センスある人がやっている「具体と抽象の往復運動」とは?
元メジャーリーガーが
自身の技術を公開している
というツイートを見ました。
グラウンドで、
スマホを見ながら投球練習をする子どもたち
がイメージできます。
僕も小さいころ、
当時はビデオテープでしたが、
家で動画を見て、メモを取って、
メモをみながらサッカーボールを蹴ってました。
今では、動画は「持ち歩ける」ので
メモを取る必要がなく、
さらに自分のプレーを録画することで、
自宅で復習ができるという付加価値も。
うらやましいぐらい
素晴らしい環境が整っています。
テクノロジーが
スポーツのレベルアップに貢献している
といえますね。
■サッカーや野球
にとどまらず、
さまざまな「正解」が世に出回っていることは
周知の事実。
英語の発音、科学、推薦図書
といった勉強系や、
唐揚げ、ハンバーグ、お寿司、魚やお肉のさばき方
などの料理系は特に人気があるようで、
YouTubeでは、
自己学習用の視聴に
毎日600万時間以上、
料理動画の視聴に
毎日300万時間以上が
ユーザーによって
消費されているという。
昔は手に入りにくかった
知的資産が、
今では手軽に
いつでもどこでも。
「正解」はコモディティ化されました。
■誰もが
「正解」を手に入れられるようになった今、
誰もがリオネルメッシ
(サッカー界のスーパースター)
になれるかというと
もちろんそうではありません。
幼少期から青年期にかけて
天才と称された逸材も、
プロ契約後3年以内に引退、
もしくは現役を続けるにしても
カテゴリー(レベル)をさげる
そんなサッカー選手は珍しくない。
一握りの選手だけが活躍の場を得て、
それに見合う報酬を得るという、
歴然たる「差」が存在している。
ではその「差」を生み出す要因
はどこにあるのでしょうか。
■精神的なこと、
ケガなどの外的要因、
コミュニケーション能力など、
いろいろ思いつきますが、
僕はここであえて、
「センス」について言及してみたい。
では、
センスのある選手とはいったい、
どのように定義できるのか、
について考察してみます。
■センスというと、
なんとなく先天的な、
努力では補いきれない
「天才の領域」
をイメージしてしまいますが、
ここで語るセンスはその限りではありません。
どちらかというと
「後天的」
誰もが事後的に手に入れることができるもの、
とします。
■サッカーの練習では
カラーコーンを置いたり、
ピッチに線を引いてエリアを意識したり、
局面局面を切り取って、
パターン化して、
繰り返し確認して
しかるべき動きを身につけていく。
要はピッチ上の局面を、
抽象化して表現することで、
無数に訪れる具体的な場面
に対応できるように工夫している
(と、素人なりに解釈してみます)
■試合中は常に
「具体的場面」
が訪れているわけじゃないですか?
パスが回る場面も、
相手をドリブルで抜き去る場面も、
失点する場面もすべて
「具体的」に現れる。
で、そういうときに必ず
「要するにこういうことだよな」
という抽象化が
頭の中で整理できて、
そこで得られた「理論」を
頭の中の引き出しに入れる。
この引き出しがやたら充実しているのが
「センス」ある選手ではないかと。
■ビジネスの世界でも、
センスのない人はいつも
「具体的事例」に飛びつく傾向があって、
どこどこのクラブが
こんな企画をしていた、とか、
去年はどうだったとか、
海外クラブはこんなことをしているとか。
あっちの具体を参照して、
こっちの具体にうつろいで、
右往左往、
一向に本質に至りません。
■「これって要はこういうことでしょ」
センスに優れたビジネスマンは、
具体的場面、企画、事例の
論理を見抜き、
過去のストック
(論理の引き出し)を取り出してきては
「問題の本質はどうやらここにありそう。
だからこうすればいいよ!」
といった感じで
めちゃくちゃ具体的な指示が出せる。
ビジネスって常に
まったく同じ場面というのがなくて、
でもセンスのある人、
つまり、
一度自分なりに
ロジック化、抽象化してストックしている人
にとってみれば
「なんとなく通ったことある道」
なので
あたらしい局面においても
確信をもって素早く
的確に行動に移すことができます。
■先述の通り、
世の中は「正解」の宝庫。
いつでもどこでも
誰でも「正解」にアクセスできる時代です。
ということは必然的に
「差別化がしにくくなる」
ことと同義。
誰もが正解を身につけられるとき
どうやって差別化を図るかが
リオネルメッシになれるかどうかの
分かれ道です。
そのときポイントとなるのが
「具体と抽象の往復運動」
ビジネスにおいても
サッカーのピッチ上においても、
息を吸うように
無意識レベルでこの
「具体と抽象の往復運動」
をしている人が
他者と明確な差別化を実現し
大きな成果を残すのでは?
と考えてみました。
■いかにして
過去にストックしておいた
ロジックを引き出して
(骨組みを取り出して)
新事業やプロジェクトに合わせた
肉付けができるか。
似たような事例の
目に見える部分に注目するのではなく、
目に見えない、現象の背後にある
論理を換骨奪胎して、
自らの仕事に移管、
ベースに据えて、カスタマイズしていく。
そんなこんなを考えながら、
「正解」と「正解の活用法」について
思いをいたし、まとめてみた次第です。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます。
それではまた明日。
おつかれっした!