ゲイの生き辛さを知ればボヘミアンラプソディがもっと心に沁みるようになる話⑤
□さらっとインデックス (この記事は5分で読めます)
- 同性愛的欲望との対面
フレディは大の演劇好きとして有名で、このボヘミアンラプソディでもその要素が十分に使われている。母への謝罪の場面から曲調が一転し、回想のような場面へと移っていく。
同性愛的欲望との対面
I see a little silhouette of a man
男の小さな影が見える
Scaramouch Scaramouch, will you do the Fandango?
スカラムーシュよ、一緒にファンダンゴを踊らないか?
Thunderbolt and lighting
落雷と稲妻
Very very frightening me
恐怖に慄く俺
Galileo, Galileo figaro, Magnifico
偉大なるガリレオとフィガロ、
フレディは暗がりの中で小さな男のシルエット(=人影)を目にする。その男が、フレディに向かって「スカラムーシュよ、ファンダンゴを一緒に踊らないか?」と誘っているのだ。スカラムーシュとは、コメディアデラルテという喜劇で登場する道化師であり、臆病者の代名詞だ。そして、彼の誘うファンダンゴとはスペインの民族舞踊であり、求愛の舞踊である。シルエットが見えるような暗い場所で臆病者に求愛の舞踊を口説く様はまさに同性愛的性行為の暗示だ。その一夜のファンダンゴは雷霆のごとくフレディに衝撃を与えた。それは男に対する欲情と一線を超えて同性愛に身を落としてしまったという自責の念がごちゃ混ぜになった興奮と恐怖であったと僕は考える。
ガリレオとフィガロの部分はフレディ自身が演劇っぽさを出すために追加した部分であると語っているため、意味を持たない。ガリレオはガリレオガリレイであり、フィガロはモーツァルトによるオペラの「フィガロの結婚」の登場人物だろう。
人目を忍んだファンダンゴの後、彼は葛藤する。次回はこちらから!
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