怒らない男が激怒したエピソード3選③

最終回は住宅街の入り口に路駐していた業者の話である。ここ数年記憶にないレベルの激怒案件となり、自分の中にまだこんな激情が存在していたのかと新鮮な驚きを得た。


3. 住宅街の入り口に路駐していた業者

概要

【激怒対象】初老の作業者
【激怒理由】尊大で傲慢で横柄な態度
【激怒レベル】★★★★★

激怒概要③

はじめに

本件はほんの何週間か前の話につき、鮮明に覚えている。うちの家は密集した住宅街にあるのだが、めちゃめちゃ道が狭く、そこかしこに車が擦った痕があり、運転にはとても気を使う。すれ違うのも一苦労で、いつも来るな!来るな!と強力な念を送りながら進んでいる。修行が足りないのか、あまり効果はない。

不穏な気配

とある休日、外出から戻ってくると、住宅街の入り口にバールのような、もといハイエースのようなワンボックスカーが停まっており、どこぞの業者が道路の一部を塞ぎつつ、荷下ろしをしている最中だった。ギリギリ通れるかな…という道幅だったが、マイカーは2400ccで結構な巨体である。どう考えても一時停車するような場所ではないし、すぐ隣にはコインパーキングもある。モラルに欠けたアレな業者のためにわざわざ危険を冒す必要はないと思い、ブッブー!とクラクションを鳴らして移動をうながした。

不届者の放言、そして激怒

しかし、ツナギを着た初老の作業者はこちらをチラッと見ただけで、そのまま作業を続行した。おいおい、お前ふざけんなよ。このクソ狭い幅を通っていけと?それならそれで一声かけんかいゾウリムシが!「お手数おかけしてすみません、車1台ぶん通れるぐらいのスペースは空けてますんで!」の一言あるやろ普通。ここは絶対に折れてはいけない局面だ。少し間をおいて、もう一度ブッブー!と圧をかけた。すると、ツナギのじじいがこちらへ近づいてきて、苦笑いでこう言った。

「皆さん、この道幅で通っていかれてますけどねぇ(てか、余裕っしょ)」

ハァ――――――――――!?通れる通れへんの話ちゃうんじゃこのボケ老人が!!お前らの都合でくっそジャマな場所に車停めといて、何の配慮もなしに行けるっしょ、って何様じゃオラ北河内の団地民ナメんなよ!!と爆速で頭に血がのぼり、窓から身を乗り出して戦闘態勢に入ったのだが、助手席に座っていた愛息が「お父さん!やめて!」と悲壮な表情で制止してきたので、ぐぎぎぎ…と唇をかみしめ、握りしめたこぶしの爪が手のひらに食い込み、死ぬ思いで怒りをこらえたのだった。

しかしどうしても気が収まらなかったので、「ジャマなんじゃ○△×!!」と一言だけ捨てゼリフを申し添えておいた。てへ☆

おわりに

思うに、道理をわきまえず、偉そうで不遜な態度の輩にどうしても我慢ならない性質のようだ。そう言えば、若い頃から不当に権力を振りかざす年長者に反発しまくっていた覚えがある。老害に屈すること、それはすなわち死である。

もし次また同じ状況に遭遇したら、その場で業者の事業所に電話をかけ、直接クレームを入れてやろうと心に誓っている。むしろ、なぜあの時その発想が思い浮かばなかったのか…くやちぃー!

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