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周囲の評価を気にしすぎて目測を誤らないように


オフのこの日はぜいたくに読書三昧。3冊ほど読み切ってみました。そして2021年の上半期が終了。個人的には最高に充実した時間を過ごすことができました。とはいえネガティブな出来事も多々あり、そのなかで気持ちを切らすことなく「やるべきこと」に集中し、目標をもって実践できたことが収穫です。

一日ひとつだけ強くなる」の著者、梅原大吾さんはプロゲーマーです。今日久しぶりに(6年ぶり)本書を手に取ってみましたが、うなる文章がいっぱいありました。特に「成果は各場面の、勝ちの総計ではない」という章が好きです。場面ごとの最適解ではなく、全体を見る。押さえるべきところを押さえていれば、場面で失敗しても構わないという考え方です。

会社とか、個人でもいいのですが、「想い」が重要なのは誰もが知っていることです。自分たちは誰なのか?どうなりたいのか?周囲(お客さん)にどんな価値を提供できるのか?を集約した「想い」 そして「想い」を呼びかけるのが経営者、この指とまれで集まるのが従業員、その想いに共鳴するのがお客さまです。

経営は数字と切っても切り離せない概念。自分だけではなく従業員や、従業員の家族も含めた生活を確保するために数字(売上)が必要不可欠なのは論を俟ちません。そしてその概念が逆に、私たちを視野狭窄に陥れて「部分最適」を助長してしまう。それが、各場面で勝ちを狙ってしまう所以

つまり、各場面で成果がなかったり失敗することが、それだけでいちいち悪だということになって、委縮したり、チャレンジができなくなってしまうのは、成果というものを各場面の総計としか考えていないからだと梅原さんは訴えています。「想い」を起点にした全体構想があれば、場面レベルでの失敗は、それはそれで織り込み済み。適度な余白が大胆で果敢なチャレンジを可能にするのです。

バラバラにされた局面や要素というのは、単なるパーツでしかありません。そして、そこだけを見て出てくる答えには、「想い」の視点がない。自社の商品やサービスはどのように社会の役に立つのか。自分の伝えたい「想い」は何なのか?

たとえば、すべての小テストで高得点をとって、期末試験でもハイスコア、そしてAランクの大学に合格するというストーリーは理想ですが、果たして現実的でしょうか?

小テストは事前に出題範囲が決められていて、しかも範囲が狭い。数時間気合を入れて暗記すれば高得点は取れるでしょう。期末試験も同じ理屈でしかり。ではその場面最適の戦略が、いざというとき(大学受験)に十分戦えるかを想像すれば疑問を感じるかもしれません。小手先の技をいくら磨いても、ある一定ラインから強くなれない。もっと深いところから取り組まないと、卓越性を身につけられません。

時間をかけて、無数の失敗をくり返して、遠回りのように見えてもむしろ長期的な視点で地力を育む戦略が大きな成果をもたらすという「全体構想」の視点。全体構想は「想い」 自分がどうありたいか?を言語化し、常に脳内に据えて意思決定すべきだと梅原さんが教えてくれています。

表面的な世間の評価は、気にしないとは言いませんが、気にしすぎて(部分最適になりすぎて)目測を誤って最後の最後で泣きを見る人は、そういえば私の周りにもたくさんいたような気がします。下半期も充実した時間を過ごせるよう、自戒を込めて。

久保大輔




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