金のねじ

3月1日
春の始まりと共に私は生まれた。

家族の第一子として誕生した私はたくさんの人が喜んでくれただろう。ここで喜んでくれた家族や親戚のおかげで私は今の人生を歩んでいくことができている。

もちろん私は当時の記憶などは残っていない。
それでも聴いた話しを頼りに振り返りたい。

私の両親は実家が富山県にある。初めての出産ということもあり、ママはおばあちゃんのいる富山県で私を産んでくれた。

私が産まれた日、パパはお仕事の関係で新幹線だったか飛行機に乗っていた。そろそろ産まれるという連絡はあっただろうがどうしても間に合わない。おそらくそわそわしてくれていたのではないか。そんな時、どこからかねじが落ちてきた。それもただのねじではない。金色のねじだ。不思議に思うパパであったが特に気にしなかった。
後から聞くとなんとそのタイミングがちょうど私が産まれた時間と同じであったそうだ。

これはあくまでも幼い時にパパから聴いた話のため本当なのかはわからない。ただ私が産まれた時を懐かしそうに話すパパに笑みがこぼれた。私が産まれたということはパパとママが初めて親になった瞬間でもあるのだ。もし私にタイムトラベルの能力が備わっていたら間違いなくこの日に戻りたい。そして両親と親戚に喜んでくれてありがとうと感謝の気持ちを伝えたい。

昔も今も大好きなパパとママ。
私を産んでくれて、そしてこの素晴らしい世界を見せてくれて本当にありがとう。

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