私を構成する5つの漫画【48】【番外編】
はじめに
うちの長男(17)長女(14)はマンガ好きだ。読むのもイラストを描いたりもする。本棚は漫画で埋まっている。「僕のヒーローアカデミア」「暗殺教室」「鬼滅の刃」「ワンパンマン」「ヲタクに恋は難しい」「東京喰種」「バクマン」…色々とおすすめの漫画を読ませてもらったがどれをとっても最後まで読めず終い。絵がダメなのか?話がダメなのか?そもそも漫画を読むことができなくなっているのか(もしくはそれ全て)は定かではないのだが末っ子(5)がYou Tubeのような短い動画に慣れて映画が見れないようにネットでななめ読みが慣れてしまっているのかとにかく最初の何巻かでギブアップ。最後まで読めた試しがない。
なので私を構成する5つの漫画の中に最近の漫画は含まれない。すべて二十歳以下で出会った漫画である。
1.Dr.スランプ(鳥山明)
ジャンプ漫画の金字塔。ドラゴンボール前夜。鳥山明先生の描くメカが好きでよく真似をして描いていました。当時の趣味だったプラモデルにも通ずるその描写は子供心を揺さぶるには十分でうんちや地球を壊すくらいのパワーなどギャグも小学生の自分のこころを鷲掴みにしていました。この他「キン肉マン」「北斗の拳」「こち亀」「ストップひばりくん」など自分の中のジャンプ漫画の黄金期でした。
2.To-y(上條淳士)
思春期に出会い何度となく読み返してはそれに感化されるように自分もバンドをはじめたりもした。それが始まりだったと言っても過言ではない今でもギターを弾いたりロックバンドが好きなのはこの漫画の影響。イケメンでケンカが強く才能もある主人公藤井冬威。当時中学生だった私のあこがれの主人公でありそれまで読んでいた少年漫画にない描かれる絵はオシャレでスマートで真似をするには憚れるほどのかっこいい存在でした。上條淳士先生の漫画が好きで後の「Sex」「赤×黒」「エイト」も愛読書。ロックバンドという括りでは「BECK」「ソラニン」も好き。
3.アキラ(大友克洋)
当時は近未来の話。2019年ネオ東京、東京オリンピックの開催の的中、アキラが原発で東京オリンピックも2020年に開催されないということまで当てたとまるで預言書だと言われていますよね。何でも原作者の大友克洋先生は未来の話を描いてはいたがベースとなっているのは戦後の高度成長期昭和をモチーフとして描いていたとか。つまり現代の出来事はその昔の歴史の繰り返し果たして日本は復活することが出来るのか!?(実際はコロナでそれどころじゃないけれど)最初の出会いはアニメ映画の方で言わずもがなジャパンアニメを世界に知らしめた名作でその後に原作を読んで全く違ったストーリーに驚き今でも否今だからこそこの漫画を読んでほしいと思う作品です。
4.風の谷のナウシカ(宮崎駿)
あのジブリの最初の映画。これもアキラ同様映画を観てからの原作。アキラ以上にどんでん返しが刺さるラストでした。今でも唯一所有する漫画です。SFにありがちな戦争後の未来。しかしさすが宮崎駿先生ありがちなストーリーではなくそんなオチあり?なラスト。そして現代に通づるメッセージも受け取ることが出来る。漫画に限らずどんでん返しのラストの話を見る度にこのストーリーを考える作者を尊敬。すごいなー漫画家って。
5.ブラックジャック(手塚治虫)
友人の家に一冊だけあって初めて読んで衝撃を受けた漫画。ジャンプ漫画に出会う前、小学生低学年だった記憶がある。バスの落石事故の話と霊能力者の話。絵のグロさだけが衝撃的だったが大人になってから読み返すとどの回も深い。正義とはなにか人生とは何かを教えてくれた作品。その後「ブッダ」「火の鳥」「どろろ」「アドルフに告ぐ」と手塚作品を読みすべて大好きです。
最後に
こうやって並べてみると若かりし頃リアルタイムで連載されていた漫画が並ぶ。もちろん5つに絞るなんて出来ない。この他「21えもん」のビデオ授業に現在のリモート授業の原型を見たり「デビルマン」のラストに今で言う正義中毒の病を見たりそのまんまストレートに人間の闇にスポットライト当てた「笑ゥせぇるすまん」動物社会の生態系を面白おかしく描く「かってにシロクマ」バイクやスポーツなど青春時代を描く「湘南爆走族」「ちょっとヨロシク」「バリバリ伝説」管理教育へのアンチテーゼ「BE FREE!」などやはり10代までに出会った漫画に強く印象が残り現在に繋がっている。漫画は本や小説と違いビジュアルで理解しやすいのでそのままストレートに理解するがやはり受け取り方の違いで様々な思いも出てくる。それが単純な面白さだったり現代社会の比喩だったりとビジュアルで覚えている分何年経っても思い出しやすい。
今の漫画にそれがあるのだろうか?それを理解出来なのは自分が歳をとってしまっただからだろう。新しい音楽を楽しめるのは30歳までと言う記事を読んだことがあるが漫画にもそれが当てはまるのかもしれない。