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【めくるめく】レーザー照射!

 今日で3回目。
 これまでの2回と同じクリニックで施術してもらいました。
 今回も顔にできた微かなシミがちょっと大きくなってきて、気になりはじめてたので、レーザー照射で除去してもらったのです。
 予約制なので待合室で待つ人は多くはなく、4〜5人しかいません。なぜか入れ替わり立ち替わり赤ん坊を連れた女性が訪れていて、待合室には常に2人はおられました。皮膚のシミ、あざとか傷跡の除去を専門にしているクリニックなのですが、出産直後には皮膚にシミとかできやすいのかしらん。
 なまえを呼ばれて診察室に入りました。
 カメラで撮ったシミの画像が拡大されてモニターに映し出されました。自分の身体の一部ではあるのですが、これほど拡大されてモニターに映し出されるとなんだか気恥ずかしい気持ちがしました。

 大丈夫ですね。腫瘍といったようなものではないのでレーザーで除去できます。

 あ、いちおう医師の目でシミの正体を判定してくれはったんや。そらそうやな。仮に悪性腫瘍やったりしたら、それを知らずにレーザー照射したらがん細胞を撒き散らしてしまうことになるかもしれんよな。

 いつでも施術できますが、どうしますか?

 え?どうしますかって?

 今から照射しますか?

 あ、はい。それがありがたいです。お願いします。

 看護師さんに案内されて診察室をでると、洗面台のあるブースに案内されました。

 ここで顔を洗ってください。

 なんか無表情で愛想ない看護師さんやなあ。ボトックス打ちすぎて表情がつくられへんようになった、なんてことないよな。え?洗うって、どう洗えばよいってこと・・・? あの、特にメイクとかはしてないんですけど、たんに石鹸で顔を洗えばよいですか?

 以前にシミを除去したとき、顔を洗うなんて工程あったかなあ・・・と思いつつもともかく洗顔して、ティシューで顔を拭いて振り返ると、さっきの無愛想な看護師さんが待っててくれていました。
 それからさらに案内されて別の部屋にはいると、中央にベッドがあり、そのうえにそれはそれは明るそうな、LEDのバルブが8個くらいついた照明がありました。

 手術室やん!

 ベッドの上に仰向けになると、医師の人がやってきて、あの照明が

 かあっっっ!

と明るく光り、思わず固く目を閉じました。

 まず麻酔をしますねー。

 え? 前のときは麻酔なんかあったかなあ・・・?などと考えているうちに、皮膚にチクッとなにかが突き刺さる感覚。あ、麻酔の注射やな。思てたよりも突き刺さってる時間が長い。あ、針が抜けた。このあと麻酔薬が浸透するまで2〜3分待ってからレーザー照射に行くんかな・・・って、おいおい、もうレーザー照射するんかい!

 じー・・・ じー・・・

 あ、当たってる当たってる!レーザー当たってる。皮膚が傷めつけられている感じがする。あれ?でも前はパチンパチンって、単発の照射が何回か繰り返されるって感じやったのに、今日はじー、って数秒当ててはまた、じー なんやな。なんかいろんなことが前とちがうなあ。以前のことをはっきりと憶えてないだけなんかな。

 横にもうひとつ小さなシミがあるので、これもおまけで取っておきますね。

 おまけ、てなんやねん!笑うわ。ぷふふ。まあええわ。ほかにシミがあるんやったら取っといてもらお。

 じー・・・ じー・・・

 そうこうするうちに照明が消え、まぶたを開けました。
 医師の姿はなく、無愛想な看護師さんが無表情のままで淡々と予後の手入れのしかたを説明してくれました。
 
 前はパチンパチンって、単発の照射が何回か繰り返されるって感じやったのに、今日はじー、じー、って感じなんですね。

 わたしが訊ねると、その質問のなかのなにがヒットしたのか、それまで無愛想だった看護師さんがニコっと素敵な笑顔をみせて、
 あ、前はそうだったんですね。
 と答えてくれました。
 こんなに素敵な笑顔があるんやん。それやったらいつも笑顔でいてくれはったらええのに。まあ、患者をエンターテインするのが看護師さんの仕事の中核ではないし、そもそも患者とは施術手続以外に関する会話っていうのが普段はないのかもしれん。
 予後の診察のときにはまたお話ししてみよー、と思ってたら、次の診察は施術の部位の写真を撮ってメールでこのクリニック宛に送ることで診察とする、このクリニックに来る必要はない、ってことでした。
 そおかあ。
 まあ考えてみれば、今日はパチンパチンやなくて じー、じー、って感じなんですね、みたいな他愛ない会話で表情を崩してもらえたのならば、看護師さんに対してその分よいことをして差し上げられたのかもしれません。
 そう思っとこ。

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