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「インディ・ロック・ガールズへの共感」が「ガールズ・バンドへの興味」に変わるのはいつなのか?

どうも。

今日の話は昨日の続きです。

ここ最近ずっと、「チャペル・ローンとビウリー・アイリッシュとチャーリXCXがチャートの上位独占するような状況はエキサイティングだ」という話をここでさせていただいてます。すごく満足です。

ただ、僕の本音としては、ここからもう1ステップ欲しい!

「ここが満たされたら、もう言うことはない」ことがまだ1点残ってます。

それは

「女の子がロックバンドをやること」に価値観をもっと見出して欲しい!


これを切に感じています。

これは日本人の方がわかりにくい感じかもしれません。なぜなら

一昨年にここでも書いたようにですね、今、「女の子がロックバンドをやる」ことに関して最も寛容でかつ盛んなのは日本なんですよね。普通に女の子のバンド、あるいはロックシンガー、あげることできますよね?

これがですねえ、まだアメリカではですね、ブームとしてもやってきたことないんですよ!というか、あったとしても、それが大きなヒットになかなか結びついていないのが現状です。

で、これも去年ここに書いたんですけど、昨年くらいからイギリスではガールズ・バンドのブームはきてます。

ここ1、2年、女性のインディのロックバンドからもかなりいいアルバムが出ています。ただ、悲しいかな、それがヒットチャートにかすりもしていない状況があることは否定できない。

その一方で、チャペルとかのブレイクがあるわけでしょ?この間の溝がどうにか埋まっていかないものなのかな、というのを僕は今、考えているところです。

僕として歯がゆいのは

チャペル・ローンの人気が凄く出てきてはいます。ただ、彼女への評価を見てると「New Gaga」とか、そういう言い方が目立つんですよね。その要素ももちろんあると思います。ドラッグクイーン的な見せ方もしているわけですからね。

ただ、やっているサウンド自体は全然違います。そこのところを見れている人が今、欧米の批評家でさえ少ない。そこが凄くむずむずするんです。

なぜなら僕がチャペルのこと凄く気に入った要因の中には

実はライブの構成がかなりロック的なんですよ。バンドは彼女以外はギター、ベース、ドラムの3人だけのシンプルなロックバンド編成。そして上の写真見てもわかると思うんですけど、パフォーマンスとしてもかなりロック的なムーヴを取り入れてるんですよね。そういうところが僕をさらにくすぐってるわけなんです!

チャペルってライブ・パフォーマンスでお客さん集めてる話はここで既に何度かしてますけど、だとしたら、もっと女性がロックすること、バンド組むことにももっと目を向けて欲しいわけですよ。

今の時代、フィービー・ブリッジャーズやミツキみたいな典型的なインディ・ロックやってた人たちまでもがサッドガールズなんてくくりで売れるきっかけつかんだのは僕も嬉しいんです。ただ、ファンの人たちが歌詞の話ばかりするのを見るのも、これまた複雑なものがあるんですよ。

もっと音楽なんだから、サウンドだったり楽器演奏だったり、そういうものにも興味を示して欲しいんですよね。今、時代がインディ・ガールズの方に来てるのはすごく嬉しいんですが、そこまで踏み込んでいかないとブームが終わった後にカルチャーとして残るものが少なくなるんですよね。

僕としてはやはり

The Last Dinner Partyはもっと注目さて欲しい!

彼女たち、イギリスではすでにビッグで、アメリカでもライブハウスクラスなら売り切るくらいの人気はあります。ただ、まだその輪が大きくない。圧倒的なライブ・パフォーマンスをする能力があるにもかかわらずですよ!

フジロックでも十分アピールしたアビゲイルの安定したパワフルなヴォーカルとか、エミリーの女性ギタリスト史上最強級のテクニックとかあるのに、そういう側面は見てもらえず、ただ単にリードシンガーが歌詞で言ってることへの共感だけで済まされるのなら、そんなのあまりに寂しいじゃないですか。

ただ、僕は実はそこまで悲観していません。なぜか。それはTLDPがチャペルと同じレーベルのレーベル・メイトだから。その部署が今回、チャペルで相当儲けたでしょ?そのお金をTLDPの次のアルバムの際にプロモーション費用として使ってもらえるのではないか、との期待があるから。

さらに言えばチャペルとTLDP、非常にお互いをリスペクトしてる仲でもあるんですよね。コラボのタイミングも近いんじゃないかと思ってるところです。

あと、僕が推したい人たちに

このザ・ウォーニングというバンドがいます。彼女たちはメキシコのまだ20代前半の3姉妹によるハードロック・バンドなんですが、一部ではもう押されてまして、ビルボードのアルバム・チャートで58位まで上がってます。

この人たちもライブ、しっかりしててですね。フェスに積極的に参加してたらそれだけで注目されるんじゃないかと思ってます。

このバンドのヴォーカルの子のインスタのフォロー見たら、別にメタラーってわけじゃなくて、パラモアやマネスキン、ミツキ、チャペル、TLDPをフォローするという、あまりにも他人に思えない側面も見せているので(笑)、それで見逃さない方がいいなと思っているところもあります。これくらい柔軟な感じで直感的に好きなものが拾えてるのは将来的な期待もできます。

あと、この他にも「もっと注目してよ〜」と思う女の子のバンド、ロッカー、かなりいるんですよね。

このマネキン・プッシーなんて最高のガールズ・ロックンロール・バンドで、今年の上半期に出たアルバムも絶賛続きだったんですけど、チャートに縁がない。すごく惜しいんですよね。

今後に出るものだったら、この人たちも2作前から注目してます。オーストラリアのアミル&ザ・スニッファーズ。ツアーではフォンテーンズDCのオープニングに抜擢されるくらい、評判と信頼もあります。10月に新作出ますけど、イギリスだけでも売れないかなあと思ってます。

この辺だけだと腕っ節強そうな感じですけど、何もそういうバンドだけに期待したいわけではなくて

おしゃれなとこだと、西海岸のラテン系インディバンドのザ・マリアズですね。彼女たちのアルバムもビルボードでトップ20入るくらい人気あって、今フェスで見たい人たちの一つになってますね。

それから、このBlame Brettって曲がストリーミングでロングヒットしてるカナダのビーチズですね。別の曲でヒットが続けば可能性あるかなと思ってますけど。

あと、アメリカのインディでは圧倒的に評判のいいウェンズデーですよね。来年の頭にサマーソニックとロッキングオンの新フェスでやってきますけど、もうレビューでの評判は間違い無いんだから、あとはヒットですよね。それがどういう形で起こっていくか。所属レーベルがミツキとかフィービーと同じデッド・オーシャンズなので、期待はできるんですけどね。

あとビーバドゥービーの新作が想像以上にバンドサウンド濃厚なギターロックだったことも気になってますね。彼女も今回のアルバムで全英1位になっただけでなく、全米でも34位まで上がってきました。ちょっと世界的に芽が出つつあるんですよね。

今のチャペルのブームから、こういうところに人気が世界的に及ぶようになっていけば面白いと思うんですけどねえ。




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