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概ね満足!2022年のオスカー・ノミネートについて

どうも。


いよいよ今年のオスカーのノミネートが決まりましたね。

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オスカーのノミネート、決まりました。日本時間の昨夜に速報は出しましたけど、改めてここでおさらいをしておきたいと思います。

作品賞
パワー・オブ・ザ・ドッグ
リコリス・ピザ
ウェストサイド・ストーリー
DUNE
ベルファスト
コーダ あいのうた
ドリーム・プラン
ドライブ・マイ・カー
ナイトメア・アリー
ドント・ルック・アップ


監督賞
ジェーン・カンピオン(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
スティーヴン・スピルバーグ(ウェストサイド・ストーリー)
ポール・トーマス・アンダーソン(リコリス・ピザ)
濱口竜介(ドライブ・マイ・カー)
ケネス・ブラナー(ベルファスト)

主演男優賞
ベネディクト・カンバーバッチ(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
ウィル・スミス(ドリーム・プラン)
アンドリュー・ガーフィールド(tick tick boom)
ハビエル・バルデム(愛される夫婦の秘密)
デンゼル・ワシントン(The Teagedy Of McBeth)

主演女優賞
ニコール・キッドマン(愛される夫婦の秘密)
ジェシカ・チャステイン(The Eyes Of Tammy Faye)
オリヴィア・コールマン(ロスト・ドーター)
クリステン・スチュワート(スペンサー)
ペネロペ・クルス(Parallel Mother)

助演男優賞
コディ・スミット・マクフィー(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
トロイ・コッツァー(コーダ あいのうた)
キアラン・ハインズ(ベルファスト)
JKシモンズ(愛すべき夫婦の秘密)
ジェシー・プレモンズ(パワー・オブ・ザ・ドッグ)

助演女優賞
アリアナ・ディボーズ(ウェストサイド・ストーリー)
キルステン・ダンスト(パワー・オブ・ザ・ドッグ)
ジュディ・デンチ(ベルファスト)
ジェシー・バックリー(ロスト・ドーター)
アンジャヌエ・エリス(ドリーム・プラン)

作品、監督、役者4部門、このような感じになっていましたけど

僕自身はかなり満足です!

何がそんなに嬉しいか。幾つかポイントがあるので言及していきたいと思います。

①ドライブ・マイ・カー、4部門でノミネート

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やっぱり、これがあまりに快挙ですよね。「ドライブ・マイ・カー」の4部門ノミネート。

これまで日本、国際長編映画(旧・外国語映画賞)奈良何度か受賞経験があるんですけど、監督賞ノミネートは1966年の勅使河原宏、1986年の黒澤明につぐ3人目。さらには作品賞に至っては日本映画史上初のノミネートですよ。

僕、この映画のノミネートに関しては

去年の12月の時点で、「国際長編映画だけでなく、作品賞のノミネートも狙うべきだ」と、この時点から熱弁をふるってたんですね。やっぱりニューヨークとロサンゼルの全米2大都市の映画批評家協会賞を日本映画で受賞するって尋常なことではなかったから。加えて2年前の「パラサイト」の例があったでしょ?絶対にあの例に続くべきだと思ったし、韓国に次いで日本も、なんていったら日本だけでなくアジアの映画界全体に活気がつくじゃないですか。だから応援したかったんですよね。

 ただ、直前でオスカー直結の一番大事な前哨戦、プロデューサーズ・ギルド・アウォード(PGA)とディレクターズ・ギルド・アワードの2つでノミネート逃したんで、「これは作品賞、監督賞は苦しいかなあ」と思っていたら脚色賞の重毛つきで4部門。見事なものです。

 さすがに作品賞や監督賞がすぐに取れるかというと、そこはさすがに難しいです。何せ、大本命の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が12部門もノミネートされてますからね。勝つのは大変かとは思いますが、こういう世界の傑作映画たちと対等に争えるわけですから、やはり大きな進歩ですよね。

あと、その他のポイントでいうと。

②夫婦でWノミネート

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夫婦2組(籍入れてるかどうかは別として)がノミネートされたのも話題ですね。

一つはスペイン・カップルのハビエル・バルデムとペネロペ・クルス。両者とも、下馬評高くなかったんですけど、終盤からもうチャージしてきましたね。特にペネロペは、バルデムもその昔出演してた、ペネロペを語る際に非常に重要な映画監督であるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの作品でエントリーしたのも熱いところです。

あと、プレモンズとキルステンは「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でも夫婦を演じています。キルステンの助演女優のノミネートは硬いと思われてはいたんですけど、プレモンズが急追してノミネートにこぎつけましたね。

 ともに演技的にはかなりの実力派カップルだけに、喜んでる人は多かったですね。

③ヤバい映画でも、クリステンがノミネート

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そしてクリステン・スチュワートの主演女優でのノミネートも嬉しかったですね。

彼女、この映画「スペンサー」で、前哨戦の前半はほぼ圧勝だったんですけど、オスカー会員に直結するギルド系のアワードになって途端にパワーダウンして、ノミネート危しだったんですけど、滑り込みました。

 この理由、先週末にこの映画見てわかったんですけど・・・、まあ〜、すごい映画ですよ、これ(汗)。言うなれば、ネットフリックスの「ザ・クラウン」ではまず許可が出なかったような英国王室の暗部と、あまりにも壮絶な、これまで以上に同情が集まりそうなダイアナ妃の壊れっぷりが描かれてますからね。これ、そのうちレビューしますが、これが圧力の理由になっていたのはほぼ間違いないと思います。

④カルト映画でのジェシカ・チャステインのノミネート

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そしてジェシカ・チャステインの久々のノミネートも、僕にとっては本当に嬉しかったですね。

彼女、2012年のオスカーで3作品くらいでノミネートされそうになった時に注目され、翌年のオスカーで「ゼロ・ダーク・サーティ」でジェニファー・ローレンスとオスカーの主演時優勝争ったんですけど、その時以来ですね。

ジェシカ、「ネクスト・メリル」とも呼ばれたくらいに実力派なんですけど、割に主演にこだわってこれまで地味な映画の主演が続いてたんですが、今回もこれ、タミー・フェイという、アメリカ人の本当に局部的にしか知られていないキリスト教番組の司会者の伝記の主役で、作品そのものも本当に一部でカルト受けしてるだけなんですけど、そこでの名演を逃さずにノミネートしたオスカーの慧眼は嬉しかったですね。前哨戦でもずっと3番手くらいにつけてたのでいける気はしてたんですけど、それでも知名度に流されなかったのは好感が持てましたね。

⑤ガガとレトは落選したけれど

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あと、「ハウス・オブ・グッチ」からノミネートが期待されたレディ・ガガ、ジャレット・レトはともに落選でしたね。

ガガはもう少し怒ってる人多いかなとも思ったんですけど、そこまで多くはなかったかな。「映画そのものがよくなかった」という感想も英語では結構見ますしね。

 今回のに関しては僕もガガは評価してません。イタリア系ということでイタリア訛りはうまかったんですけど、この映画でのポジショニング、ヴィレン(嫌われ役)なのか、同情を誘う役なのか、それがはっきりしない感じだったので、「下馬評の割にそんなにいい演技ってわけでもないな」と思ってたので、落選、僕はホッとしてます。

 逆に、ジャレッド・レトはRを巻きすぎた極端なイタリア語訛りが笑えてかなり場面奪ってて僕は好きだったんですけど(笑)、それがくどすぎると映った鑑賞者も多かったみたいで落選でしたね。頑張りすぎた、ということでしょうか。

⑥黒人女優2人の落選について

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また、主演で「リスペクト」のジェニファー・ハドソン、助演で「パッシング」のルース・ネッガの落選を惜しむ声もありましたね。それにかけて、もうそろそろ「いい加減にしろ」な「#oscarsowhite」のハッシュタグも見かけましたけど。

 Jハッドに関しては、「ドリームガールズでオスカー取ってるのに、アレサ・フランクリンでもオスカー取らなくていいだろ」というのが本音としてあります。歌の上手い黒人女優ならブロードウェイから金の卵探す努力すりゃいくらでもいると思うんですよね。これは制作サイドの怠慢感じて、僕は最初から好きじゃなかったです。

 ただネッガに関しては僕も残念ですね。ノミネートあると思ってただけに。ネットフリックスは候補作品が多かったので推薦の優先順位が低かったということでしょうね。

そして最後にもう一つ

⑦ジェシー・バックリーのノミネート

いやあ、これは嬉しかったですね。

この記事でジェシー・バックリーを絶賛しておいて本当によかったです。ここでのジェシー、主役のオリヴィア・コールマンの若い頃を演じてたんですけど、あの3年連続オスカー・ノミネートの名女優を食いかねない勢いの熱演でしたからね。「評価されてほしいなあ」と思ってただけに、よくぞオスカー、拾い上げてくれた、と感謝してます。

・・・といったところでしょうか。3月27日の授賞式が楽しみです。また、「ドライブ・マイ・カー」がノミネートされたことで、多くの日本人映画ファンがオスカーに興味を持たないか、期待してます。






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