たいか」とヘイズを自分の家に誘います。ちょうどこの時、家にはイジーがサマー・キャンプに出かけていて、留守でした。

ソレーンの家で二人はそれぞれの悩みを打ち明けました。ソレーンは夫との
離婚理由。それにどれだけ苦しんできたかを語り、ヘイズは、オーディションの頃から世界中がみんな自分のことをあたかも知っているように思いつつ、本当の自分をわかってもらえない苦悩、自分にはオーガスト・ムーンでは表現しきれない音楽表現があることなどを話し、気持ちが高まっていき、

ついに愛が芽生えてしまいます。

ついにはヘイズはソレーンを飛行機にまで乗せてワールド・ツアーに帯同させます。そこにはオーガスト・ムーンの他のメンバーのカノジョもいましたが、ソレーンは一人年上の状態でした。

ヘイズとソレーンは世界各地でもずっと仲睦まじく一緒にいました。しかし、ある夜、ついにその姿を・・・。

・・と、ここまでにしておきましょう。

原作がありまして、同名のロマンス小説なんですよね。

で、ここに出てくるオーガスト・ムーンって

ワン・ダイレクションであり

その後のハリー・スタイルズですよね。

で、これ見て改めて思ったんですけどね

今、ロマンティック・コメディ作るなら、これがベストのシチュエーション!

すごく上手いなと思いましたね。

それを箇条書きしたいと思いますが

①ヒロインがY世代

ここ大事だと思います。これがZ世代だと、ロマンティック・コメディ慣れしていない世代だから淡白なんですよね。ロムコムって、ハリウッドで2010年代に完全に死んでたジャンルだし、Z世代には古臭く見えてたものだと思うんですよね。彼らの中には「なぜヘテロばかりの愛なの」とか理屈っぽいことも言い出すし。

それがY世代だと、90年代にジュリア・ロバーツやメグ・ライアンの定番ロムコムが大人気の時代に育っているし、00年代にもまだその余韻が残ってましたね。レネー・ゼルウィガー、リース・ウィザースプーンあたりでもあったでしょ?そういう意味でロムコムに醒めてないし、いいものがあればまだ見たいと思う世代。

そこでY世代の代表をヒロインにする、という考え方は正しかったと思います。

②年下の男の子を好きになる設定は男性をフェミニストに見せる

これもすごく利いてます。

40代の女性が年上好きになるだけだったら、それは「セックス&ザ・シティ」におけるキャリーとMrビッグと変わらないし、それだとどうしてもインパクトは出ません。

では、逆に男性が年下だったらどうか。そうすると、「女性のエイジングに偏見を持たない男性」として、女性に理解があって優しいという見方をされるんですよね。

で、そうした女性心理に答えたボーイバンドってやっぱり存在としても大きくなるじゃないですか。ワン・大レクションってまさにそんな感じだったし、BTSにしたってそうですよ。もう決して子供相手だけじゃない、自分のお母さんくらいの年齢層の女性もファン対象にしているわけです。そこに偏見持つようだと今どき男性アイドルなんて務まりませんからね。

③男と女のこれまでの立場スワップが自然とできる

ハリウッドがある時期からやろうとしていることに、「これまで男性がやってきたことを女性にさせよう」というのがあります。これ、狙いすぎるとうまくいかないんですけど、今回の映画はこれがうまいこと自然に流れてるんですよね。

だって、これって

「ノッティング・ヒルの恋人」のまんま逆パターンですよね。その意味でも、僕はこれ、面白く観れましたね。

④配役が絶妙

これもいえますね。

アン・ハサウェイって、こういうハリウッドのライトなコメディ、ロマンス、うまいですよね。それにはそれなりの理由があって

「プリンセス・ダイアリーズ」から「プラダを着た悪魔」、歴任してきてたわけですからね。「さえなかった彼女が、急に輝き出す」みたいな劇中での進化も見せる意味で、この映画も共通してますしね。これを各世代でこなせる演技力、さすがだと思いましたね。

で、ヘイズ役のニコラス・ガリツィンなんですけど、「どこかで見たことあるなあ」と見ながら思ってたんですけど

去年、公開、と言うか殆どの国でアマプラ公開になった「Bottoms Up」という、ハイスクールのレズビアンの女の子たちがファイトクラブみたいなものを結成するというコメディがあったんですけど、ニコラス、これに学園の人気者なんだけどとてつもないバカなアメフト部のスター役で出てましたね。この時の演技がいい感じでバカだったんですよ(笑)。

ただ一番の当たり役は去年の配信映画「Red White & Royal Blue」でアメリカ大統領の息子に恋をするイギリスの王子役でしたね。

これからもわかるようにニコラス、イギリス人でもあります。ちょうど今年で30くらいなのかな。今回の映画の設定は24歳でしたけど。

この経歴から見ても、アンとニコラスの組み合わせ、面白いと思いましたね。

このマイケル・ショウォルターと言う監督。この人、僕と同じ年代なんですけど、すごくいい監督なんですよね。

この2017年の「ビッグ・シック」っていう、主演したパキスタン系アメリカ人コメディアンのクマール・ナンジャニが大病をした妻との実話をもとに作った、笑えるんだけど同時にものすごく泣ける最高のロマンティック・コメディ、これを監督した人です。オスカーでも脚本賞にノミネートされました。

あと2021年には「タミー・フェイの瞳」と言って、本来、保守派のテレビ宗教家だったんだけど、ゲイにはすごく優しく、ついには自分が絶大なる支持を受けるLGBTアイコンにまでなってしまった実在人物タミー・フェイを描いた作品で、これを演じた、僕の大好きな女優さんです、ジェシカ・チャステインがオスカー主演女優賞を受賞しています。

こういうの手掛けてきてた人なんで、やっぱ「話の進め方と見せ場、うまいなあ」と思いながら見ましたね。

 ということで、これ、作品としてかなり面白いです。おすすめです。

 あと、音楽ということになると、「ボーイバンドってコーチェラ出るのか」ということに関しては、「実際、今のコーチェラ、そんな感じじゃないか」としか言えないですね(笑)。一応イジーはセイント・ヴィンセントの大ファンという設定になってましたけど。

あと劇中で

マギー・ロジャースの「Light On」が使われてますね。2019年に彼女がデビューした頃の曲で、僕、この時の彼女のアレンジがあんまり好みじゃなく、この次からの方が好きなんですけど、これもこの映画の中で改めて聞くと良いものです。












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