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行政法重要判例:採用内定の取消と抗告訴訟(最判昭57.5.27)
採用内定の取消と抗告訴訟(最判昭57.5.27)
1. どんな事件だったの?(背景)
東京都がある人(上告人)に「採用内定」を出したんだけど、その後、何らかの理由で採用内定を取り消した事件。
上告人としては、「もう東京都職員になれると思ってたのに、いきなり内定取り消し?それってアリなの?」ということで裁判になった。
でも、判例では「なぜ内定が取り消されたのか」までは明確に書かれていない。 ただ、公務員の内定取り消しの理由としては、以下のようなケースが考えられる👇
✅ 健康上の問題 → 採用時の健康診断で問題が見つかった
✅ 経歴詐称 → 学歴・職歴などに虚偽があった
✅ 犯罪歴の発覚 → 内定後に重大な法的問題が判明した
✅ 公務員としての適性に問題あり → 素行不良や不適切な行動
今回の事件でも、おそらく何かしらの理由で「この人はやっぱり採用できない」と判断された 可能性が高い。
2. どんな理由で争ったの?(争点)
🟢 上告人(内定を取り消された人)の主張: 「内定をもらった時点で東京都職員になれるはずだったのに、取り消されたのは不当!行政処分として取消を求める!」
🔴 東京都側の主張: 「採用内定の通知は、正式な採用の準備手続きみたいなもんであって、 それだけで公務員になる権利が確定するわけじゃない。だから取り消しても問題ない。」
つまり、 👉 採用内定=公務員としての権利が確定するものなのか? 👉 内定を取り消されたら、行政処分として争うことができるのか?
3. 最高裁の判断(結論)
最高裁はこう言った👇
✅ 採用内定の通知は、「正式な採用」ではなく、単なる準備手続きにすぎない。 ✅ だから、「この通知をもらったら確実に東京都職員になれる」とは言えない。 ✅ 東京都知事には「この人を必ず採用しなければならない」という法律上の義務はない。 ✅ よって、採用内定を取り消しても、行政処分の取消訴訟(抗告訴訟)の対象にはならない。 ✅ ただし、内定を信じて準備をしていた人には「損害賠償の責任」が生じることはあり得る。
つまり、 ✔ 内定を出したからといって、採用義務が発生するわけじゃない。 ✔ だから、内定の取消は「行政処分」ではないので、抗告訴訟(取消訴訟)で争うことはできない。 ✔ ただし、東京都の対応によって実害を受けた場合は、「損害賠償請求」は可能。
4. 何が重要なの?(判例のポイント)
「採用内定」は、正式な「採用」とは違う!
→ だから、取り消されても「不当解雇」みたいな扱いにはならない。採用内定の取消は「行政処分」ではない!
→ だから、取消訴訟(抗告訴訟)で争うことはできない。でも、採用を信じて準備していた人には損害賠償の可能性がある!
→ たとえば、他の就職の機会を逃したり、引っ越し費用をかけた場合など。
5. まとめ
結局、この判例が言いたいのはこういうこと👇
🟢 採用内定は確定じゃない!だから取り消されても行政処分とはみなされない。 🟢 でも、内定を信じて行動した人には損害が発生することもあるから、損害賠償請求は可能。 🟢 つまり、「内定もらった=もう大丈夫」とは限らないから注意しろ!
要するに、 「内定って言葉を真に受けるなよ。正式な辞令が出るまで安心するな。」って話。