リトル・マーメイド
ご無沙汰してます。√−1です。
何かと話題のリトル・マーメイド(字幕版)を見ました。私はアニメ映画は見ていないので、特に思い入れがあるわけではないです。
さまざまな意見が飛び交う実写版リトル・マーメイド、私が思った問題点はひとつだけ。
「実写化に向いていない」
主演とポリコレ問題
大炎上していたので語らざるを得ない争点ですが、別に問題ないかなあと思いました。
まず、主演のハリー・ベイリーさん。圧倒的な歌唱力で抜擢されたのも納得。新人女優の演技力の低さは、もう見慣れたものなので、特に減点要素ではないかなあ。主演が微妙でも周りに実力派がいれば成立するのはよくあることで、本作もそのパターンです。炎上の火種となってしまった肌の色ですが、鑑賞中に気になることはなかったです。
次に、姉妹の人種がバラバラ論争。
①姉妹のキャラクターの出番は少なくそこまで重要なキャラではない。
②7つの海にそれぞれ暮らしているなら何かしらの違いが現れても不思議ではないなど何かしらの理由づけができそう。
という感じで、特に気にならなかったです。
最後に、セバスチャンただのカニ問題。
下手にCGでアニメキャラ出すよりリアルなカニの方が自然でしょ。実写化なんだから問題にするまでもない。
よかった点
原作を見ていないので、アニメの再現なのか実写化独自なのか分からない部分もありますがよかった点を列挙。
ミュージカルシーンのワクワク感
陸に憧れるアリエルと海に憧れるエリックの対比
俳優陣の歌唱力
アースラ役メリッサ・マッカーシーさんの怪演
エリックとアリエルが馬車で出かけるシーンで徐々に親密になって行く感じ
トリトン王の表情。(セバスチャンに圧をかけるシーンと結婚式での寂しそうな顔)
ハッピーエンドである。(鑑賞中にハッピーエンドになればいい評価しようと思っていました)
Kiss the girlの最後の幻想的な描写が、これぞディズニーって感じがして特にお気に入りです。
悪かった点
登場人物に感情移入できない
アリエル
エリックを陸にあげた後、アリエルが歌うのはいいが、その歌の内容が海から出たい的なこと。心配したりーや。
エリック
エリックの目的が「自由」なのか、「他国や人魚との交和による国の発展」なのかわからない。序盤は前者が本音、後者が建前だと思っていたが、結末が人間と人魚の交和に落ち着いており、結局どっちかわからなかった。
セバスチャン
under the seaで海は安全とアピールしているが、サメに襲われてたのをお忘れか?
エリックの運命の相手
エリックの運命の相手は命の恩人でないとダメなのか?
漁師に拾われたアリエルと再会するシーンで、エリックが気づかないのはまだしも、アリエルとデートして芽生えた恋心がきっかけで結ばれてから、正体(例の命の恩人であること)に気づくぐらいでないとロマンが足りないと思いました。アリエルが声を取り戻すまで、決心しないから、私にはただの美声が好きなだけにしか見えなくなっていました。
釈然としないハッピーエンド
アリエルとエリックが結ばれるのがメインのストーリーラインだと思っていたのに、ラストシーンで人間と人魚が和解する結末になっていて、メインテーマがよくわからなくなってしまい、モヤモヤが残りました。
トリトン王が寂しそうな顔をして子離れするかと思えば、アリエルが次の会合には顔を出すと言うし、あれだけ敬遠してた人間と人魚がケロッと和解しているしで、アリエルとエリックが結ばれるだけなら綺麗に終わったなと思っただろうけど、周りもなぜかみんな仲良くなっていて蛇足だなと思いました。
アリエルとエリックが人間と人魚の架け橋になるストーリーだと思って観ると違っていたと思います。
不気味の谷現象
1番の問題はこれ。CGを使う上で逃れられない不気味さが要所要所にあり、ゾワっとしました。
①under the seaで踊る海の生き物たち。
ラストシーンでお祝いに集まる多数の人魚たち。アリエルやセバスチャンなど少ないキャラが写っているシーンではそこまで違和感がなかったんですが、数が多いとやっぱり不気味さが際立ってしまいます。
②巨大化するアースラ。
リアルな人間の巨大化はやっぱりシュールになってしまいますね。本作で1番笑いました。
まとめ
よかった点、悪かった点はまあどんな映画にもありうることなので、総評としてはやっぱり不気味の谷現象含め、実写映画という媒体に向いていなかったのかなというところです。
悪いところであげたいくつかは単に私向けじゃなかったという部分なので、映画としてそこまで悪い作品ではないと思います。アニメ版でいいと言ってしまえばそれまでですが。
R5.6.30 √−1