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リブランディングに欠かせない3つのポイント


以前、

すべてのサッカークラブが
勝者」になる世界を創る

と題して、

サッカークラブとサポーターが
共に信じる価値を背景に、

サッカークラブで行われる
様々な仕事をすべて統合し、

全体を構想しながら
経営することの重要性

について記しました。

今日は
この記事を深掘りするために、

どこで勝つのか

に焦点をあてて
価値を再定義する「リブランディング

についてまとめてみたいと思います。

■サッカークラブは「どこで戦う」のか

「なぜクラブを応援しているのか」

サポーターに聞くと、

地元だから、
なんとなく、
いつの間にか、

といった答えが返ってくるケース
は少なくありません。

いちいち考えるのがめんどくさい、
という心理が働いているのかもしれませんが、

同時に、

「よく分からない」

という本音が
なんとなく透けて見える気がしています。

子どものころから
親と一緒にスタジアムに来て、

大人になっても
その「習慣」が染みついている人は特に、

「なぜ応援しているのか」

について深く考えもしなければ、
応援する理由を言語化することもない(できない)

可能性があります。

であるならば、

市場調査と称して
サポーターの声を拾うことに

どれほどの意味があるのかと、
疑問に思わなくもない。


たとえば
自分に置き換えてみても、

外食をしたときにアンケートを求められ、
どれほどマジメに回答しているか。

そう考えると

「顧客の声」の妥当性、信ぴょう性
に懐疑的にならざるを得ない。

なぜなら「テキトー」にやっているからだ。


「私がそうだからサポーターも同じだろう」
と短兵急に言ってしまうのもどうかと思うし、

クラブの発展を思って
一生懸命答えてくれるサポーターはたくさんいると思う。

しかし「回答の質」が
インセンティブに影響するわけでもなく、

というか誰も、質の高低を判断することは
原理的にできない状況下で

どこまで回答者が真剣に考えて
記入しているはちょっと疑ってみたくもなる。

ゼロではないがそう多くはない。

アンケートから導き出される「声の質」
に過度な期待をせず、

潔いあきらめも肝心、
だと思っている。


少し話がそれました。
言いたかったのは、

「なぜ応援するのか」
=「消費者価値」

をお客さんに聞くよりも、

クラブ側が「どんな価値を提供するのか」
について定義するという

主体性
が大事なのではないかと。

もちろん、
クラブの勝手なこだわりを是とすべき、
ということではなく、

コアターゲットを詳細に設定したうえで、

つまり「こういう人がクラブのお客さん」
というイメージを明確にして、

その人たちがどんな喜びを求めているのか、
何を評価してくれるのかを

丁寧に言語化すべきではないか
と思っています。

換言すると、
すべてのクラブには

それぞれオリジナルな定義があり、
「どこで戦うのか」も千差万別。

したがって
「勝ちの基準」も様々であり、

すべてのクラブが
「勝者」なりえると考えています。

■クラブを正しい方向へ

「どんな価値を提供するのか」

を決めるときに
気をつけなければいけないのが、

クラブの事情や善意、
経験によるこだわりを一旦排除すること。

サポーターや地域社会が
本当に喜ぶものと、

クラブが考える「彼らの喜び」は
必ずしも一致しない、

という前提を忘れてはなりません。

また、価値の再定義(リブランディング)
を行うときに必ず通らなければならない道。

それが
上下左右からの「強烈な逆風」です。

短期的な売上の確保や、
個々人の感情の問題など

クリアすべき課題は山積み。

今までの常識をくつがえし、
あらたなゴールを定め、

何を捨ててどこに集中するのか。

クラブの財源は
やりたいことに対して常に圧倒的に足りません。

すべてのお客さんに好かれよう
とすることは戦略がないのと同じ。

すべてをやろうとすることは、
無意味に経営資源を分散させるだけで

成果につながりません。

考えてみれば当然のことなのですが、
しかしながらよく見られるのが

玉虫色の妥協案

マーケットを広く、
マスに攻めることで売上は増えそうに感じます。

クラブ内の調整、
意見の落としどころ、

各々が持つ「利害」を足して人数で割った、
社内政治をうまく潜り抜けたアイデアは

顧客価値に
最適化されることはありません。

消費を介してクラブと接触し、
そのあとに感じる「ネガティブな記憶」は

早々に消えることはありません。

誰にでも好かれようという
呪縛から逃れ、

誰からも否定されない、
といった尖らないサービスで集客することは

相当難しいと思われます。

■貪欲さと打たれ強さ

データに頼らないクラブの主体性、
一方でクラブのこだわりや事情におもねることのない

そんなリブランディングを推進していく
過程において、

へこまされるようなこと、
不安、焦り、孤立感など

胸を締め付けられるような
感情におそわれること、

社長であれ、
リブランディング担当者であれ、

冷たい視線に耐える打たれ強さ
成功に欠かせない能力だと思います。

周りを説得し、
やっとの思いで実施した施策が

見事に大コケして、
絶望的挫折やさらなる孤独感に

逃げ出したくなることも
少なくないでしょう。

しかしながら失敗の本質を分析し、
学びや気づき、成長の糧にする貪欲さ

ポジティブに、
もう一度トライする強靭な精神力
必要不可欠な要素だと思います。

すぐに成果に現れない
リブランディングとはそういうもの、

そんな前提を織り込み済みで

社内スタッフの「行動」と、
「考え方」の両方に刺激を与え、

長期戦で立ち向かう覚悟が
リブランディング成功の秘訣です。


※本稿は以下文献を参考にしました。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門(森岡毅)





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