研究内容を記録していきます
以前より、
考えては逡巡し、また思い返してはとどまり
の繰り返しでなかなか再開できなかったブログ。
昨今の世界情勢によって生まれた
膨大な時間が背中を押してくれました。
過去ログは一旦削除。
まっさらなnoteを使って研究の記録を行います。
おそらく来年3月に晴れて
「博士」となり、
まだ何も決まっていませんが、
来年はどこかの大学で教鞭をとります。
あわせて事業を開始していよいよ、
長年温めてきたプロジェクトをスタートさせます。
もちろん吉本興業での仕事も継続しつつ
サッカークラブのコンサルも
行っていく予定です。
博士論文を提出しても、
私の研究は永遠に終わりません。
研究の軸足は、
大学からビジネスに。
その準備を粛々と進めていくわけですが、
note再開はその一環というわけです。
かねてより抱いている問題意識は
スポーツクラブ(主にサッカー)の
「経営のあり方」
スポーツクラブという競技団体が
どのような言語(ビジョンや方向性)を紡ぎ、
継続的に発信しているのか。
そしてどんな成果が生まれるているのか。
発信内容は、
スポーツクラブの意志そのもの。
経営者や従業員が、
日ごろどんなことを考え、実践しているのかは、
ウェブサイトやSNS、営業トークや資料など
あらゆる発信媒体に表現されているはずです。
そしてその表現内容に疑問を感じることが多々あり、
研究テーマに据えて日々、
様々な文献を読み、
自分自身にある「違和感」を
解きほぐしていくことがライフワークになっています。
サッカークラブのウェブサイトなど、
発信内容を取り上げて比較(特に日英)をしたり、
文献を参照して
比較に厚みを持たせたり、
ということをメインに、
本noteを更新していきます。
サッカー界の新鮮な「時事ネタ」
を扱うというよりは、
数年、十数年たっても使える、
抽象度の高いロジックを言語化していきます。
時間とともに陳腐化するものではなく、
時間がたてばたつほど味が出るコンテンツに。
目新しさや奇抜さはないけれども、
サッカーの仕事に携わる多くの人に転用できる
汎用性の高いブログにしていきます。
有能な選手を獲得して、
最新型のスタジアム作って、魅力的なサッカーを披露すればいい。
サッカークラブの経営はシンプル。
これが王道なのかもしれません。
ではなぜ私が、
「スポーツと言語」
という、なんだか
分かったようなよく分からないような研究を行うようになったのか。
いろんな要因がありますが、
以下書籍に触発されたのは間違いなく、
言語化できず、モヤモヤが晴れなかった
曖昧模糊とした世界に命が吹き込まれるような
「しびれるような快感」
を覚え、今の道に突き進む原動力になりました。
今回少し紹介してみたいと思います。
「ストーリーとしての競争戦略」(楠木建)
何度も読み返し、
プレゼン資料に活用したりもしました。
優れた戦略とは思わず
人に話したくなるような面白いストーリーだ
という一文に
本書の要諦が詰め込まれていますが、
経営者だけではなく、
ファンも地域の人々もみな、
サッカークラブが発信する「ストーリー」を
おもしろそうだと感じて、興味を持って、
SNSをチェックするようになり、
公式サイトにたどり着き、
気がついたらオンラインチケットを買ってスタジアムに。
ストーリーという言語が
顧客の購買動機になるのは、
一見すると当然のことのように思われますが、
サッカークラブの経営者や
ウェブサイト、SNSからはそのような
「熱量」
が残念ながら伝わってこない。
とは言いすぎかもしれませんが、
突き動かされるような
「情熱」
を感じることはそう多くはありません。
「「バカな」と「なるほど」」(吉原英樹)
こちらにも影響を受けました。
バカよばわりされる差別性
他社から軽蔑される差別性
「バカな」戦略の場合、模倣がおくれやすい
という文章を見て
サッカークラブが顧客に提供する
「価値の定義」を再構築すべきでは?
という疑問が増幅されていきました。
多くのクラブが掲げる
価値提供の優先順位は、
有名選手やスタジアム、
勝利といった有形資産に置かれている。
各クラブが発信する内容
(ウェブサイトやポスターなどの画像やコピー)
を確認すれば
そう解釈できなくもありません。
サッカーに今のところ興味関心のない人たちに刺さる
「価値の定義」
は見直されてもいいのでは?
焼き肉屋の看板を掲げるだけではなく、
そこに集まる常連客と従業員の笑顔の背後に肉、
というレイアウト(発信)だと
どういうお客さんが暖簾をくぐってくれるのか?
立ち位置を劇的に変えて、
「バカな」と笑われる戦略を取ってみると
おもしろいことになるかもしれません。
「NETFLIX コンテンツ帝国の野望」(牧野洋)
こちらには、
ネットフリックスのビジネスモデルには
一般には見えにくい部分があり、それが競争力の源泉になっている。
と記されていました。
競合相手のブロックバスターが
「見えている部分」をまねするだけでは、
長期的に顧客価値を最大化させることが
できませんでした。
メディアを通して伝えられる
他クラブの成功事例は、
そっくりそのまま自クラブの活動に取り入れるだけでは
価値を生み出しにくい。
公にされている現象の背後にある
ロジック、その骨組みと構造を研究し、
自クラブにあった肉付けを行うこと。
その結果、目に見えるコンテンツは
まったく違っているように見えても、
論理構造が同じであれば
成果につながる可能性は高い。
そしてその論理構造をつかさどるのは
紛れもない「言語」であるということ。
言語なくして、
模倣による成功はありえない。
そんな示唆をあたえてくれる書籍でした。
まだまだたくさんの書籍、
そして人からも多大なる影響を受け、
「スポーツと言語」
という研究のベクトルが定まってきたわけですが、
これからはそんな研究の軌跡を言語化して、
スポーツ界で活躍する方々と共有して
さらなる成果につなげていきたい。
研究者兼実践者として
スポーツ界の発展に貢献できれば幸いです。
引き続きよろしくお願いします。
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