映画賞シーズン到来直前。オスカー2025のノミネート有力作品はこれだ!
どうも。
11月の終わり頃になると、この企画、いつもやっています。もちろん、今年もやります。これです!
はい。来年のオスカーの予想です。いつもその前哨戦が12月に入ってから
すぐに始まるんですよね。本格化し出すのが来週の中くらいですね。12月3日、水曜日にニューヨーク映画批評家協会賞(NYFCC)があって、7日の日曜までにナショナル・ボード・オブ・レビュー、AFIアワードの受賞者発表、ロサンゼルス映画批評家協会賞(LAFCA)と続きます。このタイミングでの全米映画興行成績の際に、ここらの総括をやろうかと思います。そして9日、火曜日にゴールデン・グローブのノミネートがありますが、ここで大体、オスカーのノミネートの大半が見えてきます。
そのあとはクリティック・チョイスとかBAFTAのノミネート、年が明けて三大ギルド・アワード(PGA,DGA,SAG)のノミネートがあった後、1月17日、金曜日にオスカーのノミネートの発表になるのが流れです。
なので、まだ本格的に始まる1週間前ではあるんですが、もう予想サイトの方は活発に動いてて、大体の予想、見えてます。それを今回、ここで示しておきたいと思います。
今度のオスカーでリードしている映画はこの辺りです!
はい。この6本ですね。もう、何見ても、この6つが外れているものというのはまず見ないです。順に追って見てみましょう。
今のところトップを走っているのは、この「Anora」という映画。これは今年のカンヌ映画祭のパルムドールを受賞したことでも非常に話題の映画です。ニューヨークのブルックリンに住むロシア人コミュニティのストリッパー、アノーラの人生を描いた作品。監督はショーン・ベイカーと言って、これまでアメリカ社会のマイノリティの人生を過激に打ち出してきた人で、これまでノミネートを避けられていたところがあったんですけど、これでとうとうオスカー進出。僕はこれ、ちょっと嬉しいんですよね。
続いては「Emilia Perez」。これはトランス女性エミリア・ペレスと、彼女が性転換の際に相談を持ちかけた女性弁護士、彼女の実の娘などが織りなすドラマ。これ、監督がジャック・オーディアールなんですよね。ギャングもの作ってたフランスの大物監督です。こういうの作るんだなあと思って驚いてもいるんですが、これもカンヌで審査員特別賞と主演女優賞を受賞。あの時からかなり話題になっってましたね。
続いては「The Brutalist」。これはブレイディ・コーベットという、まだ36歳の非常に若い監督の作品なのですが、ヴェネツィア映画祭でいきなり2位の銀獅子賞を受賞して一躍話題になりました。これはナチスを逃れてきたハンガリー系ユダヤ人の第二次大戦後の人生を描いた作品で、エイドリアン・ブロディとフェリシティ・ジョーンズが主演です。これ、大作で3時間30分あることでも話題です。なんかトイレ休憩があるらしいと聞いてホッとしてますけど(笑)。
続いては「Conclave」。コンクラーヴェというのは、ローマ法王を選ぶ教皇選挙のことなんですけど、これ、実話に基づく話かと思ったら、それをネタにしたサスペンスです。主演をレイフ・ファインズが務めてます。監督はエドワード・ベルガーと言って、一昨年に「西部戦線異状なし」のリメイクをNetflixで作ってオスカーにも作品賞始め沢山ノミネートされたドイツ人監督です。
これ、思ったよりヒットしてないので、そこがやや不安要素ではあるのですが、何見ても入ってることは入ってるのでいけると思います。
そして「デューンPart2」。これは評判はすごくいいんですけど、いかんせん公開タイミングが今年の初めの方だったので見た人の記憶が少し古くなっているきらいがあったのですが、ノミネート予想からは外れてないですね。やっぱ監督のドゥニ・ヴィルヌーヴに対しての信頼感の高さゆえかな。
そして現在大ヒット中の「ウィキッド」ですよ。ミュージカルの場合、貴重な存在なので批評の点数が少々劣っても歓迎される傾向があるんですけど、これは本当に見事ですよ!特にびっくりはアリアナなんです!すっごい歌唱力ですよ。彼女のこれまでの作品で聞いたことない声で歌ってますから!
公開後に、興業の成功もあって「これはもう、オスカーのノミネート、決まりだろ!」の声も高まってきていますが、僕もそれに関しては疑っていません。
この6つまでが作品賞、並びに監督賞の5人もここから選ばれるだろうな。それくらいずば抜けてると思います。
ただですね
作品賞って、毎年9〜10作ノミネートなんですよ!
ここがまだ埋まってない状況なんですよね。果たして、この後に何が来るか。それがちょっと現状だと見えにくいんですよね。
まずは「グラディエイター2」。これはノミネート硬いという声もあったんですけど、興業で「ウィキッド」の半分くらいなのと、加えてこれ、見た方はお分かりだと思うんですけど、あまりにも「ゲーム・オブ・スローンズ」とイメージかぶりすぎるんですよねえ。主演のポール・メスカルは一般にもニュースターの誕生を印象付けてるんですけどね。あと、デンゼル・ワシントンもすばらしくはありますけど、どうかなあ。
続いては「Blitz」。オスカーにはとても愛されるシアーシャ・ローナン主演のアップルTVの戦争映画。監督は「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マックイーン。良い条件は揃ってるんですけど、批評が思ったほど伸びないんですよね。
スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルは初の英語作品「The Room Next Door」でヴェネツジアの金獅子賞を受賞していますが、僕もこれ見てますけど、いかんせん地味だし、アルモドバルの作品としても、彼ならもうちょっとなんかできたんじゃないかと思わせるもどかしさがあるんですよね。W主演のティルダ・スワンソンとジュリアン・ムーアは女優部門でかかりそうですけど。
今言及したあたりが今ひとつピリッとしないのでインディで評判がいい「Sing Sing」「Nickel Boys」「 A Real Pain」あたりにチャンスでてきたと見る人もいますが、どうでしょう。
口コミで話題になってますカルト映画「The Substance」にもチャンスあるのでは、との声を聞きます。これは僕もすごく前から話題にしたい、まあ、凄い映画なんですけど(笑)、久々に話題を作れてるデミ・ムーアの主演女優賞ノミネートは僕も願いたいです。
当初、オスカー向けでは話題になってなかったティモシー・シャラメのボブ・ディラン伝記映画「Complete Unknown」にもチャンスあるのでは、という声も耳にします。
そして、国際長編映画賞を起点に、これもバズが高まっているのは、僕の住むブラジルの映画「Ainda Estou Aqui」。これはヴェネツィア映画祭の脚本賞を受賞した映画なんですけど、これのバズがアメリカでも高くなってるんですよね。この主演女優のフェルナンダ・トーレスのノミネートもあるのではとも言われ始めてます。
・・と言った感じですね。
まだ、見えにくいところはあるのですが、だいたいこの辺でくるのではないかと見ています。