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放浪記録(Boston ②):オペラ歌手との出会いとレッスン

人の人生は、人との出会いによって、良くも悪くも大きく変わるものです。
時間を共有する人からの影響は、自分が思うよりも大きいものです。
どんな人と時間を過ごすか、あまり慎重になりすぎるのもなんですが、
そんな事をちょっと頭の片隅に置いて過ごすと、良いかなぁと思います。

良い人々との出会に恵まれる事、本当にありがたく、
心から感謝の気持ちでいっぱいです。

では
前回の続きから。

コチラに向かって歩いてきた大きな人、その人がホストマザーの言っていたバリトン歌手でした。
ろくに話せない英語でやっと初めましてのご挨拶と自己紹介をして、車に乗せていただきホストファミリーの家まで送ってもらいました。
そして道中色々な話をしました。
私は歌が好きだけど下手で、上手くなりたくて音大に入ったけど、全然ダメだったこと。もう音楽に見切りつけて次のことを探していること。Boston最高に好きなこと。
今日のオペラの感想など。
家に着く頃、
「一度レッスンしてみる?どんな感じか。歌ってみる?」
のような軽い話で、
「う〜ん(笑)下手だから嫌なんだよな歌うの。でも思い出作りになるし、一度レッスンお願いします」
という感じで、最初のレッスンを約束しました。
ホストファミリーの家にグランドピアノがあり、そこでレッスンすることに。

でも音楽やる予定なんてなかったもので、楽譜もないし、翌週からマイアミに遊びにいく予定もあり、しっかりディズニーワールドで遊び、ビーチを堪能してボストンに戻り、呑気にレッスンの日を迎えました。

レッスンの日。
オペラ大好きなホストマザーも在宅。
よくある音階に合わせた発声練習から。
どきどきの第一声。
でももう学校じゃないし遊びだから良いやというリラックスも入り混じったスタート。
なのに先生の顔色を伺いながら。これ私の悪い癖。

ワンフレーズ歌うと
先生
意外な反応。

「へ〜。いいんじゃない?」

お。呆れてはいないみたいだ…まいっか。
続けて歌う私。

先生じーっと見てる。厳しい…目が怖い。

「これからレッスンしていこうか。とりあえず今モーツァルトのオペラアリアなにか歌える?」

当時私はソプラノ歌ってた。(無謀な……)

ドン・ジョヴァンニの中のツェルリーナのアリア歌った。

「OK、わかった。次から楽譜持ってくる」というと先生は次回までの課題を紙に書いて私に私、次のレッスンの予定をさっさと決めて、ホストマザーと色々話して「チャオ!」って帰っていった。

5分くらいに感じた。
でも実際は二時間近くたっていて
そして私は汗だく。
緊張していたんだな。

キッチンで紅茶を飲みながら聞いていたらしいホストマザーが
優しいキラキラの笑顔で
「あなたここで続けなさい。やるべき。練習もレッスンもここ使って良いから」
って言ってくれた。

まだボストンに来て一週間ちょっとしか経っていない
一気に色々なことが起きて
ぼーっとした。

語学学校の宿題と復習と予習もあり
予定外の音楽の勉強も始まり
結局、音大に行っていた時のような課題に追われる日々が始まった。

大きく違っていたのは
何かずっとワクワクした気持ちでいるということ。
心も体も軽くて
どこにも余計な力が入っていない
なんとも心地の良い状態で全てに取り組めているということだった。

何が何だかよくわからないまま、
とにかくこんな感じで音楽と共に放浪する日々が始まりました。

続きはまた次回…
放浪記録
読んでくださってありがとうございます

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