カイリー、ロシーン、ジェシー。2023年はUKダンス・ディーヴァ・イヤー!
どうも。
2023年の音楽シーンの、表向きではないかもしれませんが、この人たちも立派な立役者です!
カイリー・ミノーグ、ロシーン・マーフィー、ジェシー・ウェア。いずれも
UKのダンス、クラブ界隈ではディーヴァで知られている存在ですけど、今年、この3人が出したアルバムがことごとく素晴らしかったんですよね!
カイリーはこの「Tension」というアルバムが先週出たばかりですが、イギリスでは2位から20位のポイント全部足しいても上回るくらい圧倒的な初登場1位です。
彼女のことは
このnoteでも6月に書いたばかりですけど、80年代から20年代まで5世代連続全英トップ10シングルの偉業を達成しています。
これがアルバムからのシングルですけどね。カイリーらしい正当なエレクトロ・ポップから、ハウス・リバイバル、インディ・ロック調から、過去30数年の歴史でカイリーがたどってきた道を総括するような、そんなアルバムで、キャリアをずっと見てきた僕みたいな立場だとグッとくるものがあります。
美しいカイリーですけど、55ですからね。全く衰え知らずというか、なんかさえなくなって久しいマドンナに変わってクイーン代行中という感じで頼もしいです。
続いて
ロシーン・マーフィーですね。
彼女はですね
これがミレニアム近辺にバカ売れしまして。ロシーンはここで、少しかすれたスモーキーな声でフィーチャーされてました。
解散後も彼女、アルバム出すたびに好評でした。ただ、アルバムでトップ10がいつももう少しのところで届かない地味渋アーティストになってたんですけど
9月に出た、この「Hit Parade」で全英5位。50歳にして、ソロで初めて全英トップ10入りしました。これねえ。女性で50歳で達成ってとこに深い意義ありますよ。男性でいうと還暦で達成くらいな。それくらい、女性のエイジングへの偏見、強いわけですからね。
これがアルバムからのシイングルですけど、60〜70年代のかなり渋くディープなソウル・ミュージックを、ドイツの気鋭プロデューサー、DJコッツェによる最新のトラックで、新旧の音楽の輝きを表現してますよね。ロシーンの声の枯れ具合もさらにソウルフルになってね。イギリスでここまでソウルフルな歌唱表現できるの、後輩格のエイミー・ワインハウスはいますけど、アニー・レノックス以来じゃないかな。個人的には声の質感でダスティ・スプリングフィールドの名盤「Dusty In Memphis」を思い出しますけど。
そして
ジェシー・ウェア。彼女のこのアルバム「That Feels Good!」は上半期の大好きなアルバムでした。
これも5月にここで書きましたけどね。
彼女は圧倒的に伸びやかなヴォーカルで掴むタイプなんですけど、最新作では70sのラテン・ディスコからフレンチ・ハウスに至るまで、イギリスという国で伝統的に人気のダンス・ビートに乗りながらソウル・ディーヴァとしての貫禄を示しました。
彼女の場合は38歳でカイリーやロシーンに比べたら世代はだいぶ若いんですけど、しっかり頼れる感じが昔からあって、若さそのものが以前からなく貫禄あるのでなんかベテランっぽく見えます。おそらくはこれからシーンのリーダーになるんじゃないかな。
そんな彼女はカイリーとロシーンを慕っておりまして
カイリーとは2020年にこの曲で共演してまして。これ、カイリーの前のアルバムでのシングルなんですけど、ジェシーにはかなり影響、与えたことを彼女自身が語っております。
さらに
「That Feels Good」の中の「Freak Me Now」をシングルで切る際にロシーンと共演しました。
こういう風にディーヴァ同士がしっかりつながって、影響を与え合って一つの大きな勢力になってるの、美しいなと思います。