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グローバル・ベストアルバム・プレイリスト(8) アフリカの25枚

どうも。

グローバル・ベストアルバム・プレイリスト、第8弾、いきましょう。今回含めて、あと3回です。

だいぶ取り扱う地域も狭まってきましたが、今回はアフリカ大陸、いきましょう。

ただ、そんなにアルバム文化がその昔に盛んだったわけでは決してない地域でもあるので、今回はいつもより少ない25枚の選出。

次のようになりました。

Pata Pata/Miriam Makeba (1967 South Africa)
Sunny Ade The Master Guitarist/King Sunny Ade (1971 Nigeria)
African Voodoo/Manu Dibango (1972 Cameroon)
Lazy Bones!!/Witch (1975 Zambia)
Africa/Amanaz (1975 Zambia)

アフリカのポップ・ミュージックで最初と言ったら、やっぱミリアム・マキーバですよね。僕がアパルトヘイトに関心を抱いた80年代の後半に初めて名前を聞いたはずです。撤廃の活動家として。その後も、「アフリカン・ポップスの最初の人」みたいな感じで耳にする機会がありました。やはり僕の世代だと、80年代のアパルトヘイトへの国際的な風当たりで関心を抱くことが多かった気がしますね。

ジャズのサックス奏者のマヌ・ディバンゴは90sにアトランティック・ソウルのボックスセットに入ってたので知ってましたね。その時は「ソウル・マコッサ」という曲で知ったんですけど、それが入ってるアルバムが解禁されてないので別のを選びました。

この当時はまだ「現地から」ではなく、アメリカとかヨーロッパに渡ることでしか知られる機会がない時代ですね。それくらいまだ「マーケット」としては成熟してなかったのではないかと思われます。

キング・サニー・アデは80sにワールド・ミュージック・ブームでアフリカが一部注目された際に有名になった人ですけど、その頃のサブスクが弱くて、逆にそれ以前の60sのギターの名手としてのものを入れました。この話は知らなかったので、勉強になりましたね。

あと

ザムロックのシーンはここ数年の発見でしたね。僕も3年くらい前じゃなかったかな、知ったのは。アフリカの南部の、南アフリカ共和国の地理的に北に面したザンビアという国で、70年代の前半から半ばにかけてロック・ブームがあったという話。これ、YouTubeにショート・ドキュメンタリーがアッッたり、あとサブスクのプレイリストもすごく充実していて、それでここに選んだウィッチとかアルナズも知りました。サウンドとしては、なぜかサイケデリック・ハードロックが多いんですよね、ザムロック。

Expensive Shit/Fela Kuti (1975 Nigeria)
Zombie/Fela Kuti (1976 Nigeria)
My Love And Music/Ebo Taylor (1976 Ghana)
Atomib Bomb/William Onyeabo (1978 Nigeria)
Scatterings/Johnny Clegg & Jujuka (1982 South Africa)

70年代のアフリカで最も重要と言えば、ナイジェリアの伝説、フェラ・クティですね。アフロビーツじゃない、アフロビートの生みの親です。ジャズをベースにファンクをアフリカで発展させ、そこのプロテストを乗せたスタイルなんですけど、ちょうど70年代の半ば、1974年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でボクシングの聖域のタイトル・マッチ、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマン戦でジェイムズ・ブラウンとかサルサのファニア・オールスターズが公演を行ったのがすごくアフリカの音楽には刺激になった、との説はよく聞く話です。

そのフェラの周辺でハイライフという、サウンド・カルチャーができて、それがナイジェリア、ガーナあたりまで影響力あったようで、そこも入れてます。

あと

80年代に入ると、ミュージック・ライフみたいな雑誌でもアフリカに関してのリリースがたまに目に入って、それが大概このジョニー・クレッグでしたね。南アフリカだと10数パーセントの白人がアパルトヘイトしてたわけですけど、ジョニー・クレッグはアパルトヘイトに反対し積極的に黒人アーティストと共に活動し、アフリカの音楽を届けていた人でしたね。

Graceland/Paul Simon (1986 USA)
Shaka Zulu/Ladysmith Black Mambazo (1987 South Africa)
Moffou/Salif Keita (1992 Mali)
The Guide/Youssou N'dour (1994 Senegal)
Talking Timbuku/Ali Farka Touré (1994 Mali)

80年代後半に、アフリカの音楽への世間の関心がすごく高まるんですけど、そのきっかけになったのがポール・サイモンの「Graceland」でしたね。欧米のアーティストがアフリカの現地まで飛んで、真正面からアフリカ音楽に挑んだ最初のアルバムで、国際的なアパルトヘイト反対運動の機運もあって、現象になりましたね。

僕も、アメリカ社会における黒人差別の前に、まずはこちらがあって、それが人種問題への意識の目覚めになったものでした。ただ、サウンド的に慣れるのにはまだ高校生には難しかったかな。時間は要りましたね。良さが若ったのは90年代の終わりくらいに改めて聴いた時に、すごくプリミティヴなロックンロール・グルーヴを感じたからですけどね。アフロ・グルーヴの躍動を体で理解できたような気がしたものです。

80年代後半から90年代前半にかけてはアフリカのアーティスト、国際的に紹介されること増えましたね。

その代表がこの2人、マリのサリフ・ケイタ、そしてセネガルのユッスー・ンドゥールで両者ともに国際ヒットを放ちます。

中でもよりアピールが強かったのがユッスーの方ですね。1986年にピーター・ゲイブリエルの「In Your Eyes」という曲でアフリカン・チャントで歌い、1994年にネネ・チェリーとデュエットした「Seven Seconds」は英米トップ10入りですからね。

あと、ポール・サイモンと共演した南アフリカのヴォーカル・グループ、レディスミス・ブラック・マンバーゾも「ライオン・キング」のサントラなどで有名になりましたね。

Mouneïssa/Rokia Traoré (1998 Mali)
Made In Medina/Rachid Taha (2000 Algeria)
Dimanche À Bamako/Amadou & Mariam (2005 Mali)
The Ugly Ducklings/Cairokee (2019 Egypt)
African Giant/Burna Boy (2019 Nigeria)

それ以降、国際的なアフリカ音楽への関心がちょっと地味になった印象があったんですが、90s後半から00sにかけてはマリ音楽に注目集まってましたね。ブラーのデーモン・アルバーンがすごく関心示して、それで作品作ってたりもしてましたからね。

マリってギター・ミュージックも伝統的に流れとしてあって、アリ・ファーカ・トゥーレや、写真のアマドウ&マリアムもロックみたいな感じで聴けるんですよね。ロックリスナーには良いは入り口になると思います。その系譜は、国は違いますけど、最近のニジェールの「中東のジミヘン」ことムドウ・モクターにまでつながっています。

あと、アマどうも、アルジェリアのラシッド・タハもそうなんですけど、フランスのチャートヒット経由で知られるというパターンがあります。やはり移民国家でアフリカの人、多いので注目する市場としてはすごくいいと思います。かなりマニアックな視点ですけどね。

それから、北アフリカって、アフリカと言っても文化が全然違ってて、黒人よりもアラブ系で文化圏も中東です。イスラム教の影響も強い。なので本来、分けないといけなかったかなとは思ったんですけど、大陸の方がわかりやすいのであえてエジプトの話もします。ラシッド・タハのアルジェリアもそうなんですけどね。

その北アフリカではロックもシーンありまして、ラシッド・タハもそうなんですけど、近年のその大物といえば上の写真のカイロキーです。エジプト初の本格的ロックバンドと言われてまして、「アラブの春」、あれが2011年ですから、その少し後から台頭してきたんですけど、今やこのバンド、アルバム中にSpotifyのストリームが1000万回越す曲が何曲もあるくらい、中東圏内ではでかいバンドになってます

Made In Lagos/Wizkid (2020 Nigeria)
Afrique Victime/Mdou Moctar (2021 Niger)
Mr.Money With The Vibe/Asake (2022 Nigeria)
TYLA/Tyla (2024 South Africa)
Born In The Wild/Tems (2024 Nigeria)

そして現在ですけど、もう圧倒的にこのバーナ・ボーイとか、ウィズ・キッド、レマあたりのアフロビーツですよね。アフリカで欧米のR&Bやヒップホップに慣れた世代の今のアフリカのコンテンポラリー・ミュージック。アメリカでブラックパンサーや、ライオン・キングの実写リメイクのサントラあたりからアフリカのアーティストの参加が目立つようになって、、国際的な関心が高まってきて、そこをチャンスに色々出てきてますよね。


僕個人的もにも興味ありますけど、サウンドの斬新さでは個人的にこのアシャケ推しですね。それこそフェラ・クティ世代のアフロビート的なバンド・ミュージックのグルーヴと今日的なアフロビーツの融合を感じられます。

あと、「Water」の世界的ヒットを出したタイラもそうだし、この写真のテムズもそうなんですけど、もうアフリカとかそういうの国籍的に関係なく、むしろアメリカのR&Bの女性シンガーよりかっこいいんじゃないか、と思えるロールモデル的にかっこいい女性シンガーも出てきてますよね。タイラは見た目もアメリカのR&Bシンガーとかラッパーとかとヴィジュアル的にも全く違和感ないくらいスター性感じますけど、僕は「アフリカからのシャーデーやエリカ・バドゥへの回答」ともいうべきテムズに将来的にすごく楽しみなポテンシャルを感じますね。

これが今回のプレイリストになります。




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