月ミるなレポート㉒

みんな!いよいよ月ミるなの反撃が始まるよ。テレビの前に集まれ!

体操服に着がえている途中で吸血鬼であることがバレてしまった月ミるな。絶体絶命のピンチ!?

月ミるな殺人事件

救急車が駆けつけた時には、すでに月ミるなは息を引き取っていた。

海外への輸出が見送られた月ミるなのぬいぐるみが綿をあらわにして床に転がっていた。

どうやって犯人は部屋に閉じこもっていた月ミるなを襲ったのか。

なぜ月ミるなはウエディングドレスを着ていたのか。

なぜ月ミるなはキッチンに蠟燭で作った時限発火装置を仕掛けたのか。

暗闇で光る月ミるな

細長いガラス管に月ミるなを満たして温度変化で膨張するのを観測する。

ニワトリと月ミるなは直立二足歩行

校長「誰も月ミるなを大事にしようとしなくなったので動物園に寄付しました。」

月ミるな監修宇宙交信セット

星が降るようにきれいな夜。ブーンって音がするからふっと上を見たら月ミるなが銀星号から手を降っていた。

5Gは思ったとおりあっち側とこっち側の間に張り巡らされていた。

僕はワクチンを打ってあっち側にいく決心をした。

不安そうな僕に月ミるなは自分はあっち側でも対応していると言ってくれた。それがやさしい嘘だとしても僕は満足だった。

もしも片手で地球を掴めたら、僕も月ミるなみたいになれるかな。

まがいものの夜明け

月ミるなが路上生活する僕たちにカップ麺をごちそうしてくれました。みんなでカップ麺の味を想像しながら「おいしいね」「おいしいね」と言いました。

月ミるなは伝統的な政治・経済・文化・地理の境界を横断し新たな秩序をつくりだす。

月ミるなが月の土地を担保にして新たに紙幣を発行した。「見えない金」の支配と財産の所有という幻想が成立した。

月ミるなは自身の価値が貨幣との交換価値に堕ちないように荒くなる息を深呼吸して落ち着かせた。

天上から脳髄に流しこむような知識はむしろ邪魔なもので月ミるなの粘土コインに刻まれた個人的知識が市場で取引されている。

月ミるなは拡大する相互依存のなかで共同体というマクロ構造と個性というミクロ構造の両方に影響をおよぼす。

お待たせ!急接近ファンタジー後半「壊れた靴じゃ踊れない、」もうすぐ始まるよ。チャンネルはそのまま!

日本がまだ倭国とよばれていたころ、尾張名古屋を本拠とする月ミるなが武蔵に勢力をのばし、やがて時の実力者……

急接近ファンタジーの一場面から

ZOOM参加のろむからは舞台の様子は見えていたが客席の様子が見えなかった。

気を利かせた末次どりるが会場の様子をカメラで撮ってろむに送ってあげようと言った。

間髪入れずに月ミるながかわいそうだからやめてあげてと言った。

自覚とも自嘲とも思える笑いが会場を包み込んだ。

カリガリ博士による考察

自分自身に(笑)を付けてなんとか現実と折り合いをつけて生きている者であってもふいに()のない笑いにさらされるのは辛いものだ。

月ミるなは自身に(笑)を、そして集まった群集を(笑)で囲む。ゆえに(笑)を付けて生きる者は月ミるなの前では安心して自身に刻んだ(笑)を外すことができる。

そんな(笑)のない状態の彼らが白日の下に晒されるのはかわいそうだと月ミるなは言ったのだと思われる。

こうした二重構造のファンタジーもまた月ミるなの魅力の一つである。

月ミるなヒストリア

五時間目は社会科。アサクラ先生の授業には無駄が多かった。ノートに落書きを始めた月ミるなの机にメモが回ってきた。

月ミるなは一番前の席だったので少し緊張してメモを教科書のかげに隠した。

アサクラ先生は黒板に地図を描いていた。月ミるなはメモを読んだ。

”ツキミルナノショウタイハ
ノーライフキング
ドコモノロイデイッパイデス”

月ミるなはつまらない大人に抹殺された噂たちに生命を与える。

噂という物語が完結するたびに月ミるなはリアリティを増していった。 

最初は嘘だと思っていても必ず本当になった。

頭の隅でどんなにバカにしていてもヒソヒソ声の中で真実になっていく。

噂のひとつひとつが月ミるなという大きな物語に飲み込まれていった。

Hello,I love you.

心の中をのぞかないで
月ミるなを好きな気持ちが
ポップコーンになるから