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心理安全には、セキュアベースを持つことだった!

人はいろんな感情を持つ。怒り、悲しみ、驚き、嬉しさなど、そんな感情は身近な誰かに伝えたい!言いたい!誰か聞いて!となるのではないか?その安心して聴いてくれる誰か、その人がセキュアベース(安全基地)なのではないか?という仮説を述べてみます。


「これ、言いたい!」「誰か聞いて!」

例えば、試験に受かったときに、いち早く伝えたいと思える人、何か嫌なことがあったときに、「ねぇ聞いて!こんなことがあったの!」と言える人、驚くことがあった時に、「今日ね、こんなことがあって、、、びっくりだよね。」と話せる人、こんな人はいますか?

特に、嫌なことがあり怒りがこみ上げてきたとき、教科書的にはアンガーマネージメントに代表されるような感情をコントロールするような方法も数多くある。私もメタ認知の考え方としてABC理論で感情をコントロールすることはとても意義があると思います。
だけれども、想像してみて下さい。あなたに何かとても腹立たしいことが起こったときに、まず、誰かにその状況を伝えたいのではいでしょうか?
そして、その人はきっと否定せずにあなたの考えを聴いてくれる。聴いてもらうときっとすっきりしたり、まぁいいかとも思えたりする。
それは、「共感」してもらったり、「味方」になってもらえることで心が安心するのだと思います。
そんなことを考えていたら、やはりドラマを見ていると、ドラマでは人間関係が描かれていることが多いので、そんな話を聴いてもらって、解決していくようなことがたくさん描かれています。そして、「味方」となって背中を押してくれる存在であったりと、人はそうやって生きているようです。聴いてもらう中で内省したり、一人ではできない感情のコントロールの助けとなってくれるのでしょう。

セキュアベース(安全基地)

セキュアベース
守られているという感覚と安心感を与え、思いやりを示すと同時に、ものごとに挑み、冒険し、リスクをとり、挑戦を求める意欲とエネルギーの源となる人物、場所、あるいは目標や目的

『セキュアベース・リーダーシップ』プレジデント社 
George Kohlrieser

セキュアベース(安全基地)という考え方があるのですが、このセキュアベースがまさに何でも聴いてくれる人というのが一つの指標になるのではないかと思うのです。安心して、話すことができる人。

そして、その先が重要で、このようなセキュアベースとなる人がいるからこそ、挑戦することができるというのがとても大事なポイントです。
この安心の部分と挑戦の部分はバランスが必要で、例えば組織でいうと「思いやり」だけが重視されているとゆるい組織になってしまい、そこでセキュアベースが整っていれば、挑戦できるような組織文化になっていくのだと思います。

さて、そのセキュアベース、この場合「人」として考えてみると、子どもの時は「親」や「保育園の先生」「幼稚園の先生」だったり、ある意味面倒を見てくれる人がいると、その人がメンタルも頼れる存在になっています。しかし、成長するにつれ、例えば親のいない分野、親の知らない分野が出てきます。それは、学校生活での友達関係だったり、そして、大人になると職場だったり。そうすると、親は共感することができない。そして、別のセキュアベースとなる、何でも話せる、共感してくれて味方になってくれる人が必要となってきます。大人の世界には、このセキュアベースの「役割」にあたる人に名前がついていない。だから、安心して話せる人を見つけるには大変だ。「こんなこと話して、ただの悪口言っている人になっちゃうかな。」「こんなこと話したら重荷かな。」「大ごとになってしまうかもしれないから、やはり言わない方がいいのかもしれない。」だけど、SNSには、どうしても聴いてほしい人がつぶやく。セキュアベース、誰がなってくれるのだろうか?信頼できる人。子育てのことであれば、一緒に子育てをしているパートナーが適任だと思います。学校の世界では、特に10代くらいからは親友と呼ばれる人を作るのは、そんな社会的つながりを求めているから必要で作っているのでしょう。

職場でもセキュアベースになる人がいれば挑戦できる!


孤独、心配性、挑戦できなく、安泰を求めるなど、大人のセキュアベースが様々な問題を解決していくと私はセキュアベースに明るい未来を感じます。
職場だと、それをシステムとして作ることもできます。
ルールを決めて、セキュアベースになるような人を「役割」として置くことは可能かもしれません?「何かあったら言ってね。」「挑戦してみて、壁にぶつかったら相談してね。」そんなことを言ってあげられるセキュアベース、何かいい役職の名前をつけたいところ。
私は、ミヒャエルエンデの「モモ」になりたいと思っています。正に、彼女はセキュアベースだからなのだと思うのです。「モモ」に関してはまた、じっくり書いてみようと思います。


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