コミュニケーション能力を高める方法あれこれ
BYAF法というものがあるそうです。イリノイ大学が22000人のデータを分析した結果、説得の効果を高める言葉としてこの「BYAF法」を見出しました。
But You Are Free。BYAFはこの頭文字を並べたものでした。「あ、今日は魚がメインにあるんだ。どうする?」イタリアンレストランでコースのメインディッシュを決めるときの会話です。
上司にどうしても説得したい案件があるとき「顧客管理のシステムを導入するにあたりA社の評判がいいのですが、B社とC社もあります。どれがいいと思われますか?」と聞いてみると効果があるかもしれません。
相手に説得したい内容をまず先に伝えて、最後の1行に「But You Are Free(ですが自由に決めてもらっていいですよ)」というニュアンスを伝えるだけで、説得したい内容に対して「YES」が返ってくる確率が2倍になるそうです。
説得したい内容「◯◯」を先に聞かされると、「◯◯」を実行するしないに関わらず少なくとも「◯◯」を実行する自分を想像してしまう。そして無意識に自分に働きかけが起きて「自分で決めた」という感覚を強く残す。BYAF法が強い説得効果を発揮するのはそんな理由からだそうです。
スリーパー効果も「無意識」に入り込む心理効果です。インパクトの強い話をすると、その話が心に残り無意識に刻み込まれて影響力を増していきます。時間の経過とともに無意識下に浸透。やがて相手のメッセージに影響された行動を取るようになります。
「反復」も相手の記憶に忍び込む方法。伝えたいメッセージを繰り返し発信することで説得効果が増していきます。また、伝えたいメッセージを表現や形を変えて繰り返すことで効果は倍増します。3回繰り返すと説得率は46%、10回繰り返すと86%に上昇すると言われています。
「置き換え」も効果的。人は馴染みのある話に置き換えられると、初めての情報でも理解が促進されていくそうです。さらに物語のように話を展開していくとより記憶に残りやすくなります。物語といえば起承転結。上げて落としてまた上げるといった感じでしょうか?
これらの心理効果は、いろんな本で解説されているので詳しくはそれらに委ねますが、こういう効果があると知っているか知らないかで、ディスカッションの成否が大きく変わってくると思います。
そして、コミュニケーション能力が低いと自覚して、それならばといろいろと手探りで勉強を続けていると、知らず知らずのうちに人に対する感受性が高まり、相手の感情を慮った発言ができるようになるのも事実。まずは自覚すること。そして改善するためにがむしゃらに動いていると無意識に変化する自分に気づき、驚くことになるはずです。
久保大輔
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