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大学生の、今だからこそ読みたいマンガ
何で自分はマンガを読むのか?何で自分はアニメを見るか?
そんなことを考えたことはあるだろうか。
「面白いから」「好きだから」
きっと理由なんてそんなもんだと思うし、そもそもそんな事を考えてマンガやアニメに触れている人はいないんじゃないかと思う。
ある時をきっかけに僕はそれを考えることになって、その時に出した答えが
“自分では叶えることの出来ないものを作品が提示してくれるから”
キュンキュンしちゃう少女マンガも、田舎でスカウトされ名門校に進学して七色の変化球を投げるエースになるスポ根マンガも、《黒の剣士》がスターバーストストリームを繰り出して敵をなぎ倒していく俺TUEEE系アニメも全て見ている時に憧憬の念がどこかにある。「ああ、こんな恋愛してみたいな」「これだけ才能に溢れてスポーツできたら楽しいだろうな」「自分が最強の世界いいな」と言ったようにアニメとマンガには憧れが詰まっているものとして自分の中にあった。
そんな自分にはあまりにも衝撃的な作品と出会ってしまった。
『ブルーピリオド』
『ブルーピリオド』は主人公矢口八虎が高校でスクールカースト上位として充実した日々を送っているにも関わらず生活にどことなく空虚さを感じていた。そんな日々の中で出会った一枚の絵に彼は心を奪われてしまい、美術に興味を持った彼が次第に絵を描く喜びに目覚めて美術の世界へと自らの身を投じる物語だ。
何がそんなに衝撃的だったのか。ズバリそれはこの作品の共感性の高さ何だよね。
やりたいことが分からず無難に過ごす毎日。いざ自分が熱中できるものを見つけてもこれまでのキャラ的に言い出しにくく偽りの自分を演じてしまうこと。どれだけ頑張っても周りに自分より上がいる世界。自分の持ってるものを全てかけて挑む受験という名の戦争。大学に入っても入ることが目的だった故にやりたい事が分からず先を見据えている人と比べて劣等感に苛まれる日々。
多くの人がこれまでの人生で体験したことがある事柄なんじゃないかな。そんな事柄をリアルな描写で描いているのが『ブルーピリオド』。読み進めている途中で過去の自分を思わず思い出してしまって物語に重ねてしまう作品だ。
これまでの自分は作品の表面をなぞるだけで楽しんでいた。それに対して『ブルーピリオド』は共感をすることでどんどん物語に感情移入してしまい気付いたら物語に没頭してしまう自分がいた。僕はそこにこの作品の凄みを感じた。
自分と重なり合わせてしまうからこそ、作品の中で八虎が頑張っていると自分も頑張らなくちゃと思える。大学生の今だからこそ読みたいマンガであるし、この作品とともに成長していきたいと思える。
読まない理由はどこにもない。読まない理由を探している君にこそ読んでほしい。