サッカークラブがつくりだすアルゴリズムは、サッカー好き以外の人にも届いているか?
「今週末、お出かけするならどこへ?」
今日はみなさんへの質問から。
少しだけ想像してみてください。
「今週末、お出かけするならどこへ?」
ご家族で、友だちと、
彼女彼氏と、一人で、、、
場所は、今なら国内か、
国内ならどこへ、近場か遠出か。
食べてみたいものがあれば、
その産地へ。
車で移動か、新幹線か、
サイクリングか歩きか。
100人いれば、
100通りの回答が出てきそうですね。
僕一人で想像するだけでも
なぜか楽しい。
仕事や勉強、家庭など、
日常から少し離れてリフレッシュすること。
自然豊かな、空気のおいしい、
見晴らしの良い場所で、
思いっきり深呼吸するだけで、
感情が開放されて気持ちがいい。
感度は人それぞれ、
それぞれの楽しみ方があって、
それぞれのストレス発散方法がある。
週末は多くの人にとって、
生きていく上で欠かすことのできない
貴重な時間でもあります。
■今週末は
「Jリーグ」が再開されます。
プロサッカーの試合ですね。
僕のnoteを読んでくださっている、
多くのサッカーに興味がない人にとって、
「今週末、お出かけするならどこへ?」
という質問で
Jリーグをイメージした人はほぼゼロ?
「Jリーグって
サッカーの試合を見にいくところでしょ?」
興味がない人なら「だったらいいや」
ってなるでしょう。
「カブトムシ獲りにいきませんか?」
サッカー大好きだけど、
昆虫に興味がない僕に対して、
こんな質問をしているようなもの。
「それはちょっと、大丈夫です、、」
と即お断りです。
■突然ですが、こちらをどうぞ。
1.屋台が無数に立ち並ぶ
2.お酒類の販売あり
3.休憩スペースがある
4.子どもが遊べるコーナーがある
5.屋根付き(雨、熱中症の心配なし)
6.土曜の11時ごろから15時すぎ
一般的なスタジアムが備えている
サッカー以外のコンテンツです。
こちらを踏まえたうえで、
4時間のうち、1時間半がサッカー。
あとは「お祭り」に行く感覚で、
彼女や彼氏、家族とか友だちと
一緒にいかがですか?
と聞かれたら
どうでしょうか?
サッカーに興味のない皆さんでも、
「暇だったら行ってもいいかな?」
ってなりません?
「カブトムシ獲り」だけではなく、
カブトムシ獲りの「ほかに楽しみがある」
という環境だったら、
僕もカブトムシ獲りにいく可能性は
ゼロではなくなります。
暇でしかたなく、入場料が無料だったら、
行く可能性はなくはないです。
■こちらご覧ください。
名古屋グランパス、
というクラブチームのプロモーション映像です。
2年前ぐらいかな?
映像をみるかぎり、
上述した①、②、③、⑤を満たしていそう。
伝わってきましたでしょうか?
サッカーのルールがわからなくても、
なんとなく楽しめちゃう雰囲気。
そしてご覧の通り、
若い年代の来場者が近年増えてきて、
平均の来場者数は20,000人ぐらい。
20,000人ってこれぐらいだそうです。
J1リーグは18クラブあるので、
毎週、日本全国にある9つの試合会場で
これぐらいの人が集まっている感じ。
なかなかないんじゃないでしょうか?
安定してこんなに動員する
場所やイベントって(野球ぐらい?)
なので、
ひょっとしたら皆さんの
お友だちやお隣さんも、
ひそかにスタジアムに足を運んでいる、
なんてことあるかもしれませんね。
「石を投げれば坊主にあたる」
ではありませんが、
石を投げればサポーターにあたる確率は
そんなに低くないかもしれません。
■さて、
集客をすることは、
Jリーグ各クラブにとって重要な経営課題。
たくさんのファンをつくり、
チケットやグッズを販売することはもちろん、
スタジアムが満員になることは、
ユニフォームや看板に
広告料を払っている企業にとって
見逃せない結果です。
クラブ側からすると、
毎試合これだけの人が
看板を見ていると言えれば、
広告料の増額もお願いできるでしょう。
そして今年はコロナが直撃。
クラブの存続を脅かしかねない事態
が続きました。
約100日間も
試合ができなかったのです。
■サッカーを奪われたサッカークラブ。
翼をはぎとられた鳥のように、
アイデンティティを失い、
大空を飛び回ることができない。
そんな苦しい状況を乗り越えて、
はい上がろうとしてようやく、
今週末のリスタートにたどりつきました。
もちろん「無観客」であり、
まだまだ道半ば。
安心できる状況では決してありません。
そして、コロナを受けて
ただただやられっぱなしでいいわけがありません。
この事態をいかにプラスに、
ポジティブな解釈を与えて、
力強く復活していけるかが
クラブに課せられた
今後の大きな課題
だと思っています。
■先述したように、
クラブのお客さんは僕のような
「サッカー大好き」な人ばかりではありません。
今のところ、サッカーに
それほど興味のない人たちに対して、
日常を忘れて、感情を開放させて、
非日常や臨場感にワクワクする瞬間を
いかにして提供してあげられるか。
サッカーを奪われても、
サッカークラブの価値は損なわれません。
サッカーは、もちろん
最大にして最高のコンテンツ。
でも、
4時間のうち2時間半は
サッカー以外のことで楽しめるのが
スタジアムの魅力でもある。
サッカーを奪われた今だからこそ、
サッカークラブの「理想」を見つめ直し、
必要とあらばデザインし直して、
サッカーに依存しすぎない世界観を確立し、
具体的な現実におとしていく。
コロナのような天敵が
またどこかで襲ってきたら、
それをどう回避すればいいのか。
サッカー以外のコンテンツを
どのように魅せていくのか。
それこそがクラブにとって
大きなビジネスチャンスになるのではないか。
■「今週末、お出かけするならどこへ?」
いよいよJリーグが再開されます。
海外サッカーはすでに再開され、
無観客試合のもの足りなさは承知済み。
純粋にサッカーの技術や戦術を楽しむこと
に意識をシフトしていきたいと思います。
でもこうなっちゃうともう、
「サッカーオタクしか楽しめないじゃん」
そんな声なき声も
聞こえてきそうですが、、、
■「Jリーグ」といえば、
スタジアムや緑のピッチ、
カクテル光線で映える選手の表情、
はげしいプレー、華麗なテクニック、
鮮やかなフリーキック。
サッカーはご無沙汰、という年配の方なら、
「オーレーオレオレオレー」という
25年前に使われていた音楽
を思い出すかもしれません。
去年はじめて行った、
というご家族的には、
「食べて飲んでゆっくりできる場所」
といった意外なイメージ
を思い浮かべるかもしれません。
サッカーはまったく興味なし、
という人でも、
「Jリーグ」という言葉を
聞いたことがない人はいるのかもしれませんが、
サッカーというヒントを与えれば、
それなりのイメージができるものです。
■そう。
サッカークラブがつくりだすアルゴリズムは、
サッカー好き以外の人にも届いているでしょうか?
コロナで傷ついた翼を再び、
大きく生き生きとひろげて
大空に飛び立っていく。
そのためには、
たくさんのファンの支えが必要であり、
サッカー大好きなたくさんの人々と
そうでないもっともっと多くの人々が
スタジアムにあつまり
クラブを中心にしたコミュニティをつくり、
どんなときでも
何が起きても手を差し伸べてくれる。
そんな世界を創っていきたいなぁと
再開を前にしてしみじみ感じている次第。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました!
がんばろうJリーグ!
それではまた明日。
おつかれっした!