地方の会計屋

とある地方で細々と業を営んでいる公認会計士・税理士です。専門分野の観点から、色々考察し…

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とある地方で細々と業を営んでいる公認会計士・税理士です。専門分野の観点から、色々考察してみます。

最近の記事

立憲民主党の政権交代に必要な組織の構築に関する献策

こんにちは。地方の会計屋です。 本稿は、立憲民主党本部及び来月に予定する代表選立候補者及び立候補が見込まれる議員(令和6年8月22日現在)宛に送信した文書です。 当noteをもって、その内容を公開いたします。 なお、実際の文書上は下線で表示した箇所についてはnoteの機能の都合上、太字に替えています(見出しを除く)。 1.序文 突然の文書を失礼いたします。令和6年8月21日現在において立憲民主党代表選に正式に立候補されている方並びに立候補すると目されている方に、本書をお送り

    • シール問題から「法律」を考える

       こんにちは、地方の会計屋です。  厳密には「専門外」ではありますが、法律の観点から進めていきたいと思います。  もちろん弁護士・検事・裁判官といった司法試験をクリアされた方には及ぶべくもありませんが、公認会計士試験においても会社法(旧商法)は必修科目であり、曲がりなりにも法律学の理論構成は最低限身に着けているという自負はあります。 東京都知事選の「Rシール」を巡る騒動 既に経緯をご存じの方は多いかと思われますが、今年7月7日投票日の東京都知事選に立候補した蓮舫氏を応援す

      • 人にやさしい都政のために

        こんにちは。「地方の会計屋」です。 今回は100%私事です。 トップの画像はののぴた@nonopita21様のツイートより拝借いたしました。 東京都知事選が喧しい中、東京の知人に何人か電話して旧交を温める機会がありました。 今の私は首都圏からも離れた地方在住ですが、十年ほど前は東京に住んでいました。 その中の一人(以下Nさん)は、当時の私の自宅の近くにあったおにぎり屋さんを営んでいました。 個性的な創作おにぎりが売りで、味だけでなく見た目も飽きることがなく、朝食もろくに用

        • Colaboの「大量脱税」に関する考察

          皆さん、こんにちは。 久しぶりの投稿となります。 Colaboが「大量脱税」?今回は以前から気にはなっていたテーマの一つですが、業務にかまけてこのようなタイミングとなりました。 ニュースサイト”エコーニュース”が仁藤夢乃氏の一般社団法人Colaboが「大量脱税」をしているのではないかという指摘を行っており、これについて考察してみます。 ニュースサイトの内容を要約すると、以下の通りとなります。(あくまで私個人の偏見が介在します。詳細については末尾のリンクでご確認ください)

        立憲民主党の政権交代に必要な組織の構築に関する献策

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(後編)

          膨大な文章となりましたが、これでようやく完結です。 本稿ではイスラエルの法制度にスポットを当ててみます。 未読の方は、ぜひこちらからお願いいたします。 イスラエルが直面する民主主義と民族主義のアンビバレンツ「民主主義国家」としてのイスラエル あくまで一般的な認識ではありますが、イスラエルも議会民主制に基づく共和制を採用しており、「西側先進国」の一員として位置付けられています。 「先進国」という言葉そのものについて具体的な定義があるわけではありませんが、「高度な民主主義政

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(後編)

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(中編)

          こんにちは。 前編に続き、専門外ではありますがイスラエルの現状及び背後関係に関する雑考を進めていきます。 前編が未読の方は、こちらよりご覧ください。 イスラエルを生んだ2つのシオニズム「シオニズム」の起源 イスラエルを語るにあたって必ず出てくる言葉でもある「シオニズム(Zionism)」にも触れておきます。このシオニズムという概念の誕生過程と根底にあるエッセンスこそが、パレスチナ問題の本質と言っても過言でもないと私は考えます。 そして、米国がこれほどまでにイスラエルに固執

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(中編)

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(前編)

          こんにちは。地方の会計屋です。 専門外ではありますが、前回に続きガザ戦争の思考を整理して行きたいと思います。 今回はタイトルの通り、イスラエルにスポットを当てます。 未読の方は、併せてご覧ください。 イスラエルを取り巻く現状は何なのかイスラエルは特殊な国? アルジャジーラのようなニュースメディアやパレスチナ人と思しきアカウントによるSNS投稿を見ていると、目を疑うような現実の数々に何度言葉を失ったかわかりません。 ただ残酷で凄惨というよりも、パレスチナ人ならいくら殺しても

          【パレスチナ雑考】人工国家・イスラエルの幼年期の終わり(前編)

          【パレスチナ雑考】「アラブの春」はチュニジアに始まりパレスチナに終わる?

          こんにちは。「地方の会計屋」です。 本来このnoteでは専門分野以外は書かないつもりでした。 しかしながら、10月7日のハマスによる攻撃から始まったイスラエルによるガザの攻撃(実際には文字通りの「ジェノサイド」ですが)を海外のメディアやSNSアカウントを通して見るにつれ、多忙な時期にありながら半ば心ここにあらずといった日々が続いていました。 そして今、6日半に及ぶ休戦は終わり、再び攻撃が再開されています。 これを機に、自身の思考の整理も兼ねてこの記事を書きます。 (既に日

          【パレスチナ雑考】「アラブの春」はチュニジアに始まりパレスチナに終わる?

          しんぐるまざあず・ふぉーらむの不正会計は「古典的」な粉飾決算

          皆さん、こんにちは。 気が付けば半年以上ぶりの投稿となります。 本当は、Colaboを巡る裁判の一つでも争点となっているある事項について触れようと思っていたのですが、ちょうど「認定NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ(以下、同法人)」における不正会計がニュースとなっていたので、急遽こちらを解説していくこととします。 既に報道並びに同法人による公式発表によって事件の経緯は明らかにされていますので、詳細は割愛します。 事件の概要それぞれに書かれている通り、”A”という会計

          しんぐるまざあず・ふぉーらむの不正会計は「古典的」な粉飾決算

          【Colabo⑤】今更ながら「住民監査請求結果」を整理する

          みなさん、こんにちは。 久しぶりに原稿を書きます。 今更ではありますが、以前言われていた通り2月28日を期限とした「再調査」が改めて東京都に提出され、それを踏まえた結果及び「措置」の通知書(並びに「別紙」という名目で当該措置の詳細)が3月3日に東京都監査事務局より公開されました。 私も発表当時に大まかな内容は把握していましたし、公開直後にまとめたかったのですが、確定申告という一年で最も忙しいシーズンの真っ只中だったため、今のようなタイミングとなりました。 何卒御容赦くださ

          【Colabo⑤】今更ながら「住民監査請求結果」を整理する

          【Colabo④】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その3)及び再調査による影響の推測

          当初の想定以上に膨らんでしまいましたが、監査結果報告書における指摘事項及びその想定される影響について2回に分けて分析してきました。 今回でようやく最後です。 5.給食費、宿泊支援費に関する指摘事項について一つだけ「妥当性が疑われるもの」と小節を分けている指摘事項 初めに、監査結果報告書の当該指摘事項の文言を改めて振り返ってみましょう。 暇空氏自身もホテル代の過大計上を疑う主張をかなり早い段階から行っており、Colaboあるいは仁藤氏によるSNSにおける「お祝い会」などの

          【Colabo④】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その3)及び再調査による影響の推測

          【Colabo③】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その2)

          今回は、前回の内容が膨らみ過ぎて書き切れなかった事項の続きです。 前回及び前々回は、こちらです。 なお、引き続きの大反響に加えて、サポートまで下さった方までおられました。 遅ればせながら、御礼申し上げます。 前回記事の概要初めに、途中で途切れてしまった前回記事の流れをおさらいしてみます。 具体的な考察については、前回記事をご覧ください。 既読の方は、次章まで読み飛ばして頂いても構いません。 いわゆる「(表3)問題」について 前回記事では、監査結果報告書に「本事業(東京

          【Colabo③】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その2)

          【Colabo②】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その1)※1/14・1/15一部訂正・加筆

          前回記事で、1月4日付で東京都より公開された一般社団法人Colaboの「不正会計疑惑」に係る「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果(以下、監査結果報告書)」について要約・解説したところ、お陰様で想像を大幅に超える反響を頂きました。 改めて、御礼申し上げます。 前回記事を未読の方は、ぜひ下記よりご笑読ください。 もちろん、「ここは○○ではないのか?」等々、辛辣なご意見・ご感想も多数

          【Colabo②】引き続き、監査結果報告書に関する補足のようなもの(その1)※1/14・1/15一部訂正・加筆

          【Colabo①】取り急ぎ、東京都による監査結果報告書を読んでみた

          ネット(特にTwitter)界隈を騒がせている"一般社団法人Colabo"の事件ですが、本日(2023年1月4日))東京都監査委員による監査結果が公開されましたので、ひとまず一通り目を読んでみました。 あくまで当該記事は当監査結果の概要を紹介する内容に留まりますので、あらかじめご了承ください。 そもそも何が問題だったのか 既にご存じの方も多いので詳細は割愛しますが、”暇空茜”なるネットユーザーが東京都への開示請求などによりColaboに関連する文書を入手したところ、Cola

          【Colabo①】取り急ぎ、東京都による監査結果報告書を読んでみた

          「内部統制」と権限の集中が招く弊害

           前回の記事で、もともと会計監査の現場における重要なファクターである「内部統制」の意義について簡単に紹介しました。  今回は、もう少し掘り下げてみましょう。  内部統制の根底にある考えを「一人に全てを任せない」と書きましたが、具体的に何を示しているのでしょうか? また、なぜ一人に任せることがいけないのでしょうか?  例えば、社長が仕入も販売も支払も経理も全て行うことを考えてみてください。  いわゆる「一人親方」や家族と数人の従業員だけで切り盛りしている中小・零細企業であれ

          「内部統制」と権限の集中が招く弊害

          会計監査の観点で考える「統制」

           組織の「統制」と聞いて、どのようなものを想像するでしょうか。  平たく言えば、組織が組織本来の目的を効率よく果たせるように、目的を逸脱した行為を防ぐための取り組みです。  会社で言えば、継続的な事業活動によって利益を獲得して資金を確保しながら存続し続けるのが、その存在目的と言えるでしょう。  そのためには、販売だけでなく材料や商品の仕入、製品の生産、売上代金の回収並びに従業員の確保と給与の支払いなど、必要な一連の事業活動が適正かつ円滑に行われることを確保しなければなりませ

          会計監査の観点で考える「統制」