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新春企画「2024・ロックなら、もう戻ってきてるぞ」①気づかぬ間にヘッドライナー!?キミは「ノア・カーン」を知っているか?

どうも。

2024年の当note、最初の企画は今年の展望っぽいことをやってみたいと思います。こういう企画って、noteではおろか、前身のブログ通じてもはじめてなんじゃないかな?こういうのってやったところで当たらないこと多いし、やることにあまり意味を感じなかったりもして。

ところが今年は最初から思い当たることが結構ありまして。そこで今回、今年に入って最初の週という非常に早いタイミングではありますが、やってしまおうかと思っています。

企画のタイトルはズバリ、「ロックなら、もう戻ってきてるぞ」。これまで、「ロックが戻りそうな予感」に関して特集をよく組んで来ました。その中には、マネスキンやオリヴィア・ロドリゴに関してのものもあり、自分でもかなり有意義だったと思っています。

ところが、もう今回はズバリ、「ロックならもう戻ってきたんだ」ということで、思いきってやってみようかと思っています。

まず、今回のお題はこちらです!

はい。顔を見ただけでこれが誰か分かる方は、かなり最近の世界の音楽情報に通じた人だと思います。彼はノア・カーン。ジャンルに一切関係なく、現在、世界でも屈指に売れているアーティストの一人です。

 そんな彼が幸いにして、「ロック」にカテゴライズされてしまったので、今、アメリカのロック業界、急に盛り上がってきてるんですよ!今回は、そのことについて話していきましょう。

まずはヒットしている曲を聴いてみましょう。

まずはチャート的にこの2曲が大ヒットしてます。特に下の曲はSpotifyのデイリーのグローバル・チャートで最高位10位。昨日付けのチャートでも18位。アメリカのアーティストでありながら、イギリスでも最高が2位で、最新のチャートで10位。しかしクリスマス・ソングに押されてその結果だったので、まだトップ狙えるのではないかと言われています。

そして、

このアルバム「Stick Season」が英米で共にトップ10入り。しかも最新のチャートでもイギリスで8位、アメリカで16位。しかもクリスマス関係をまだ含んでこの数字ですから、ここからさらにはやっていきそうな感じです。

 このアルバム、僕、かなり好きなんですけど、年間ベストに入れることはできませんでした。なぜならこのアルバム、発売そのものは2022年10月なので。彼は所属はメジャー・レーベルなんですが、これまで2枚出したアルバムは結果が出ず。3枚目のこのアルバムもリリース当初は全く話題になっていませんでした。

しかしですね、これがじわじわと人気に火がついたわけです。

伏線になったのは、これ以前に出たシングル「Hurt Somebody 」がtik tokでバズったことなんですね。

これから彼が、すごくメンタル・ヘルスに強い意識のあるシンガーソングライターで有ることが知れてジワジワ人気が水面下で出たんですね。それで上にあるような曲も人気になって。

そこに目を付けたレコード会社が発売8ヶ月という異例のタイミングで新装で出し直したんですね。すると、このアルバムは突然全米3位で初登場。イギリスでもトップ20入りするという異例の現象が起きたんです。

それ以降の数ヵ月間、このアルバムはチャートから大きく落ちずにランクインを続けます。このチャート・アクションでさらに多くの人が彼に興味を持ち、ストリームが一般の音楽ファンの間で進んだのです。

オリヴィア・ロドリゴが10月2日、ちょうど彼女の最新アルバムの「Guts」が出たタイミングでBBCラジオのセッションで「Stick Season」をカバーしたんですよ。そしたらこれが話題になりまして、人気がうなぎ登り。イギリスで人気に火がついたのはこれが理由です。

そしたら、ここからはレーベル側も押せ押せになってですね

「Dial Drunk」をポスト・マローンとのデュエットで出し直したら、これがアメリカのラジオで大ヒット。ビルボードのシングルで20位台のヒットになります。

ノアはホージアとも別の曲で新録のデュエットを行い

そうかと思えば、カントリーからロックにアプローチして現在大人気のザック・ブライアンとはザックの曲に呼ばれてデュエットするは。こうして交遊を深めていきます。

こうした輪が相乗効果に拍車をかけて人気がどんどんうなぎ登りになっていったわけです。

  このノア・カーンですが、1997年生の26歳。出身はアメリカの北東部、ボストンあたりが近い寒い田舎のバーモント州。そんな彼が下積みから一瞬の運を掴んで一躍スターダムに上がっていったわけですが、では、彼が成功していった背後にどんな理由があったかを説明していきましょう。

①ロック系のラジオ局で白羽の矢が立って、曲をかけてもらってスターに

まず、彼の場合、ロック系のラジオ局が味方についたのがすごく大きいです。近年のアメリカでのロックのブレイクは予期しないパターンが多く、聴いてる側が気づかないうちにヒットのパターンが多いんですね。2021年にはディズニー出身のアイドルのはずだったオリヴィア・ロドリゴとユーロヴィジョンに出場して優勝したことでマネスキンが話題になったでしょ?2022年にはカントリーの新人として紹介されたはずのザック・ブライアンがロック系のラジオ系のリスナーに発見され人気が広がっています。

アメリカでロックの人気を支えている媒体がラジオです。これ、日本人には気がつきにくいポイントですが一般人的にはピッチフォークがどういうかなんかよりはるかにラジオのほうが影響力あるし、ここがある時期に迷走してたのでアメリカでのロック人気が陰ったのです。

そこを最近はマネスキンが人気出たりしてアメリカのラジオでも人気なんですけど、なぜかオリヴィアやザックに関してはまだアメリカのラジオ、躊躇するんですよ。ハリー・スタイルズも人によってはロックと見なすのに。これらに関しては否定的な反応恐れてかけなかったりするんですよ。

そこをノアは抵抗なくロック系のラジオでかけられてるんですよね。このノア人気に乗じてだんだんラジオ局の勢いも出てきつつあってですね。一番直接的にはフォークで、その場合、ポップ局にも回すことも可能だったんですけど、ロックがとっていきましたね。

②エド・シーランにとって代わる存在としてちょうど良かった

あと、ノアが出てきたタイミングって、偶然にもエド・シーランの人気急下降タイミングと被るんですよね。

それこそ、エドもフォークでしたけど、最初からポップ狙いで、しかも作品が進むたびにフォークの原型さえない感じになっちゃいましたよね。それで飽きられてきたのか、それまで何だしてもバカ売れだったのに、ここ2作くらいが嘘みたいに売れてない。

そこに対してノアは、同じフォークでもアレンジはよりインディ・ロック的だったりもして。音の作りがそれっぽいんですよね。ストロークスみたいな感覚がときどきあるというか。「ああ、こっちの方が良いじゃない?」となったらファン層も移動しやすいですよね?僕、これが起こってるんじゃないかと思ってて。すごくありうる話だと思っています。

③サッドガールならぬ、サッドボーイズ系だった!

あと、興味深いことに、ノア、「サッドボーイズ系」としてウケてる側面もどうやらあるらしいんですよね!

以前から、フィービー・ブリッジャーズやミツキ、クレイロといったインディの女性のシンガーソングライター、ロッカーが「サッド・ガールズ系
」として、女の子のダーク、もしくはメランコリックな心情を歌う人として人気になってて、それが一つの大きな勢力になりつつあります。

そこいくとですね、ノアにも「Stick Season」という、思い切り失恋の歌があります。この歌が、昔付き合っていた女性へのあてつけっぽくてですね。「その昔は圧倒的に愛してくれていたのに、今ではバーモントで君のお母さんに会っても、僕が誰だか存在しないような態度で接するんだ」という皮肉な内容。

この曲をカバーしたオリヴィア・ロドリゴも自分の失恋を3枚目的にユーモラスに演じて歌う習慣があります。そこにもすごくハマってたと思います。

また、ノアだけじゃなく、ザック・ブライアンもサッドボーイズ系にカウントされてるようなんですよ。もっとも彼の場合、2022年のアルバム名がそのまんまAmerican Heatbreak(アメリカの失恋)ですからね。似たタイプとして捉えられている可能性は大いにあると思います。

④すでにフェスにもヘッドライナーで引っ張りだこ。

こうした急なブレイクで、ノア、今、アメリカ国内のフェスで引っ張りだこなんですよ。これが日本のフェスだったら、「まあ最近出てきたんだから、とりあえずは目立つ位置に出して様子見」となると思うんですけど、なんといきなりヘッドライナーとして呼ばれてるんですよ!





なんと、この4つのフェスでヘッドライナーをすることは決まってます。

そして、ノアをヘッドライナーにすることで、アメリカのフェスが久々にロックっぽいラインナップに戻ってるんですよね。それはまさに、コーチェラがある時期からやってるポップ化に一石投じる役目も担えるのではないかなと思い始めているところです。この中の一つが、ノース・キャロライナで4月に行われるんですけど、コーチェラの2週目の真裏なんですよ。この対決の成否により、アメリカのフェスの並びが一転する可能性さえ含んでいると思います。

こんな感じで、僕自身、これからの勢力地図を大きく変えかねないところまで来たことを実感します。




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