創作活動の目的
表に現れている人格は流動する氷山の一角みたいなもので、その光の山は固体だけど流れうつりかわっている。水面下にあるものは膨大だ。本物の作家になる人はこの水面下の豊穣さが異常で、それを水面上にそのジャンルの技術で構造化できるのだろう。水面下はアボリジニのドリーミングのイメージだ。
作品の内部にすべてを表現しようと試みるのか、作品を完璧な場所にうった杭とし、それを打った自分と世界の交感から生の実感を探るか。
私があり外界がある。私は言葉と技術をたどって世界のあり方を探る。わかったと感じる瞬間もある。芸術の背後にある分厚い時間で心に火がつくこともある。それらを離れた場所から眺めている私がいる。すべてが終わりへむかって流れている。エナジーヴォイドに手を浸すと渦がうまれる。それが小説だ。
絵はまっている 芸術は生活の中にあって過程で生まれる なぜか夢中になって美しいものを残す 通り過ぎふりかえってなぜあんなものをつくれたのかと驚く 子供は青年になり青年は疲れた大人になる 絵はのこる 絵は待っている やがて新しい人が筆をとる 世界をみつめる目と技術、心が続いていく