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上半期最大のサプライズ! 僕も「トップガン マーヴェリック」に感動した6つの理由

どうも。

昨日、やっと見てきましたよ!

はい。「トップガン マーヴェリック」。こっちも世界同時公開のうちに入っていたので日本と公開タイミング同じだったんですけど、僕が4月から骨折してたもので、見に行くの遅れてたんですよね。こっちは公開の引き上げ早いので「劇場では断念かな」と半ば諦めていたのですが、大ヒット御礼につき、まだ余裕で1日4回まわしとかやってますね。今週で公開6週目だったんですけど、まだ席の半分以上、埋まってましたからね。あの光景を見て、「ハンパない人気なんだな」というのをサンパウロでも実感しましたね。

 「トップガン」というと1986年、僕が高校2年のときの映画です。もう、あの当時映画そのものも象徴的な大ヒットをしたし、音楽的にもケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」もベルリンの「愛は吐息のように」は日本でもものすごく巷に流れていたものです。だから僕ら世代には非常になじみの深いものです。

 ただ、「映画として、そんなに上等な映画だったか」と問われると、それは微妙な映画でもあったんですよね。それはこの映画が「この当時の技術的なギミックで見せるタイプの映画だった」から。それは飛行機の飛ぶ映像だったり、飛行機に伴う特殊な録音技術だったり、高音質のシンセサイザーによるサウンドトラック、そしてサントラ挿入曲の連打に次ぐ連打だったり。映像的にもトム・クルーズを筆頭にしたイケメン集合で、特にビーチバレーのシーンでのムキムキぶり。あれも人気の決め手のひとつだったんですよね。そういう「聴覚、視覚」で圧倒した映画の印象が僕自身も強かったし、僕の周囲の反応も実際そうでしたよ。「話の筋で感動した」という話は正直なところ聞いたことがなかったんです。

 だから、今回の「トップガン マーヴェリック」に対しての世界的な大絶賛って僕には不思議だったんですよ。「あの、1986年の映画から、いったいどうやったら、ここまでの批評的絶賛を勝ち得る作品になりうるの?」。それが不思議だったから。ただ、僕が映画や音楽を鑑賞する際に信頼している人たちもこぞって絶賛(否定してる人は誰一人いなかった)してたので、「これはぜひ見てみたいな」と思っていて、幸いにもロングランゆえ、歩けるようになったタイミングで見に行ったわけです。

 そしたら

ええええ!!!


と、僕もビックリなまでに感動してしまったわけです。

その理由をあげていきますね。

①話がすごくエモい方向に振り切れていた。


まず、ひとつは、ストーリーがすごくエモーショナルな方向に振り切っていたことですね。1986年の作品の方では、ケイト・マッギリス演じる女性教官とのロマンスや、親友グースの死はあるものの、内面描写が薄かったせいで、そこまで引っかかってはこなかったんですよね。

 でも、今回の映画では、一貫してグースの死が心の奥底で払拭しきれず、それに苦悩するマーヴェリックの姿が映し出されます。この、「心の中の楔」に苦悩するマーヴェリックを、今のトム・クルーズがすごく巧みに演じていたというか。それひとつだけでストーリーに大きな筋道ができてたんですよね。

このグースの息子、ルースターとの愛憎劇、ここにすごく見応えがありました。このマイルス・テラーといえば、かの「セッション」でジャズの先生と壮絶な心理的戦いを挑むドラマーとして知られている人ですが、そういう年長者との半目演じさせたらやはりうまいし、マーヴェリックとのつばぜりあいにも迫力ありました。

②アイスマンの反則なまでの泣かせ技

そして、ふたりの反目を遠くで見守っていた設定のヴァル・キルマー扮するアイスマンの立ち位置。これ、卑怯です。ボロ泣きしたじゃないですか(笑)!

ヴァル・キルマーが声を失ったことは、昨年アマゾン・プライムでリリースされたこのドキュメンタリー「VAL」で僕も知ってました。だから、この「トップガン マーヴェリック」に出演と聞いて、「どうやって?」と思ってたんですね。でも、この映画では、その辺の事情を隠さず、今の彼がやれることをそのままやってるんですけど、「おい、嘘だろ」って感じの精一杯の演技なんですよ。もう、泣かずにいられなかったですね。あの数分だけで、オスカーの助演男優賞ノミネートされていいとさえ思いましたからね。

③36年の空白を手短に説明するロマンス


あと、ジェニファー・コネリー扮するペニーとマーベリックのロマンスもすごくいいと思いました。これに関しては「なくても良かった」という意見もたまに見るんですが、とんでもありません。彼女が出てくることで、オーディエンスが知らない「マーヴェリックの36年の空白」が垣間見れるわけですから。だって、こんな美貌を持ったマーヴェリックが「36年間、夢中で空ばっかり飛んでました」なわけ、ないじゃないですか(笑)。私生活だってオーディエンスは知りたいわけですよ。でも、その誰も知らない過去を紹介し始めてたら、それこそ何時間あっても足りないわけで。そこを、このロマンスを出すことによって、架空の過去をオーディエンスに想像させる。このやり方はすごくうまかったと思います。こういうとこも含めて、ドラマが増えてるのもすごく好感持てましたね。

④後半の、怒涛の痛快ハラハラのアクション

 
そして、中盤までをこうしたエモい人間ドラマで展開しながら、後半はいかにも「トップガン」らしい、スリリングなアクションの連続。それこそ本来のこの映画らしい、最新技術を駆使してのど迫力で迫って、映画一番の見どころとなっています。

 そこにマーヴェリックとルースターがどうなっていくかの過程、そして、破天荒なマーヴェリックに反目していた空軍の上司のジョン・ハムの態度の変化が描かれる。このあたりのプロットはお決まりではあるんですが、そこも非常に上手に描いてましたね。

⑤ファンダムが狂喜乱舞しそうな完璧すぎる脚本

このように、これ、脚本の流れが、あまりに理想的で完璧なんですよ。「マーヴェリックの36年後」を描くのに、これ以上のプロット、ありえないというか。これ、製作者側の「ファンだったら、マーヴェリックの未来がこうであってほしいと願うだろうな」というと予想したものをそのままやってる感じですね。たとえていうなら、ファンで脚本を懸賞で募集して最優秀になった作品を映画化したみたいというか。この「ファン心理の読み」が絶妙なんですよね。

そのあたりがうまくなかったのが「スター・ウォーズ」のエピソード8、9あたりですね。ファンが望むことを製作者側が読めなかったことでしぼんでしまった感じだったじゃないですか。逆にそれがうまかったのが「コブラ会」。そうした「久々の再ブート」の例を見て、「トップガン マーヴェリック」の製作陣が慎重に考えた結果、今回のがあるんじゃないかな。

⑥トム・クルーズの役者人生をそのまま投影したマーヴェリックの生き様が与える勇気


でも、上記のことがありながらも、それもすべてトム・クルーズがマーヴェリックを完璧に演じることが前提なんですが、これが想定以上の出来なのが感動的なんですよね。

1986年のときから、マーヴェリックというのは「天才的才能にあふれたパイロットなんだけど、思い余って突っ走りすぎるのが玉にキズ」なキャラクターです。そして、その「行き過ぎキャラ」が36年経っても全く変わらないのがこの映画の魅力です。そしてそれを、「みんながもう年だというが、おれはまだまだ全然元気だぜ!」というのを実際に証明してみんなを驚かせる。それが、「役者トム・クルーズの実像」とダブルから、余計にエモーショナルになるんですよね。

そのことを彼は「MI」シリーズのイーサン・ハントで既に証明してますよね。あれは彼がシリーズを追えば追うごとに、自分の体に鞭打ってアクションの生々しさを高めて、どんどん人気になっています。それと同じことを彼はマーヴェリックにも投影させることができた。そのことに素直に感嘆してる人が世界中に多いんですよね。これ、間違い無いと思います。今回のマーヴェリック役でオスカーの主演男優賞にノミネートされても文句無い。僕もそう思いますね。

 ちなみに今日7月3日で、トム、還暦なんですよね。40年近く主演俳優張り続けて、円熟を迎えるどころか、まだまだ若々しさをアピールする。なんかミック・ジャガーみたくなりつつありますが、今後の彼に期待したいと思います。










































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