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【葛藤】保育の質向上と働き方改革の狭間。土曜の出勤どうしてる?

このnoteは、このような方々にぜひお読みいただきたい内容となっています。

  • 現役の保育士や幼稚園教諭:日々の業務や研修、職場の環境に関する課題や改善点に共感し、自分たちの状況と照らし合わせて考える機会を提供します。

  • 保育園や幼稚園の管理職:保育士たちの声を聞き入れ、職場環境の改善や働き方改革を推進するための参考にしてもらうことを目的としています。

  • 保育士を目指す学生や新人保育士:現場のリアルな状況や、保育士として働く中で直面する課題を知り、将来のキャリアについて考える手助けになります。

  • 保育業界全体の関係者:保育の質向上や働き方改革の重要性を理解し、業界全体での改善に取り組むための材料として活用してもらうことを目指しています。

  • 保護者や一般の人々:保育士たちがどのような環境で働いているのか、どのような努力をしているのかを知ることで、保育士に対する理解とサポートを深めてもらうことを期待しています。



園内に広がる保育改善の風

かつて私は、保育士として子どもたちと日々向き合っていました。その時代、私たちの園では保育の質を向上させようとする意識が高まり、職員全員が積極的に取り組んでいました。特に子ども主体の保育を推進し、主体的で対話的な保育を実現しようと、毎日の業務に取り組んでいました。園内の会議室では、頻繁に職員が集まり、保育の在り方について熱心に議論を交わしていました。その中で、私たちの目指すべき方向性が徐々に明確になっていったのです。

子ども主体の保育への情熱

子どもたちが自分で考え、行動する力を育むための環境を整えることが、私たちの目標でした。そのため、日々の保育活動では子どもたちの意見や興味を尊重し、彼らが自らの興味を追求できるような保育を目指していました。ある日、ある子どもが「今日は外で大きな絵を描きたい!」と提案しました。その声に耳を傾け、私たちは急遽、園庭に大きなキャンバスを用意しました。子どもたちは自由に絵の具を使って、自分たちの世界を描き上げました。その姿を見ながら、私たち保育士は子どもたちの創造力に感嘆し、彼らの成長を実感しました。

この取り組みは、保育士としての私にとっても非常に意義深いものであり、一生懸命に取り組んでいました。子どもたちの成長を目の当たりにし、日々の努力が報われる瞬間を感じることができる喜びは、何にも代えがたいものでした。

カンファレンスで高まる保育の熱意

大学から専門の先生を招き、夕方以降にカンファレンスを開くことが決まりました。このカンファレンスは、保育の質を向上させるための貴重な機会でした。パートタイムの保育士たちも希望者が参加し、園全体で保育をより良くしたいという雰囲気が高まっていました。カンファレンスの夜、私たちは一堂に会し、先生の話に熱心に耳を傾けました。

真剣な表情でメモを取り、ディスカッションを行う中で、保育の新たな可能性に胸を躍らせる時間でした。特に、子ども主体のアプローチに関する具体的な事例や、他の園での成功例を聞くことで、自分たちの保育に対する視野が広がりました。カンファレンスの後も、職員同士で意見交換を続け、次の日から早速実践に取り入れるための計画を立てました。このような熱意に満ちた時間は、私たちの保育に対する意識を一層高めるものでした。

法人全体の研修通知:保育士たちの戸惑い

しかし、ある日、園内の回覧板に法人全体の研修通知が掲示されました。その内容は、土曜の午後13:00から16:00まで、年に4回行われる研修でした。この通知を目にした瞬間、私は心の中で大きな戸惑いを覚えました。ほぼ強制的な参加であり、給与が支払われないという条件に、多くの同僚も不満を抱いていました。

土曜の午前中もたった1000円の手当で仕事をしているのに、その後に無償で研修に参加しなければならないという状況に、心の中で苛立ちが募りました。特に、家族との時間や自分自身の休息が必要な土曜日に、このような研修が設定されることに対して、多くの職員が「なぜ私たちがこんなに犠牲を払わなければならないのか」と疑問を抱いていました。それでも、自分の保育をより良くしたいという思いから、私は1回目の研修には参加することにしました。

主任との対立と心の葛藤

2回目の研修は欠席を申し込みました。そして、3回目も欠席を申し込んだのですが、なぜか参加扱いになっていました。このことを主任に確認すると、「欠席の理由を聞いていないから」と言われました。この瞬間、私の中で何かが弾けました。

「理由を言えば欠席していいんですね?」と問いかけると、主任は「理由は何?」と聞き返しました。「結婚式の二次会です」と答えると、「それは正当な理由にはならないわよ」と冷たく言い放たれました。

怒りと無力感が交錯する中、私は自分の気持ちを必死に抑え、「正当な理由?そもそも勤務時間外なので理由を言う必要がありません。それでもプライベートにズカズカ踏み込んでくる主任のために理由を言っているんですが、何か間違ったこと言っているでしょうか」と返しました。主任は「その言い方は何?とにかく出席してください」と強調しましたが、私は「予定があるので出席できません」と断固として断りました。

このやり取りの中で、私の中には強い怒りと、理不尽な状況に対する無力感が渦巻いていました。「なぜ私たちのプライベートな時間まで犠牲にしなければならないのか」という思いが強く、主任との対話もどこか空虚なものに感じられました。

保育施設の暗黙のルールに直面して

この一連の出来事は、やりがい搾取や無償の仕事、サービス残業が当たり前という保育施設に蔓延る悪習を象徴しています。私の中では、怒りや不満、無力感が交錯し、心の中で複雑な思いが渦巻いていました。多くの同僚も同じような感情を抱えていたことでしょう。特に、若手の保育士たちの間では「このままでは続けられない」「もっと働きやすい環境が欲しい」という声が上がっていました。

働き方改革の必要性

このようなエピソードは、深刻な問題として捉えるべきです。保育士たちがやりがいを持って働ける環境を整えることが、保育の質を向上させるためには不可欠です。皆さんの園でも同じような課題に直面しているかもしれませんが、一緒に乗り越えていきましょう。

保育施設の管理職の皆さんにも、この問題について真剣に考えていただきたいと思います。保育士がやりがいを持ち、安心して働ける職場づくりを目指し、一緒により良い保育を実現していきましょう。管理職の方々には、職員の声に耳を傾け、働きやすい環境を整えるための具体的な施策を講じていただきたいと思います。

未来の保育士に向けて:私たちが変えるべきこと

保育士として働く中で、保育の質を向上させるためには多くの課題があることがわかります。しかし、それらの課題を解決し、保育士がやりがいを持って働ける環境を整えることで、より良い保育が実現できると信じています。皆さんの園でも、同じような課題に直面しているかもしれませんが、一緒に乗り越えていきましょう。

保育士が魅力ある仕事として認識されるためには、保育施設全体での働き方改革が必要です。保育士がやりがいを持ち、安心して働ける環境を整えることで、子どもたちにとってもより良い保育が提供できるようになるでしょう。私たち一人ひとりの努力が、未来の保育を支える礎となることを願っています。

終わりに

この文章を通じて、保育士としての皆さんが抱える悩みや葛藤に共感し、少しでも力になれればと思います。共に未来の保育をより良いものにしていきましょう。保育の現場で感じる不満や課題を共有し、解決に向けて一歩一歩進んでいくことが、私たちの使命です。未来の保育士たちが安心して働ける環境を築くために、今、私たちができることを共に考えていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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