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第三回講座【2023/11/25】

🌷はじめに



現在月に一度のペースで行っているシアターハナイロの【演劇トレーニングで高める、表現力&コミュニケーション力UP講座】(以下、コミュ講座)の過去講座のレポートです。
🌸シアターハナイロとは・・・
 名古屋市で活動する演劇ユニット。
 「演劇に触れたことのない人にも演劇の面白さを伝えたい」
 「趣味の演劇を広めたい」
 「演劇を通して自己成長してほしい」
 「演劇を通して一緒に何かが出来る繋がりを作ってほしい」
 そんな目的から生まれた人と人を繋げるための演劇集団です。
 現在のメンバーは二名。
 主催者は当ブログの中野浩作とあきら。
 中野浩作のプロフィールはこちら↓↓↓
 


過去の講座のレポートを掲載いたしますので、演劇に興味のある方や何か新しい物事に挑戦したいと考えているあなたの参考になりましたら幸いです。
現在はオフラインのみの講座となっておりますが、今後はオンラインでの開催も視野に入れておりますので、注目していただけると嬉しいです。
ちなみに、公式LINEもございます。更新頻度は遅いですが、シアターハナイロの活動を適宜配信しておりますので、よろしければ友達追加、お願い致します!
🌻シアターハナイロ公式LINE↓↓↓

🌼2023/11/25 第三回講座開催


🌼講座概要

参加者数:8名(男性:6名 女性:2名)
ワーク内容
●講座概要
●名前を使ったアイスブレイクゲーム
●知覚を上げるトレーニング
●想像力を上げるトレーニング
●想像力で遊ぶトレーニング
●鏡合わせで動いてみる
●コンタクトインプロビゼーション
●シアターゲーム
 ・私は木です

🌼講座詳細

第三回講座では俳優の感覚にフォーカスをあてた講座を行いました。

演技をする時大切になってくるものは何だと思いますか?

声?
表情?
動き?

確かにこれらのモノは演技にとって必要なものです。
けれど演技はもっと細かい部分にも集中して行うことで演技そのものの深みや厚みを強くすることが出来ます。
では、
もっと細かい部分とは?

それは、感覚(知覚)です。

私達は普段、物を見たり、聞いたり、触ったり、匂いを嗅いだり、味わったりと五感をフルに活かして生活しています。
ですが、普段当たり前のように感じている五感を「意識的に」感じたことはあるでしょうか?

「よく見る」
「よく聞く」
「よく感じる」
「よく嗅ぐ」
「よく味わう」

目は思いのほか、色々なものを見ることが出来ます。
耳はいろんな音を聞いていますし、触覚を細かく感じ取ろうとすると、服の触感が伝わってきます。
匂いも様々な刺激が入ってきていますし、味も細かく細分できるでしょう。

私達の普段の生活ではこれらの五感はいくらか鈍った状態で存在しています。
鈍っていないと入ってくる情報量が多すぎて処理が大変だからです。
しかし、これらの感覚情報をつぶさに観察して捉えることで、演技をする際のイメージと繋がり、演技に深みを増すことが出来ます。

いい演技とは周りの風景まで見えること。

集中した舞台俳優は素舞台(舞台セットの何もない舞台)の上で、美しい花畑を表現します。あるいは戦場。あるいは夕暮れ時の浜辺。あるいは土砂降りの江戸の街。
イメージの中にしか存在しない風景を目の前にあるかのように表現し、演じることで、観客はあたかもその場にいるかのような錯覚を起こします。

これは俳優が自分の五感をフルに活かしてイメージを湧き起こし、周囲に展開しているからこそ起こる現象です。

花畑はどこまでも広い。(視覚)
小鳥のさえずりが聞こえる。(聴覚)
風が心地いい。(触覚)
花々のいい香りがする。(嗅覚&味覚)

こういったイメージ情報を自分の体でつぶさに表現することで、周囲にあるはずのない空間を作り出すことが出来ます。

もっと簡単なものだと↓↓↓
パントマイムで水を飲むとき、どんなサイズのコップを持っていますか?
水はどのぐらい入っていますか?
水はどんな色をしていますか?
匂いは?
美味しい水ですか?

こういった存在しないものを、あたかも存在するかのように感じることで演技に深みが出ますし、多くの演技初級者の壁でもあります。

台本から読み取る情報を文字だけの情報だけで読み取るのではなく、
台本に書かれている風景や状況を細かく読み取り、五感で再現してみる。そうすることで自分の役柄の演技の手助けになるでしょう。

🌻イメージの具体化について

演技の世界はイメージをどれぐらい具現化、具体化することが出来るのかということが非常に重要になってきます。

だって、自分ではない存在を演じるんですから。
他人の人生を渡されて、よくもわからないままに「この人になってみてください。」と言われるわけですから。
(それが俳優の仕事ですから、当たり前のことなんですが💦)

若い俳優さんに多いのが、役の理解を疎かにしてしまって、「自分」を押し付けてしまう方がよく見られます。
自分の経験に役の経験を寄せて演技をしてしまうんですね。

確かにこの方法はやりやすいのかもしれません。
実際、このやり方で結構何とかなるものです。
でも、役を自分に寄せるやり方は言い換えるなら、他人の意見を自分の言い分に捻じ曲げているのと一緒の事です。

台本に書かれていることは他人の言葉です。
その他人の言葉を自分のイメージで勝手に解釈して表現してします。そうすると、台本の意味は一体どこにあるのでしょうか?よしんば、その方法でうまくいったとして、それは台本(他人)の意図や意識をしっかりと受け取っていることになるのでしょうか。

重要なのはいつだって、傾聴することです。
台本の訴えに耳を貸し、自分とは違うということを受け入れ、台本に向き合う。その時、初めて台本が言っていることの意味が分かってくる。
もし間違っていたとしても、演出家や監督なりが直してくれます。
大事なのは自分の都合のいいイメージに寄せないことです。

イメージを具現化するためにはいつも自分の感覚ばかりを信じていてはいけません。大事なのは「今までこうだった」という固定観念を捨て、「こうも感じられるかもしれない」といくつもの視点で感覚を感じていくことです。
そしていくつもの視点で感じるためには、普段自分がどんな感覚で世界を知覚しているのかを前もって感じておく必要があります。

知覚することは自分の為だけでなく、関わる相手の為にもなる。

今回は、こんなところで。
どうぞ、今後ともシアターハナイロをよろしくお願いいたします。

シアターハナイロ
中野浩作

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