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ロックの現役が80歳まで伸びた時代に思うこと
どうも。
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ポール・マッカートニーが80歳になりました。それだけじゃありません。
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明日20日にはブライアン・ウィルソンも80歳になってしまいます。
とはいえ、彼らは引退をしているわけではありません。まだ現役で歌っているどころか、ステージにさえ元気に立っています。
それだけじゃないですよ。来年になればミック・ジャガーやキース・リチャーズもその年齢に達するわけですからね。そういう人たち、しかもカルチャー史に名を刻む大物たちがまだ現役というのはすごいことです。
思えば僕が小・中学生の頃、当時人気だったアーティストって30代の人が多かったんですよ。で、まだその頃は40に達したアーティストがいなかったものです。
覚えているのは
この曲が売れてる時に「ミック・ジャガー、38歳なのにすごい」なんて言われてましたし
これが売れてる時は、「あの空前のアイドルだったポールも40になった」なんて言われ方をされていたものです。
実際、あの頃は40過ぎたロック・ミュージシャンなんて誰もいなかった。だからこう思ってたんです。「ああ、この人たちもスポーツ選手みたいに、みんな40過ぎたら引退するんだろうな」って。すごく恐れてたんですよね。
たしかに80年代の後半くらいには40過ぎて勢い落とすアーティストは増えましたが、幸いにしてステージ活動をやめるような人はいなくて。そうかと思うと、50近くになってキャリア盛り返すような人まで出てきたりして。そうしてアーティスト寿命が次第に還暦まで延長され、それがやがて70、そして今日こうして80にまで延長。つまり、生涯ビジネスになったわけです。
ただ、これで思うことがふたつあります。ひとつは、「かつて若者の象徴だったロックが、今や中高年の音楽になった」ということです。そりゃ、伝説を作った存在が70、80まで健在に活躍すればそういうことになりますよね。ロックどころか、今やメタルもそういう存在、というか、前もアルドロック・フェスの記事でも書きましたけど、あの世界は年功序列がいきすぎて下の世代が育ちにくくなっているから、ロックの中でもエイジングがきつくなってたりするくらいですからね。
それに比べると、ヒップホップとかエレクトロは、まだラッパーやDJにそこまで歳食った人がいない世代じゃないですか。70歳のラッパーとかDJとか聞かないでしょ?せいぜいまだ50代くらいではないかと。まあ、この世界もあと20年もすりゃ、わかんないと思いますけどね。「次に年取るのは君たちだよ」と言っておきます(笑)。
あと、どんなに高齢で健在でも、悲しいかな、「死」というものは誰もが避けられるわけではありません。いつかはやってくるもの。そう考えると、「終わりは近く」と思って悲しくなります。そういうとき僕は
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映画界のことをよく考えます。冷静に考えてそうですよね。だって、ハリウッドの黄金時代って、30〜50年代。ロックがさしずめ60〜90sって言われるからまんま30年くらい先の存在なんですよね。
そして30年代のスターなんてみんな物故者ですよ。キャサリン・ヘップバーン、ジョン・ウェイン、ケイリー・グラント、ベティ・デイヴィス、スペンサー・トレイシー、ジェイムス・スチュワート、クラーク・ゲイブル、ヴィヴィアン・リー、イングリッド・バーグマン、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒ・・・。誰一人として生きてないじゃないですか。生きてたら彼ら、みんな100歳以上ですけどね。
今思い返すと、僕が小・中学生の頃が、こういう映画のレジェンドたちの訃報をよく聞いたんですよね。だから当時思っていたものです。「映画って、すごい古い産業なんだな」って。ひょっとしたら、僕の息子、娘たちは今ロックスターたちの訃報をそんな風にとらえているのかもしれません。
でも、よくよく考えてみたら、ハリウッド最初の黄金期のスターたちがこの世を去ったからといって、映画が終わったわけじゃない。そんなことさえ忘れて、映画産業は続いていっているわけじゃないですか。
そう考えると、今、齢80を迎える人たちが続出しても、僕たちは恐る必要はない。ロックは続いていきます。ポップ・ミュージックの中での立ち位置はかげっていたりするかもしれませんが、絶えることはありません。さっきも言ったようにヒップホップやエレクトロが年取っていけば立場変わらなくなるので、そのときも何かあるはずでしょうからね。
必要以上に喪失を考えず、「文化を面白くしてくれるレジェンドたちがまた現れるよ」と楽天的に考えて生きていきたいなと思ってます。