自身が”感染源”との噂の中、ブラジルをコロナ禍に晒そうとする極右大統領
どうも。
ブラジル、今やサンパウロとリオ、そして各州の州都でロックダウン中。ショッピングセンター、商店街、ジムが閉店し、開いているのはスーパーと薬局。一部のレストランがデリバリー飲み、という状況です。
こういう政策による隔離はクアレンタインとも言って、ブラジル国内の世論調査だと、73%の人が支持しているやり方です。ブラジル人って、意見まとめるのが大変な国民なんですが、これに関しては病気が怖いのか、かなり団結してます。
が!
事もあろうに、それを
当ブログおなじみのブラジルのクソ大統領、ボウソナロが乱そうとしています。
ブラジルのほとんどの地域でクアレンタインが始まった24日、事もあろうにこの人
政見放送を行いまして、こういうことを言いました。
「コロナなんて軽い風邪に過ぎないんだ」「イタリアでたくさん人が死んでるのは老人が多いからだ」「60歳を過ぎてる人しか死んでいないのに学校閉鎖はおかしい」「マスコミや知事に騙されずに商店街を再開しろ」
・・・。
あのですね、ブラジルは、まだイタリア、スペイン、アメリカほどではないにせよ、それでも今日の時点で罹患者が2500人くらい、亡くなった人も59人いるんですよ。非常事態宣言がサンパウロで出たのが5日前で、その時はまだ1000人目前で亡くなった人が11人だったかな。抑えてる方だとは思うんですけど、それでも増えてきてるんですよね。
この大統領がこういう理由は、つまりは、コイツを支えている大企業家と、エヴァンジェリック系の牧師を助けたいからなんです。
例えば、このロベルト・ジュストゥスっていう、トランプが大統領になる前に出てた「アプレンティス」って番組のブラジル版に出てた企業家、この人は「世界が騒ぐには1万2000人の死なんて大したことはない」と言って、クアレンタインに反対する発言をしました。
このレストラン・チェーンのオーナーも、「5000人死のうが7000人死のうが、ブラジルは止まれない」とクアレンタイン実施を批判しました。
さらに
ブラジル最大のペンテコスタル派の牧師は、自分のミサに人がこなくなるのが嫌なせいで「教会を閉めるな。祈りの力で治すんだ」という迷言を吐いたりしています。
ボウソナロという大統領は、これまで「オマエなんてレイプの価値もない女」「息子たちを黒人女とデートさせない」「先住民の保護区なんて1ミリたりとも増やさせはしねえ」との差別発言連発してたのに大統領に当選したのは、こういう人たちが支えていたためです。
だいたい、このボウソナロ自体、「すでにコロナにかかっていた」という噂が濃厚なんですよね。
それは
今月初旬、ブラジル政府がアメリカ訪問を行った時、トランプのこの写真の右に写っているボウソナロの広報がコロナにかかりました。この一行、結局、20人くらいコロナに罹患しました。ブラジルで他の国よりも早く非常事態宣言がでたのは、このためです。
ボウソナロにも当然、コロナにかかっている噂が出まして、1度は「陽性反応」との報道も出ました。ただ、2度やった結果は「陰性」。ただ、ボウソナロに接触した人たちがことごとくコロナになった上に、ボウソナロを診断した病院に2人「未報告の罹患者がいる」ことも確認されています。この報道の後、ボウソナロは情報公開の法律を強化しています。何を意味するかは・・ってとこですよね(笑)。
そして、この「コロナ疑惑」があった時、ボウソナロ、何したと思います?
3月15日、自分が煽った、反・連邦議会(日本でいう国会)、反・最高裁デモに対して、コロナにかかった閣僚と接触したからあ1週間の隔離を言い渡されていたのに、それを破って、大統領官邸前まで来たデモ団の前に出てきて握手した上、ブラジル国旗振り回したんですよ。
ただでさえ、このデモ、「行政」「司法」「立法」の三権分立の原則を破ってる上、大統領自身がコロナの罹患の噂があった真っ只中に、しかも外出禁止令出されてたのに自らが一般人と握手して接したのに加えて、「大人数を出すことをするな」と言われてたのにデモ先導したわけですからね。
大統領がこれをやった次の日ですね、株が10%くらい落ちまして、さらにブラジルの通貨レアルが1ドルが5レアル台という、この通貨のワースト記録を更新しました。ボウソナロ就任前が1ドル3.80レアルくらいで、前ここに書いたネットフリックス・ドキュメンタリー「消えゆく民主主義」で政権追われた人気のあった左翼政権の時は1ドルが2レアルとか、そういう時代もありました。ボウソナロって、経済良化を期待されての就任だったのに、経済状況もかなりガタガタです。
この「デモ先導旗振り事件」以降、人気がガタ落ちして、ここのところ「もう罷免だ!」という世論が沸き起こっているのに、、この上の動画でしょ?もう、頭がいたいです。
しかも、大統領から脅されて、これまで積極的な防止策呼びかけて人気になっていた保健相が昨日になって急に「クアレンタインなんてしなくていい」とか言い出す始末。これに知事たちが猛反発して、「大統領対知事たち」んの対決でブラジル今、揺れてます。
まあね、そりゃ、長すぎる隔離政策は僕も嫌ですよ。経済活動停止も、失業者増も長く続きすぎれば起こるだろうし、それ以前に、人々のメンタルヘルスがおかしくなると思います。僕の感覚でも、これ、連続で2ヶ月、休憩入れながら3ヶ月が限度のやり方だとは思います。
が!
隔離政策を一度も試さないままだったら、死者なんて何人になるか、わからない!
せめて、それくらいは、わかってほしいものです。
ましてや、雇用主が、上にあげた例の、トンチンカンな人でなしの発言するような人たちじゃ、庶民、納得しませんよね。ああいう人たちを喜ばすための隔離反対なら、そんなものは意味はありません。
だいたい、上の動画のボウソナロの政見放送、医療団体30以上から抗議を受けてます。トップの政治家がこんな医療的に信用できないことを率先していうのでは、何も信用できやしませんよね。
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