【まとめ記事】会津大学×Lightship VPSデモプロジェクト(Tipsとアドバイス)
会津大学×Lightship VPSデモプロジェクト
こんにちは。デザイニウムの佐久間、桐井です。
Niantic社からの依頼で、デザイニウムと会津大学のインターン生が一緒にLightship VPSのデモを作るプロジェクトが立ち上がりました。4名の参加者を募って、2023年1月にキックオフ。私達二人は学生をサポートする立場で今回のプロジェクトに参加して、計4つのデモアプリの制作をサポートしました。
Unity(ARDK)、Web(8thWall)それぞれの開発環境でインターン生にVPSを使ったARアプリ(Webサイト)を作ってもらい、記事を書いてもらっています。本記事では、追加アドバイス?的な内容として、これからUnityや8thwallでARアプリ開発を始める方に向けて知見や簡単なtipsをお伝えできたらなと思います。
これまでの記事
Unityアプリ編
どういうところからスタートすると良いか?
ある程度Unityに慣れていて、とりあえず早く実機で動かしたいっていう場合は、公式サンプルを試してみるのがおすすめです。VPS以外のシンプルなサンプルシーンから触ってみて、ちょっとずつ改造してみるとよいかと思います。
段階を踏んで進めたい場合は、持っている知識、知見に合わせてスタート地点を調整しましょう。
Unityをある程度使えますか?
ほぼUnityを知らない場合は、とりあえず、Unityを1、2時間さわってみてなんとなく把握することをやってみましょう。
Unityでスマホアプリを作ったことがありますか?
ない場合は、とりあえずUnityでビルドしてスマホアプリをインストールするところまでやってみましょう。
ARDKを触ってなんとなく把握できたところまでくれば、あとはVPS機能の把握と試行錯誤です。
まず、公式ドキュメントでなんとなくVPSを把握してみましょう。どんなものかをざっくり把握するぐらいで良いかと思います。
次に身近に公開されているWayspot(VPSが使える場所)で動くVPS機能を使うと良いかもしれません。公式サンプルのVPSサンプルを試すのが簡単です。
躓きやすいポイントとは?
Androidは開発環境周りでエラーが出やすい印象があります
Androidは、OSのメジャーアップデートするたびに、ビルド時の設定変更が必要なことが多いです。もし、奇跡的にiOS,Androidの両方の端末を持っていて、両方のスマホ向けアプリ開発をやったことがあるなら、iOS端末から試していくことがおすすめです。
公式ドキュメントを確認しましょう
ARDKは更新速度が早いため、1年前のブログとは違う関数、設定になっている可能性があります。ブログを参考にしつつ最新の公式ドキュメントで確認してみると良いかもしれません。
ARDKのAPIキーを設定しましょう
急いでいたりすると忘れがちなのが、Unity上でのAPIキーの設定です。VPSの呼び出しやARDKサーバを介した通信で必須だと思うので、忘れず設定しましょう。
デモを作る上で気をつけた方が良いところは?
とりあえず実機で試しましょう
とりあえず、スマホアプリとして動かして自分自身で試すとよいかとおもいます。もしかしたら、スキャン対象に接近しないと認識しないなどあるかもしれません。スマホアプリ開発全般の話ですが、スワイプ操作が激しすぎて、指で画面が見えないことに気づくかもしれません。
UnityEditorで試すだけより、実機でも試すと面白いというのもあります。
使いたい場所にWayspotがあるとは限らない
作りたいアプリの実験場所としていい場所があっても、Wayspotになっているとは限りません。一度、公式サイトで公開されているWayspotがあるか調べてみると良いかと思います。
公開されているWayspotがない場合、プライベートスキャンする方法もあります。プライベートスキャンしたWayspotは、自分が発行したARDKのAPIキーを使えば読み出すことができます。今回、インターン生が試行錯誤していたように、自分のアプリ用のWayspotをスキャンして増やすことで、様々な場所でVPSが使えるようになります。例えば家のタンスを対象にするなんてこともできます。
VPSの対象にする場所(Wayspot)は、できるだけ指示しやすいものだとよいかも?
VPSの機能を使うには、指定した場所をビジュアルで識別させる必要があります。例えば、地面をWayspotとしてしまうと、地面のどこだよってなりますよね。パッとみてこれだな!ってことがわかるのは重要かもしれません。渋谷のハチ公が使われやすい、使いたい理由はこれかもしれません。
VPSの対象にする場所(Wayspot)が大きく変化すると、Wayspotとして認識できない可能性があります
植物を対象にしてしまうと、日々変化するため、次にみたときにWayspotとして認識できない可能性が高いです。銅像や学校の門などのほぼ変化しないものが向いています。
8thwallアプリ編
8thwallアプリ開発おすすめのロードマップ
WebARアプリ開発においては、htmlやcss,jsといったフロントエンドの知識に加えて3DCGの知識が重要になります。
8thwallではA-Frame,Threejs,Babylonjsといったライブラリがサポートされています。そういった3d系のライブラリを触ったことがある方でしたらお好きなもので開発を始められて大丈夫だと思うのですが、初学の際は8thwallでは特に、A-Frameで学習を始め、必要に応じてthree.jsなどのライブラリを考慮する方が良いと思われます。
理由としては、8thwallはA-Frame,Threejs,BabylonjsのExampleが公式としてあるのですが、一番exampleが豊富にあるのがA-Frameを使ったものになります。ドキュメントもA-Frameが一番手厚く書かれています。開発がブラウザ上でできるのでexampleを触りながら手軽に試すことも可能です。まずはそこで、8thwallにはどういう機能があるのか、どういったことができるのかを試して理解していくことが良いかと思います。
VPSアプリ開発
8thwallにはWebARでVPSを使用できるというメリットがあります。それを目的に8thwallを始めたいという方も多いのではないでしょうか?
💡VPSって何?という方は過去に弊社の過去記事を読んでみてください。
8thwallでVPSアプリ開発を始める際にはWayspotが必要になってきます。
WayspotとはVPSを動作できる場所なのですが、ある程度publicな場所はWasypotである可能性が高いです。
東京や大阪など大きな都市であればWayspotの数は多いのですが、地方ではまだまだ数は少ないです。そういうときには開発用のローカルのWayspotを作成することができます。詳細は以前に過去に記事におまかせするのですが、開発用にはローカルのWayspotの作成をおすすめします。
publicでも、もちろん登録することができるのですが、時間がかかってしまいます。今回のプロジェクトで学生の一人が会津大学内のいろいろな場所を登録してくれたのですが、とても時間がかかっていました。VPSアプリを作成したい方はぜひローカルのWasypotを作成して開発効率をアップしてみてください。
まとめ
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。数年前と比べて、VPSをつかったARアプリやWebサイトを作り始めるハードルが下がり、初心者でも挑戦しやすいことがわかるかと思います。
そのお陰で、技術的な試行錯誤をほどほどにしつつ、アイディアや工夫に時間をかけることができるようになりました。今回の取り組みでも、VPSの実装よりもアイディアの試行錯誤に時間を大きく割いていました。
VPSやARが普及する中、どんな使い方が面白いかをみんな考えているタイミングだと思います。今回のようにご当地キャラや名刺を出すのもありだし、Wayspotに対してエフェクトをかけるなんて使い方もよいかもしれません。
この一連の記事を参考に、ぜひVPSを活用したアプリやWebサイトの制作に挑戦して、作品を周囲の人々に披露してみてください。私たちの記事が、みなさまの新たな挑戦の一助となり、刺激的な作品にお目にかかれることを心から楽しみにしています!
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