【技術紹介】平成一桁的3DCG量産の日々
はじめまして、デザイナー的なことをやっております、ハセガワ(@hassegawa)です。今回は、自社開発のコンテンツ用に作った軽いCGアセットを、FBXで配布したらどうだろう、ということでnoteを書かせていただきます。
「え、このCGどんな経緯で作ったの」という感じのものばかりなので、その紹介がてらになります。
最初に。
弊社デザイニウムは、新しい技術、センサー系の新製品、話題のデバイスなどを使って、「とにかくオモシロイものを作ろうぜ! すぐ! NOW!」という感じの会社です。
※弊社イメージ。ちょっと前に描いたので、かぶってるデバイスがやや古いですね?
ですので、「え!? そんなメジャーな企業のメジャーな企画を!?」という案件を、大きな制作会社などに先んじて手掛けることが出来たり出来なかったりなどするのですが、反面、スピード命ですので、時間をたっぷりかけた企画・制作というのはあまりないのです(※まったく遺憾な形で長引く案件は除く)(※安定した稼ぎ頭のエース制作陣は除く)
そんな会社で、そのうえ私自身アウトサイダー(※美術やデザインの指導や教育を受けていないという本来の意味です)なもので、「IT系のデザイン会社ならこういうものを作ってるだろう、こういうものを作れるだろう」という予想からまったく外れる感じの仕事ばかりやっています。
例えば、レーザーカッターとMDFで学習用ロボットを作ったり、
例えば、民芸品に電導インクを塗りたくったり、
例えば、ダンボール工場にお願いして人が乗れるIT玩具を作ることになったり……
そんな私にも、「フツーにアプリに使う3DCGを作りなさい」というオーダーが下ることもあります。稀に。
しかし実際作ったものは全然フツーではなく、なにしろスピード命の弊社ですから、CGアーティストが所謂ポートフォリオに載せるような、「お! すごいCG!」というようなものとは180度違っていたりします。
こちらは、
1. 「アルファベットのCGと英語のモノを作って、キッズにゲームで遊んで学んでもらおう」
という企画で作ったものになります。GithubからFBXファイルをDLしていただけます。
なにしろスピード命で、アルファベット分のアイテムを全部作らねばなりません。ついでに、Appの動作がどうなるか分かりませんから、なるべく軽く作りたい。
※技術的に多少参考になるかもしれない情報ですが、例えばKinectを使うとメチャ重くなるんだそうです。その後Kinectも次世代になり、マシンもUnityも進化していますから、さて今どうなのか、また開発の人に聞いてみないと不明ですが……。
※※ついでに言えば結局このアプリはKinect使いませんでしたね!!!
そこで、私は思い切って以下の規則を設けました。
・UVは開きません
・よって画像テクスチャやノーマルマップもありません
低ポリモデルで軽い内容でも、UV開いてテクスチャ描くだけでそれぞれ+2〜4時間は見ないといけませんからね。
あとこれは完全に個人の好みですが、世代的にこういうCGを子供が遊んでいるという画がすごく好きなので……。
玩具も、原色で成型色そのまんまの、LEGOなんかが好きなわけですが、せっかくのLEGOなのに過剰な顔プリントがあると萎えたりします。
もっとアノニマスなプラスチックの塊もってこいよ!
キン消しも技ポーズ取ってないやつが好きなんだよ!!
結果として大変苦労した部分も出ましたが("Z"に対応する、単体で作れるアイテムがほとんどなく、どんな教材でもチョイスはZeblaかZooであり、つまりテクスチャ画像なしでシマウマを作らなきゃいけなくなったわけです。作りましたよ!)
さて、私はこれで味をしめました。
平成一桁的3DCG、いいじゃん!
次に同じ手法で作ったのは、
2. ランニングゲーム
のシリーズです。
センサーを持ったり付けたりして足踏みで走ってもらい、徒競走をするというものですが、……そこ、ハイパーオリンピックとか言わない。
企画としては2021年に延期されてしまった世界的な大会(輪っかが5個あるやつです)をテーマにしており、したがって舞台は世界です。
走っているバックに過去開催地の3DCGが流れていく、というようなものにしよう、と企画されました。
その際に描いたスケッチがこちらです。
平成一桁的3DCG! 手で描いてますけども。
で、このイメージでOKということで、↑の英語ゲームと同様のルールで制作しました。
またついでに言えば、Unity Assets Storeには低ポリゴンのこの手のテイストのCGも豊富にあるので脇を埋めやすいのです。
実際に使用したもののうち、社内で制作したものをGithubにアップロードしてあります。
こちらは自社開発・展示でしたが、後に複数のクライアント様に気に入っていただけまして、それぞれの企画用のVerなども作成しました。
さて次に、こちらは近年の弊社的キッズ向けキラーコンテンツである、
3. Bubble World
です。
アーティストであり技術者・開発者でもあるMaoが別途テクニカルな記事を載せていますので是非そちらもご覧ください。
東北を中心としたチョイスの民芸品やお化けたちが、キッズにカラーボールをぶつけられまくるというコンテンツです。Maoの記事にもありますが、プロジェクタによる投影とレーザー測定器によるカラーボールの当たり判定を使った大掛かりな展示。大盛況。キッズ大興奮。台湾進出まで果たしました。
こちらも低ポリではありますが、ちゃんとUV開いてマテリアルを作っており、そして、全キャラクタにダンスを踊らせています。これが一番手がかかりました。
Blenderのモーション編集が無料アプリなのにかなり優秀で、だいぶ助けられました。
こちらも全13体、GithubにFBXをアップロードしてあります。
最後に、
4. 「きみ、今仕事ないから、なんか作ってて」
と言われて、(じゃあまあこないだアルファベット作ってショッパかったので、もっと面倒臭そうな平仮名をやっつけとくか……)と思って作ったやつです。
平仮名です。
待って、待って、まだ帰らないで。
こちら、チェッカー模様が被ってる様子から「あー」と思っていただきたい。要するに、UVをすごくキレイにしてあるモデルです。側面の回り込みも、まあどうしても歪みますが、それでも人力でそれなりになるように頑張ったもの。
文字を立体にするだけなら、モデル用意する必要もなくて、Unityでやってもらっちゃえばいいんですが、まあもうちょい気の利いたものを作っておきたい……と48文字やっつけたものです。
正方形の画像を用意していただければ、それを歪みなく貼れます。
また、側面とベベル部分を別マテリアルで切ってあるので、別の画像を貼ったり色を変えたりなどできます。
↑画像のハイポリ(いまどきこのくらいはハイポリとは言いませんけど)だけでなく、角張ったローポリ版も収録した豪華版。
現在、使い道はありません。
編集後記
広報のマリコです!今回記事を書いてくれたハセガワは、イラストから3Dデザイン、レーザーカッターから3Dプリンタまで操るデザイナーという名前には収まらないデザイニウムの何でも屋さん的存在の人です。記事からも彼の仕事のはやさや技術、そして独特の雰囲気(もちろん良い意味で)が伝わったのではないでしょうか。一時期はFabスペースの主(ぬし)となって色々なモノを黙々と作っていたので、モノづくりのことも今後語って貰いたいなと思っています。ちなみにハセガワは、ほとんどのインタラクティブ案件に関わっているので、以下のリンクからぜひ作品をご覧になってみてくださいね😊
The Designium.inc
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