「かつめ」をみつめる#2
「かつめ」とは、こちらのエッセイマガジンのことです。
エッセイってわかんね~と思っている私がやること
8月のキーワードは「Tシャツ」と「台風」です。
8月の「かつめ」をざーっと見てみると、キーワードをタイトルに入れているのはいちかわさんだけだった。なるほど。確かに、最初の段落と最後の段落にキーワードを入れるルールだけど、タイトルに入れるかどうかは任意だ。キーワードを存分に使うのか、ちょっとしたアクセントのように使うのかもよく見てみよう~と思った。
"彼女"としてのいちかわさんが書かれたエッセイ。恋愛指南書的なものよりよっぽど女の子の気持ちがわかる文章だと思う。女心がちっともわからない男性に読んでもらいたい。
ちょっとした歯車のズレから、いちかわさんはプチ家出を敢行するのだけど、沸々とした思いで荷物をカバンに詰める場面とか、結局次の夜には彼の家に戻るところとか、不満があっても大爆発できないところにめちゃくちゃ共感してしまった。錠剤を飲んだ後にもう一杯水を飲むような、「詰まり」を無視することが男女の付き合いには必要なのだ。
キーワード①:Tシャツ
南凪子さんのエッセイに引き続き、一文目に洗濯物としてのTシャツが登場する。南凪子さんは取り込んだ後Tシャツ、いちかわさんはこれから干すTシャツ。洗濯物を干したり取り込んだりする時って、割と手が勝手に動いてくれるから頭では全然別のことを考えてることがある。
心のイガイガは大きくなっているのに、彼の分まで洗濯物を干している所が愛だ。エッセイの後半、ご自身では「ひどく気分屋で自分勝手で、思うまま行動してしまうわたし。」と言っているけど、このエッセイを読んでいてもそんな人には写らなかった。もしくは、私もいちかわさんと同様に「ひどく気分屋で自分勝手で、思うまま行動してしまう」タイプなのかもしれない。
キーワード②:台風
昔の台風のような恋もすごく気になる。いつかどこかで書いてくれないかしら、と思いつつ、私も学生時代は恋のことで泣いたり怒ったり絶望したり、自分を見失うほどひっちゃかめっちゃかだったことを思い出した。
これは勝手な予想だけど、「台風」のキーワードで何を書くのかすぐにイメージが湧きなさったんじゃないだろうか。1晩のプチ家出を天気で喩えるところもさすがだ。
晴ればかりでも干上がってしまう。太陽の日差しが嬉しいのは、雨が降る夜を知っているからなのだろう。